🔊 このページの要点
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、高血圧の重要な原因の一つ。特に「薬を飲んでも血圧が下がらない」難治性高血圧の背景にSASが隠れているケースが少なくありません。
- 「いびきをかく」「朝起きても疲れが取れない」「日中に強い眠気がある」——これらはSASの典型的なサインです。
- 当院(循環器専門医在籍)では、SASと高血圧の関連を総合的に評価。ご自宅でできる簡易PG検査・在宅PSG検査から治療まで一貫サポートします。
いびき・高血圧でお悩みの方へ
「いびきがうるさいと言われる」「朝起きてもスッキリしない」「高血圧の薬を何種類も飲んでいるのに血圧が下がらない」——そんな方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因になっている可能性があります。
SASを治療することで、血圧が改善し、降圧薬を減らせるケースも少なくありません。放置すると脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まるため、早めの評価をおすすめします。
📍 当院へのアクセス
千葉県船橋市芝山4-33-5 TEL:047-467-5500
駐車場7台完備(予約不要・無料)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
SASは、睡眠中に呼吸が10秒以上止まる(または浅くなる)状態が繰り返される病気です。1時間に5回以上(中等症以上では15回以上、重症では30回以上)起こると診断されます。
SASの主なタイプ
| タイプ | 特徴 | 主な原因 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 閉塞型(OSA) | 気道が物理的に塞がれる | 肥満、顎の構造、いびき | 90%以上(最も多い) |
| 中枢型(CSA) | 脳からの呼吸指令が出ない | 心不全、脳卒中、薬剤 | 約5% |
| 混合型 | 閉塞型+中枢型の両要素 | 複合的要因 | 一部の患者さん |
⚠️ こんな症状がある方は要注意
- 大きないびき(ゲーゲー、ゴーゴーという音)
- いびきが途中でピタッと止まる
- 朝起きても疲れが取れない・熟睡感がない
- 日中に強い眠気・居眠りをしてしまう
- 朝の頭痛・喉の渇き
SASと高血圧の深い関係
SASと高血圧は「悪玉コンビ」と呼ばれるほど密接に関連しています。SASがある人は高血圧になりやすく、また高血圧患者の多くにSASが合併しています。特に「3種類以上の降圧薬を使っても血圧が下がらない」難治性高血圧の約70〜80%にSASが関与していると言われています。
SASが高血圧を引き起こすメカニズム
- 睡眠中の呼吸停止 → 血中酸素が低下(低酸素血症)
- 交感神経が強く興奮 → 「戦う・逃げる」反応が活性化
- 血圧が急上昇(1回の無呼吸で200mmHg超になることも)
- このサイクルが1晩に数十回繰り返される → 血管が傷み、持続的な高血圧に
SASと高血圧の関連データ
| 項目 | データ | 備考 |
|---|---|---|
| SAS患者の高血圧合併率 | 約50〜70% | 重症SASではさらに高い |
| 難治性高血圧患者のSAS合併率 | 約70〜80% | 薬が効きにくい高血圧の背景にSASが潜む |
| 朝の高血圧(モーニングサージ) | SAS患者の80%以上 | 脳卒中・心筋梗塞のリスクが最も高い時間帯 |
SASがある人は起床時に血圧が急上昇しやすく、脳卒中や心筋梗塞のリスクが最も高い時間帯に血圧スパイクが起こります。SASの治療は朝の血圧コントロールにも有効です。
SASが引き起こす心血管リスク
- 脳卒中:リスクが3〜4倍に上昇
- 心筋梗塞・不整脈:心臓への負担が増大
- 心不全:特に中枢型SASと関連が強い
- 突然死:重症SASではリスクが高まる
SASの症状チェックリスト(STOP-BANG)
以下の質問に3つ以上「はい」がある場合、SASのリスクが高いと考えられます。
| 項目 | 質問内容 |
|---|---|
| S | 大きないびきをかきますか? |
| T | 日中に強い眠気や疲労がありますか? |
| O | 誰かに「いびきが止まっている」と言われたことはありますか? |
| P | 高血圧ですか(または治療中ですか)? |
| B | BMIが25以上、または首回りが太いですか? |
| A | 50歳以上ですか? |
| N | 首回りが太い(または肥満気味)ですか? |
| G | 男性ですか? |
※このチェックリストは簡易的なものです。確定診断には睡眠検査が必要です。
当院でのSAS評価・診断の流れ
当院では、SASが疑われる高血圧患者さんに対して、以下の流れで評価を行います。
STEP 1:問診とスクリーニング
- STOP-BANG質問票による評価
