降圧薬を飲みたくないと言われたときに医師が確認すること|家庭血圧150台が続く人へ

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家庭で測る血圧が150台。医師からは「薬を飲みましょう」と言われたけれど、できれば薬は避けたい——。
薬に抵抗があるのは珍しいことではありません。大切なのは、不安を抱えたまま放置しないことと、安全に判断する手順を踏むことです。
このページでは、循環器専門医の立場から、まず確認するべき点、生活改善の優先順位、そして「いつ治療に進むべきか」を整理します。


1. まず「血圧の測り方」と「平均」で評価します

血圧は、測り方で20mmHg以上ぶれることがあります。まずは次を確認します。

  • 測定は上腕式(手首式は誤差が出やすいことがあります)
  • 座って1〜2分安静後、背もたれあり、会話しない
  • 朝(起床後〜朝食前・服薬前)夜(就寝前)に測る
  • 1回で決めず、可能なら1回につき2回測って平均を見る
  • 1〜2週間の平均で判断(たまたま高い日だけで決めない)

家庭血圧150台は「高血圧の範囲」です

一般に家庭血圧は135/85mmHg以上で高血圧と考えます。家庭で150台が続く場合、「白衣高血圧だけ」とは言い切れないことが多く、まずは安全に評価してから方針を決めるのがおすすめです。


2. 薬に抵抗があるときほど、先に確認したい「危険度」

薬を急ぎたくない場合でも、次を確認しておくと「様子見が安全か」「早めに治療が必要か」が判断しやすくなります。

(A)臓器ダメージのチェック(心・腎・脳)

  • 心電図(不整脈・心肥大のサイン)
  • 採血・尿検査(腎機能、尿蛋白、糖・脂質など)
  • 必要に応じて心エコー・頸動脈エコーなど

(B)二次性高血圧(原因が隠れている高血圧)

特に50代で家庭血圧150台が持続する場合、体質(本態性高血圧)が多い一方で、原因が隠れていることもあります。
睡眠時無呼吸(いびき・強い眠気)、腎臓の病気、ホルモンの影響、薬剤(痛み止め等)などを整理すると安全です。


3. 生活改善は「効く順に」絞ると続きます

(1)減塩:まずここが最優先

  • 汁物は「毎回完飲」しない(半分残すだけでも変わります)
  • 麺類のスープは残す/つけ麺スタイルにする
  • 加工食品(ハム、ソーセージ、漬物、惣菜)を”毎日”にしない
  • 味付けは「かける」より「つける」へ

(2)体重:少し落ちるだけで血圧が下がる人がいます

急な減量は不要です。まずは間食・夜食・甘い飲料を減らし、体重が少しでも動くと血圧が改善することがあります。

(3)睡眠・いびき(睡眠時無呼吸)

いびき、日中の眠気、起床時の頭痛がある方は、血圧が下がりにくい原因が隠れていることがあります。睡眠の質を整えることは、生活改善の中でも”効きやすい”ことがあります。

(4)飲酒・運動

  • 飲酒:量と頻度が増えるほど血圧は上がりやすくなります(休肝日を作る)
  • 運動:まずは「毎日10分の速歩」から。続いたら時間を伸ばします

4. 「カリウム摂取」は有効なこともありますが、注意が必要です

野菜・果物などのカリウム摂取が血圧に良い方向に働くことはあります。ただし、腎機能が低い方や、薬の組み合わせによっては高カリウム血症のリスクが上がることがあります。
「カリウムを増やす」前に、まずは採血で腎機能とカリウムを確認しておくと安心です。


5. 期限を決めて再評価:おすすめは「2〜4週間」

薬をすぐに始めたくない場合でも、期限を決めて再評価するのが安全です。
生活改善を頑張っても家庭血圧が150台で続く場合、放置するよりも、少量から治療を始めて安全域に入れるほうが、将来的な脳・心・腎のリスクを下げられる可能性があります。

「薬=一生固定」ではありません

薬は「最小量から」「合わなければ変更」「生活改善が進めば減量できる場合もある」など、柔軟に調整できます。
“薬を飲むか/飲まないか” の二択ではなく、納得できる形で前に進むことが大切です。


要注意:高血圧緊急症のリスクを理解しましょう

高血圧緊急症(Hypertensive Emergency)とは、血圧が極度に上昇し(多くの場合180/120mmHg以上)、脳・心臓・腎臓などの臓器に急速な障害をきたしている状態です。単に「血圧が高い」だけでなく、以下のような症状を伴う場合は、救急受診が必要です。

  • 激しい頭痛、めまい、視力障害(見えにくい)
  • 胸の痛み、圧迫感、息切れ
  • 手足のしびれ、麻痺、ろれつが回らない(脳卒中の可能性)
  • 意識の低下、けいれん
  • 吐き気、嘔吐を伴う高血圧

家庭血圧が150台だからといって必ずしも緊急ではありませんが、180/120mmHg以上を一度でも記録したら、症状の有無にかかわらず早めに医療機関に相談してください。高血圧緊急症は命に関わる状態であり、迅速な治療が不可欠です。


