eGFR・クレアチニンの正しい見方|腎機能検査の数値を内科専門医が解説

👨‍⚕️ この記事の監修
しもやま内科 院長 下山立志(日本内科学会 総合内科専門医 / 日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医)

⚠ 急ぎの症状がある方へ
突然の呼吸困難、尿が出ない、意識の低下など、急な症状がある場合は、ためらわずに119番(救急車)へのご連絡をおすすめします。
この記事を読んで「腎機能が少し悪い」と言われて不安な方へ
健診の数値だけで慌てる必要はありません。しもやま内科では内科専門医が丁寧に評価し、必要に応じて当日検査も対応します。
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🔊 このページの要点

健診で「腎機能が少し悪い」「eGFRが60」「クレアチニンが高い」と言われても、あわてる必要はありません。
eGFRやクレアチニンの数値は年齢・性別・体格の影響を受けるため、一度の検査で腎臓病と断定できないケースが多くあります。
まずは再確認と生活習慣の見直しから進めましょう。慢性腎臓病(CKD)は早期発見・早期対応が大切です。

「腎機能が少し悪い」と言われて
不安になっていませんか?

健診の数値は「要注意」の合図であって、確定診断ではありません。
eGFR60・クレアチニン高めでも、再検査と生活習慣の見直しで改善できるケースが多くあります。
しもやま内科では内科専門医による評価・フォローアップも対応しております。

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腎機能検査で何がわかる?eGFR・クレアチニンの基礎知識

健康診断の血液検査に含まれる「腎機能」の項目では、主に以下の数値が測定されます。

項目 基準値(目安) 検査でわかること
eGFR 60以上 mL/分/1.73m² 腎臓が血液をろ過する能力。年齢・性別で補正した推定値。
クレアチニン 0.5〜1.1 mg/dL(男性)
0.4〜0.8 mg/dL(女性)
筋肉で作られる老廃物。腎機能低下で上昇する。
尿素窒素(BUN) 7〜20 mg/dL たんぱく質代謝の最終産物。脱水や腎機能低下で上昇。
尿たんぱく (−)陰性 尿にたんぱく質が漏れ出ていないかを確認。

💡 eGFRとクレアチニンの違い
クレアチニンは筋肉量に影響されるため、高齢者や筋肉量が少ない方では低めに出やすい傾向があります。eGFRは年齢・性別を加味して腎機能を推定するため、より実態に近い指標とされています。

慢性腎臓病(CKD)のステージと重症度分類

eGFRの値をもとに、慢性腎臓病(CKD)は以下のステージに分類されます。ご自身の数値がどの段階に該当するかを知ることが、適切な対応の第一歩です。

ステージ eGFR(mL/分/1.73m²) 状態
G1 90以上 正常または高値(ただし尿異常などがあればCKD)
G2 60〜89 軽度低下
G3a 45〜59 中等度低下(やや進行)
G3b 30〜44 中等度低下(進行)
G4 15〜29 高度低下
G5 15未満 腎不全(透析や移植の検討が必要)

CKDの重症度はeGFRだけでなく、尿たんぱく(アルブミン尿)の有無も加味して総合的に評価されます。尿たんぱくが陽性の場合は、同じeGFRでもより注意深いフォローアップが推奨されます。

📌 ステージG3a(eGFR 45〜59)について
eGFRが60を下回るとG3aに分類されますが、多くの方は長期間にわたって安定した状態を保つことが知られています。必ずしも進行するわけではなく、定期検査と生活習慣の管理が重要です。

eGFR60・クレアチニン高値——こんなときはどう考える?

eGFRが60〜89(G2)の場合

加齢による生理的な低下であることが多く、特に高齢の方では珍しい数値ではありません。尿検査で異常がなければ、年齢相応の範囲といえることもあります。定期的な経過観察が基本です。

eGFRが45〜59(G3a)の場合

CKDステージG3aに該当します。この段階では自覚症状が出ることはほとんどありません。ただし、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの基礎疾患がある場合は、進行リスクを評価するために内科専門医でのフォローアップが推奨されます。

クレアチニンが基準値より高い場合

クレアチニンは筋肉量、食事内容(肉類の摂取)、脱水状態の影響を受けます。一時的な上昇である可能性もあるため、再検査で確認することが大切です。eGFRとあわせて総合的に評価します。

尿たんぱくが陽性の場合

尿にたんぱくが漏れ出ているサインです。早期のCKD発見につながる重要な指標であり、腎臓のろ過機能に影響がある可能性があります。eGFRの値に関わらず、腎臓専門医による評価が推奨されます。

