妊娠と甲状腺|妊娠前から産後までの検査・治療ガイド

まず結論:妊娠中の甲状腺機能異常は、胎児の脳・神経の発達や母体の健康に影響を及ぼす可能性があり、適切な管理が極めて重要です。妊娠を希望する方は、妊娠前に甲状腺機能(TSH)をチェックし、目標値に調整しておくことで、不妊・流産・早産などのリスクの低減が期待できます。しもやま内科では、妊娠前から妊娠中・産後まで一貫した専門的管理を提供しています。

このページの役割

甲状腺の病気と妊娠・妊活の関係を、甲状腺専門外来の立場から整理した入口のページです。甲状腺機能の検査値の見方や薬剤ごとの注意点は下のサブページで詳しく解説しています。妊娠中の内科合併症の管理(産婦人科との連携)は、産婦人科連携のページで扱っています。

関連ページ

妊娠と甲状腺 サブページ一覧

「妊娠を考えている・妊活中」「妊娠中」「産後」「思春期・小児」の4つに分けて整理しています。妊娠中の内科合併症の管理(産婦人科との連携)は、妊娠中の内科疾患の初期対応と管理で解説しています。

妊娠を考えている・妊活中

妊娠中

産後

思春期・小児(一般医学情報)

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状況 読むページ
TSHが高いと言われた/妊活を始める前に確認したい TSHが高いと妊娠しにくい?(総論)
不妊治療中で、甲状腺の数値も気になる 不妊治療と甲状腺
妊娠中にTSHを指摘された・目標値を知りたい 妊娠中のTSH目標値
チラーヂンS(レボチロキシン)を飲んでいる 妊娠中のチラーヂンSの使い方
抗甲状腺薬(メルカゾール・プロパジール)を飲んでいる 妊娠中の抗甲状腺薬
潜在性甲状腺機能低下症と言われた(妊娠中〜産後) 潜在性甲状腺機能低下症と妊娠
抗体陽性・橋本病と言われている 橋本病と妊娠・授乳
出産後の体調不良が続く 産後甲状腺炎

妊娠を考えている方へ ― まず確認したいこと

妊娠を希望される方からは、次のようなご相談をよくいただきます。

  • TSHが少し高いと言われたけれど、妊娠しても大丈夫?
  • 潜在性甲状腺機能低下症・橋本病と診断されている
  • 流産を繰り返している。甲状腺が関係しているのだろうか
  • 不妊治療を始める前に、何を検査しておけばよい?

甲状腺ホルモンは、赤ちゃんの脳・神経の発達に関わります。とくに妊娠初期は胎児が自分で甲状腺ホルモンを作れないため、お母さんの値が重要になります。妊娠前に一度TSHを確認しておくことが、安心して妊娠・出産を迎える第一歩です。

検査の内容・目標値・治療を始める基準は、次のページで詳しく解説しています。

初診では問診と甲状腺機能検査(TSH・FT4・FT3・抗体)、必要に応じて甲状腺エコーを行い、妊娠前から妊娠中・産後まで一貫して管理します。妊娠が分かったら、早めにお電話でご連絡ください。

TSHの目安(早見表)

妊娠の時期によってTSHの目安は変わります。妊娠中は非妊娠時より低い値で評価する点にご注意ください。数値の考え方・再検の間隔は、各ページで詳しく解説しています。

時期 TSHの目安 詳しい解説
妊娠前(妊娠希望時) おおむね2.5未満 妊娠前チェックと治療の基準
妊娠初期(〜13週) 2.5 程度まで 妊娠中のTSH目標値(妊娠週数別)
妊娠中期(14〜27週) 3.0 程度まで
妊娠後期(28週〜) 3.5 程度まで
産後 妊娠前の値に戻す 産後甲状腺炎
⚠️ 緊急受診の目安:妊娠中の強い動悸・息切れ・吐き気・体重減少などがある場合は119番へのご連絡をおすすめします。受診のタイミングに迷う場合は、047-467-5500までお電話ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 妊娠前に甲状腺の検査は必要ですか?

A. はい、推奨します。とくに不妊や流産の既往がある方、甲状腺疾患の家族歴がある方、動悸や首の腫れなどの症状がある方は、妊娠前にTSHを確認しておくことをおすすめします。詳しくは妊娠前チェックのページをご覧ください。

Q. TSHが高いと妊娠しにくいの?

A. TSHが高い状態が続くと、妊娠しにくさや流産リスクとの関連が指摘されています。目標値や治療を始める基準はこちらのページで解説しています。

Q. 橋本病でも妊娠・出産はできますか?

A. 甲状腺機能を適切に管理していれば、多くの場合は妊娠・出産が可能です。抗体値が高い方の管理は橋本病と妊娠・授乳をご覧ください。

Q. バセドウ病で妊娠中も薬は続けていい?

A. 治療の継続が必要です。薬剤の選択は妊娠時期によって異なるため、専門医の管理下で調整します。詳しくはバセドウ病と妊娠をご覧ください。

Q. 流産と甲状腺の関係は?

A. 未治療の甲状腺機能低下症や甲状腺抗体陽性の方では、流産リスクがやや上昇するとされています。妊娠前に検査・治療を開始することでリスクの低減が期待できます。

Q. 妊娠中のチラーヂン®用量は増やす?

A. 妊娠中は甲状腺ホルモンの需要が増えるため、多くの方で用量の増量が必要になります。妊娠が分かったら早めにご連絡ください。調整の実際は妊娠中のTSH目標値をご覧ください。

Q. 産後甲状腺炎とは?

A. 出産後1年以内に甲状腺機能が変動する状態です。疲労・動悸・不眠などが産後うつと間違えられることもあります。詳しくは産後甲状腺炎をご覧ください。

Q. PCOSと甲状腺は関係があるの?

A. PCOSと甲状腺機能異常は合併しやすい傾向があります。検査の考え方はPCOSと甲状腺をご覧ください。


院長からのメッセージ

妊娠を心から願われるすべての女性に、安心して赤ちゃんを迎えていただきたい。それがしもやま内科の願いです。

甲状腺の数値だけでなく、患者さん一人ひとりの背景や不安に寄り添いながら、最適な治療をご提案いたします。

少しでもご不安がある方は、どうぞ遠慮なくご相談ください。

ご予約について

当院は電話予約のみとなっております。
お電話の際に「妊娠希望の甲状腺の相談」とお伝えいただければ、スムーズに対応いたします。

TEL: 047-467-5500

この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医

糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。年間約480件(2025年度実績)の甲状腺エコーを実施し、甲状腺疾患の診断・治療に豊富な経験があります。

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最終更新日:2026-09-11

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

25/01/2026