6. 受診を急いだほうがよい目安

  • 家庭血圧で180/110mmHg以上が出る
  • 胸痛、強い息切れ、片側の手足のしびれ・麻痺、言葉が出にくい、激しい頭痛
  • むくみが増える、急な体重増加、動悸が強い


よくある質問(FAQ)

家庭血圧が150台でも、生活改善だけで様子見していいですか?
条件によります。まずは測り方を整え、1〜2週間の平均で評価します。臓器ダメージや二次性高血圧のチェックを先に行い、2〜4週間など期限を決めて再評価するのが安全です。150台が続く場合は、少量から治療を始めたほうが将来の脳卒中・心筋梗塞リスクを下げやすいことが分かっています。
血圧はいつ測るのが正しいですか?
目安は朝(起床後〜朝食前・服薬前)と夜(就寝前)の2回です。座って1〜2分安静にした後、背もたれを使い会話せず測定します。1回だけで判断せず、1回につき2回測って平均を見るとブレが減り、より正確な評価ができます。
減塩は何から変えるのが一番効きますか?
多くの方で効きやすいのは、汁物・麺類のスープを残すこと、加工食品・惣菜を毎日とらないこと、「かける調味」から「つける調味」への切り替えです。全部やろうとせず、効くところに絞るのが長続きのコツです。
カリウムを増やすと血圧に良いと聞きました。誰でも増やしていいですか?
腎機能が保たれている方ではカリウム摂取が血圧改善に有効なことがありますが、腎機能が低い方や特定の薬(ACE阻害薬・ARBなど)を服用中の方は高カリウム血症のリスクがあります。食事で増やす前に採血で腎機能とカリウム値を確認すると安心です。
薬を始めたら一生やめられませんか?
一生固定とは限りません。少量から開始し、合わなければ別の薬に変更可能です。また、生活改善が進み体重減少や減塩が習慣化して血圧が安定すれば、医師の判断で減量できる場合もあります。「納得できる形」で安全域に入れることが大切です。
どの数値なら急いで受診すべきですか?
家庭血圧で180/110mmHg以上が出る場合や、胸痛・強い息切れ・片側の手足の麻痺・言葉が出にくい・激しい頭痛などがある場合は早めの受診が必要です。特に180/120mmHg以上の場合は高血圧緊急症の可能性があるため、ためらわず医療機関に相談してください。
高血圧緊急症とは何ですか?どんな症状が出ますか?
血圧が極度に上昇(180/120mmHg以上)し、脳・心臓・腎臓に急速な障害をきたす危険な状態です。激しい頭痛、胸痛、息切れ、視力障害、手足の麻痺、意識低下などの症状を伴います。これらの症状がある場合は救急受診が必要で、迅速な治療が命を守ります。
血圧が正常範囲に下がったら薬をやめてもいいですか?
自己判断での中止は危険です。薬で血圧が安定している場合、減量や中止の判断には生活習慣の定着度や長期間の経過観察が必要です。医師の指導のもとで漸減(少しずつ減らす)を検討するのが安全です。急な中止で血圧が急上昇するリスクもあります。
手首式の血圧計でも正確に測れますか?
手首式は上腕式に比べ誤差が出やすく、特に血圧変動の大きい方や動脈硬化のある方では正確性が低下します。家庭での血圧管理には、できれば上腕式(カフを腕に巻くタイプ)をご使用いただくことをご検討ください。
生活改善を始めてから血圧が下がるまでどのくらいかかりますか?
減塩であれば数日〜2週間で効果が見られることがあります。体重減少や運動習慣の効果は2〜4週間程度で現れ始めることが多いですが、個人差が大きく、効果が不十分な場合は薬物治療の併用も検討します。
高血圧の治療中に気をつけるべき併用薬はありますか?
非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs:市販の痛み止め・湿布など)は血圧を上げる作用があります。また、一部の風邪薬や漢方薬、ステロイド薬も血圧に影響します。市販薬を購入する際は、高血圧の治療中であることを薬剤師に伝えましょう。
若いのに血圧が高いのはなぜですか?
若年性高血圧の原因として、肥満・食生活・運動不足などの生活習慣要因に加え、二次性高血圧(腎臓疾患・ホルモン異常・睡眠時無呼吸など)の可能性も考慮する必要があります。40歳未満で高血圧を指摘された場合は、一度詳しい検査をご検討ください。


ご相談をご希望の方へ

家庭血圧150台が続く場合は、測定記録(朝・夜)をお持ちいただくと判断がスムーズです。
しもやま内科(船橋市)では、状況に応じて検査や生活改善の優先順位、治療の進め方を一緒に整理します。
電話:047-467-5500

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。


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当院は千葉県船橋市芝山4-33-5に位置し、京成電鉄松戸線「高根木戸駅」・東葉高速鉄道線「飯山満駅」から各々徒歩15分です。駐車場7台完備(予約不要・無料)です。

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最終更新日:2026-08-28

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下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

17/01/2026