腎機能低下に影響するリスク因子

腎機能の低下リスクを高める主な要因として、以下のものが知られています。該当する項目がないか確認してみましょう。

🩸 高血圧
血圧が高い状態が続くと腎臓の細小血管に負担がかかり、機能低下のリスクが高まります。
🍬 糖尿病
高血糖の持続により腎臓のろ過組織(糸球体)が障害され、糖尿病性腎症の原因となります。
⚖️ 肥満・メタボ
内臓脂肪の蓄積は腎臓に過剰な負担をかけるほか、高血圧・糖尿病のリスクも高めます。
💊 薬剤の影響
NSAIDs(鎮痛薬)や一部の抗菌薬、漢方薬などが腎機能に影響を及ぼすことがあります。
🚬 喫煙
喫煙は血管収縮を引き起こし、腎血流を低下させる要因の一つです。
🧓 加齢
加齢に伴い腎機能は緩やかに低下します。40歳以降で年間約1%ずつeGFRが低下するといわれています。

日常生活で腎機能を守るために

腎機能の維持・改善には、日々の生活習慣の見直しが重要な役割を果たします。以下は一般に推奨されるポイントです。

  1. 適切な水分摂取 — 脱水は腎機能を一時的に低下させます。1日1.5〜2リットルを目安に、こまめな水分補給を心がけましょう。ただし、すでに腎機能が低下している方は医師の指示に従ってください。
  2. 減塩を意識する — 食塩の過剰摂取は高血圧の原因となり、腎臓に負担をかけます。1日6g未満を目安に、調味料の使用を工夫しましょう。
  3. たんぱく質の適量摂取 — 過剰な動物性たんぱく質は腎臓に負担をかけます。バランスの良い食事を心がけ、CKDと診断された場合は医師の指導を受けることをおすすめします。
  4. 適度な運動 — 有酸素運動(歩行・ジョギング・水泳など)は血圧や血糖値の改善に役立ち、腎機能の維持に有用と考えられています。
  5. 禁煙・節酒 — 喫煙は血管を収縮させ腎血流に影響を及ぼします。アルコールは適量にとどめましょう。
  6. 市販薬の使用に注意 — 痛み止め(NSAIDs)や風邪薬の常用は腎機能に影響を与える可能性があります。長期間の服用は医師にご相談ください。

こんなときは受診をご検討ください

以下の状態に該当する場合は、医療機関での評価をおすすめします。

  • 健診でeGFRが60未満(特に45未満)を指摘された
  • 複数年にわたってeGFRが徐々に低下している
  • 尿たんぱく(尿検査のたんぱく)が陽性と指摘された
  • 糖尿病・高血圧の治療中で腎機能の評価を受けていない
  • むくみ(浮腫)が続いている
  • 尿の泡立ちが気になる(たんぱく尿の可能性)
  • 腎臓病の家族歴がある

📋 受診時の持ち物
健診結果、お薬手帳(服用中の薬があれば)、健康保険証をお持ちください。服用中のサプリメントや市販薬の情報もあわせてご用意いただくと、より正確な評価が可能です。

よくある質問(FAQ)

eGFRが60と言われましたが、腎臓が悪いのでしょうか?

eGFR 60前後は「軽度の腎機能低下」とされることがありますが、体格や脱水で一時的に下がることもあります。直ちに深刻とは限らず、継続的なフォローアップが大切です。

eGFR60だと腎不全や透析の心配はありますか?

eGFR 60台(CKDステージG2〜G3a相当)の多くの方は安定した経過をたどります。定期検査と生活習慣の見直しで進行リスクは抑えられることが少なくありません。

クレアチニンは正常なのにeGFRが低いのはなぜですか?

eGFRは年齢・性別・体格を加味して算出されます。高齢の方や筋肉量が少ない方では、クレアチニンが正常でもeGFRが低めに出ることがあります。

健診で少し低めと言われただけでも受診した方がよいですか?

まずはかかりつけ医で再評価を受けることをおすすめします。必要に応じて採血・尿検査や腎エコー、専門医紹介まで当院でサポートします。

しもやま内科で受診する場合の流れは?

お電話(047-467-5500)または直接ご来院ください。内科専門医が採血・尿検査を行い、必要に応じて腎エコーなどを当日実施します。結果に応じて生活指導や専門医連携も行います。

腎機能の数値を改善するために日常生活でできることはありますか?

減塩・適切な水分摂取・禁煙・適度な運動が基本です。糖尿病や高血圧がある方は、そのコントロールを優先することが腎機能の維持につながります。

CKD(慢性腎臓病)と診断されたら食事で気をつけることは?

病期によって異なりますが、一般的には食塩制限(1日6g未满)と適切なたんぱく質摂取が重要です。進行度合いに応じた食事療法については、医師の指導を受けることをおすすめします。

腎機能の検査はどのくらいの頻度で受けるべきですか?

CKDと診断された場合、一般的には3〜6ヶ月ごとの定期検査が推奨されます。eGFRが安定している場合は年1回の経過観察でよいこともあります。医師の指示に従ってください。

血尿やたんぱく尿と腎機能低下の関係は?