- 睡眠習慣・生活習慣の確認
- 血圧測定(起床時・就寝前・複数日)
- 必要に応じて24時間血圧測定(ABPM)でモーニングサージを評価
STEP 2:睡眠検査(ご自宅で実施可能)
当院ではご自宅でできる2種類の睡眠検査を用意しています。
- 簡易PG検査:パルスオキシメトリーと鼻カニューラなどで呼吸・酸素飽和度を測定する簡易検査
- 在宅PSG検査:脳波・筋電図なども含めたより精密な終夜睡眠ポリグラフィー検査
症状の強さや合併症の有無を総合的に判断し、適切な検査方法をご提案します。検査機器の貸出・装着説明・データ解析まで当院で対応可能です。
STEP 3:結果評価と治療方針の決定
検査結果のAHI(無呼吸低呼吸指数)をもとに重症度を評価します。
| 重症度 | AHI(回/時) | 最低SpO2 |
|---|---|---|
| 軽症 | 5〜15 | 85〜90% |
| 中等症 | 15〜30 | 80〜85% |
| 重症 | 30以上 | 80%未満 |
保険適用でCPAPを導入できる目安:簡易PG検査でAHI≧30、または在宅PSG検査でAHI≧15の場合です(2026年診療報酬改定対応)。
SASの治療アプローチ
1. CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)
- 睡眠中に鼻マスクから一定の圧で空気を送り、気道の閉塞を防ぐ最も効果的な治療法
- 中等症以上の閉塞型SASで第一選択
- CPAP開始後、数週間で血圧が低下し、降圧薬を減らせるケースもあります
- 月額自己負担の目安:約5,000円前後(3割負担の場合)
2. 口腔内装置(マウスピース/OAT)
- 下あごを前に出すマウスピースで気道を広げる
- 軽症のSASやいびき対策に有効。歯科医と連携して作成
3. 生活習慣の改善
- 体重を5〜10%減らすだけで症状が軽減するケースが多い
- 仰向け寝を避け、横向き寝を推奨
- 就寝前の飲酒を控える
- 適度な運動で上気道の筋力を維持
4. 外科的治療(必要に応じて)
解剖学的な気道狭窄が明らかな場合は、耳鼻咽喉科や歯科口腔外科へご紹介します。
当院の強み(循環器専門医の視点)
- 循環器専門医がSASと高血圧の関連を総合的に評価
- 二次性高血圧の精査の一環としてSASを積極的にスクリーニング
- 24時間血圧測定(ABPM)でモーニングサージを客観的に評価
- ご自宅でできる簡易PG検査・在宅PSG検査に対応
- CPAP導入後の血圧管理・降圧薬調整までフォロー
3種類以上の降圧薬を使っていても血圧が下がらない「難治性高血圧」の患者さんの約70〜80%にSASが合併しています。当院では二次性高血圧の診療において、SASの評価を重視しています。
よくある質問(FAQ)
いびきをかくのですが、SASですか?
いびきをかく人のうちSASがあるのは約10〜20%程度です。いびきが途中で止まる、朝起きても疲れが取れない、日中に強い眠気がある場合はSASの可能性が高まります。一度ご相談ください。
SASの治療をすると、高血圧は改善しますか?
CPAP療法を開始すると、多くの患者さんで血圧が低下します。一部の方は降圧薬を減らしたり、休薬できたりするケースもあります。ただし、長期間高血圧が続いていた場合は血管の変化が残るため、薬が必要なこともあります。
当院でSASの検査は受けられますか?
はい。問診・スクリーニング・必要に応じた24時間血圧測定を行い、SASが疑われる場合はご自宅でできる簡易PG検査または在宅PSG検査を実施します。結果に基づいて治療方針をご提案します。
CPAP療法は痛いですか?保険は適用されますか?
CPAPは痛みのない治療です。最初はマスクの違和感があるかもしれませんが、1〜2週間で慣れる方がほとんどです。保険適用で、月額自己負担の目安は約5,000円前後(3割負担の場合)です。
SASを放置するとどうなりますか?
高血圧の悪化、脳卒中、心筋梗塞、心不全のリスクが上がります。また日中の強い眠気による交通事故や労働事故のリスクも増加します。早期発見・早期治療が重要です。
太っていなくてもSASになりますか?女性でもなりますか?
はい、なります。肥満はリスク因子ですが、顎が小さい方、扁桃が大きい方、高齢者もSASになることがあります。女性は男性より発症率は低いですが、閉経後はリスクが上がります。女性の場合、「不眠」「朝の頭痛」「うつ症状」が主症状になることもあります。
いびきや高血圧でお悩みの方は、循環器専門医にご相談ください
SASと高血圧の関連を総合的に評価し、適切な検査・治療をご提案します。
受付:平日 9:00〜12:00 / 14:45〜17:30 土曜 9:00〜12:00(水・日・祝休診)
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最終更新日:2026-07-01
👨⚕️ この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。