尿たんぱくが陽性の場合は、腎臓のろ過機能に何らかの異常がある可能性を示します。eGFRが正常でも尿たんぱくが陽性であればCKDと診断されることがあり、注意深い経過観察が必要です。

高血圧の治療薬は腎臓に影響しますか?

むしろ逆に、高血圧を適切にコントロールすることは腎機能の保護につながります。一部の降圧薬(ACE阻害薬・ARB)には腎保護作用があるとされています。医師の指導のもとで継続することが大切です。

脱水や風邪薬で一時的に腎機能は低下しますか?

脱水や一部の市販薬(NSAIDs系鎮痛薬・解熱薬)の使用により、一時的にeGFRが低下することがあります。多くは回復しますが、繰り返す場合や長期間の使用は医師にご相談ください。

糖尿病があると腎機能低下のリスクは高まりますか?

糖尿病はCKDの主要な原因の一つです。血糖コントロールが不良な状態が続くと、腎臓の細小血管が障害されるリスクが高まります。糖尿病と診断されている方は定期的な腎機能検査が推奨されます。

よくある質問(FAQ)

eGFRって何の略ですか?どんな数値を表していますか?

eGFRは「estimated Glomerular Filtration Rate(推定糸球体濾過量)」の略で、腎臓が血液をろ過する能力を数値化した指標です。単位はmL/min/1.73m²で、この値が低いほど腎機能が低下していることを示します。血液中のクレアチニン値と年齢・性別から計算されます。

eGFRの正常値はいくつですか?

eGFRが60mL/min/1.73m²以上が正常範囲とされています。90以上は正常〜やや高い、60〜89は軽度低下(ただし加齢による生理的な低下も含む)、45〜59は中等度低下、30〜44は高度低下、15〜29は高度〜末期、15未満は末期腎不全(透析の検討が必要)と評価されます。

eGFRが60を下回ったらどうすればいいですか?

まずは原因の特定が重要です。高血圧・糖尿病・慢性腎炎などの基礎疾患の有無を確認します。また薬剤性(NSAIDsなど)や脱水による一過性の低下も考えられます。生活習慣の見直し(減塩・適正体重維持・節酒)と定期的なフォローアップをおすすめします。

クレアチニン(Cr)とeGFRの違いは?

クレアチニンは筋肉の代謝産物で、腎臓から排泄される老廃物です。腎機能が低下すると血液中のクレアチニンが上昇します。一方eGFRはクレアチニン値から計算される「推定ろ過能力」で、腎機能をより直感的に理解できる指標です。現在はeGFRが腎機能評価の標準指標となっています。

腎機能は年齢とともに低下しますか?

はい、加齢により腎機能は徐々に低下します。30歳以降、年間約1mL/min/1.73m²ずつ低下すると言われています。したがって高齢者のeGFRが50〜60程度でも病的とは限りません。ただし加齢に加えて高血圧や糖尿病がある場合は低下速度が速まるため、注意が必要です。

腎機能を良くする食べ物やサプリメントはありますか?

減塩(1日6g未満)が最も有効な食事療法です。野菜や果物の摂取は血圧低下や動脈硬化予防に役立ちますが、すでに腎機能が低下している方はカリウム制限が必要になることもあります。サプリメントは腎臓に負担をかけるものもあるため、医師に相談せずに摂取するのは避けてください。

腎機能低下を予防するには?

①適正血圧の維持(130/80未満)、②適切な血糖コントロール(糖尿病の方)、③減塩、④適正体重の維持(肥満改善)、⑤禁煙、⑥定期的な運動、⑦十分な水分摂取、⑧市販の鎮痛薬(NSAIDs)の頻回使用を避ける、⑨定期的な健康診断での腎機能チェックが重要です。

腎機能が低下しても自覚症状はありますか?

腎機能はかなり低下するまで(eGFRが30未満になるまで)自覚症状が現れにくいと言われています。症状が出る頃にはすでに病状が進行していることが多いため、症状がなくても定期的な検査が非常に重要です。むくみ・疲労感・尿量減少などの症状が出たら要注意です。

腎機能と尿蛋白の関係は?

蛋白尿(尿中にタンパク質が漏れ出る状態)は腎臓の糸球体が障害されているサインです。eGFRと蛋白尿の両方を組み合わせて慢性腎臓病(CKD)の重症度を評価します。蛋白尿があると腎機能低下の進行リスクが高まるため、早期発見と適切な治療が重要です。

薬で腎機能は改善しますか?

腎機能そのものを劇的に回復させる薬は限られていますが、進行を遅らせる効果のある薬は多数あります。ACE阻害薬・ARB(降圧薬)は腎保護作用が確立されており、SGLT2阻害薬も腎機能低下抑制効果が示されています。糖尿病や高血圧のコントロールによる間接的な腎保護も重要です。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

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最終更新日:2026-08-28

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05/08/2025