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いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に用いるマウスピース(口腔内装置・OAT)は、軽症〜中等症のSASに効果があります。国内に約940万人の潜在患者がいるSAS、CPAPが合わない方の選択肢としても重要です。医科で睡眠検査による重症度評価を行い、適応があれば連携歯科で作製・調整します。
- 対象:軽症〜中等症OSA(AHI 5〜30)、CPAP困難例
- 流れ:医科評価→歯科紹介→作製→装着調整→効果確認→定期フォロー
- 注意:顎関節痛・歯の違和感・唾液過多。症状があれば早めに調整相談
いびき・軽い無呼吸の対策に「マウスピース(OAT)」という選択
いびきや軽い睡眠時無呼吸(OSA)には、口腔内装置(OAT:マウスピース)が有効な場合があります。しもやま内科では、まず医科で重症度と合併症を評価し、適応があれば連携歯科へ紹介して作製・調整を進めます。マウスピース治療はCPAPに比べて装着が簡単で携帯性に優れるため、旅行や出張の多い方にも適しています。
OAT(口腔内装置)とは——種類と仕組み
下顎前方移動型(MAD)
最も広く用いられるタイプ。睡眠時に下顎を前方に数ミリ固定することで、舌根や軟口蓋が咽頭後壁側に落ち込むのを防ぎます。気道の断面積を物理的に拡げ、無呼吸やいびきを軽減。前方移動量を段階的に調整できるタイプが多く、保険診療では主にこのタイプが用いられます。
舌保持型(TRD)
舌を前方に吸引して保持するタイプ。下顎前方移動が難しい方(顎関節の問題がある場合など)に選択されることがあります。
OATが適している患者像
- 軽症〜中等症のOSA(AHI 5〜30)——重症(AHI 30以上)は原則CPAPが第一選択
- CPAPが合わない・続けられない——不快感やマスク圧迫感で継続が難しい方の有効な代替手段
- 顎・歯の条件が整っている——下顎前方移動が可能で、歯の支持が保てる
OATが適さない例:重症OSA、顎関節症、歯の支持が弱い(義歯が多い等)、強い歯ぎしり、進行した歯周病
CPAPとOATの比較
| 項目 | OAT(マウスピース) | CPAP |
|---|---|---|
| 主な適応 | 軽症〜中等症、CPAP不耐 | 中等症〜重症(第一選択) |
| 携帯性 | 優れる(旅行向き、電源不要) | やや負担大(本体・マスク・電源) |
| 効果(AHI改善) | 中等度(40〜50%低下) | 非常に高い(80〜95%低下) |
| アドヒアランス | 比較的高い | 個人差大 |
治療の流れ(医科→歯科連携)
- 医科での評価:問診・診察、簡易PG/在宅PSGで重症度や合併症を把握
- 連携歯科へ紹介:適応があれば紹介状を発行。歯科で精査・作製
- 効果確認:症状の変化に加え、必要に応じて再度の睡眠検査で客観評価
- 定期フォロー:半年〜1年ごとの歯科フォローが推奨されます
費用の目安
- 保険診療の場合:OSA確定診断後、所定の要件を満たせば保険適用。自己負担は3〜5万円程度が目安
- 自由診療の場合:10〜20万円程度(歯科医療機関での費用であり、当院では行っておりません)
- 市販のいびき防止マウスピースは医療機器ではなく、効果や安全性が保証されていません。治療目的には医療機関で作製するOATをおすすめします
OATの副作用と注意点
| 副作用 | 頻度 | 対処法 |
|---|---|---|
| 顎関節の痛み・違和感 | 初期に約30〜50% | 前方移動量の調整/装着時間の漸増 |
| 歯の違和感・軽度の動揺 | 約20〜30% | 装置の適合調整 |
| 唾液過多・口腔乾燥 | 比較的多い | 時間経過で慣れる場合が多い |
ほとんどの副作用は装置の調整や使用に慣れることで改善します。気になる症状が続く場合は、我慢せずにご相談ください。
よくあるご質問
Q. マウスピースはいびきに効きますか?
効果が期待できます。OATは下顎を前方に固定することで気道を拡げ、いびきの原因となる咽頭の振動を軽減します。いびきの改善率は70〜90%と報告されています。ただし重症のSASが原因の場合は効果が限定的なことがあるため、まずは検査をお受けになることをおすすめします。
Q. 市販のいびきマウスピースと医療用OATの違いは?
市販品は医療機器としての承認を受けていないものがほとんどで、効果や安全性が保証されておらず、かえって顎関節を痛めるリスクがあります。医療用OATは歯科医師が患者様一人ひとりの歯型に合わせてオーダーメイドで作製するため、効果と安全性が大きく異なります。
Q. OATは保険適用されますか?
OSAと確定診断された場合、所定の要件を満たせば保険適用となる場合があります。自己負担額は3〜5万円程度が目安です。まずは当院で検査・診断をお受けになり、その後ご紹介する歯科で費用を直接ご確認ください。
Q. CPAPとOATはどちらがいいですか?
SASの重症度や生活スタイルによって異なります。重症SAS(AHI 30以上)にはCPAPが第一選択です。軽症〜中等症やCPAPの装着感が合わない方にはOATが有効な選択肢となります。当院では患者様一人ひとりに最適な治療法を提案します。
Q. オンライン診療でのOATの相談は可能ですか?
当院ではオンライン診療によるSAS外来は行っておりません。OATの適応判断には正確な問診と検査が必要であり、対面での診察を大切にしています。
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最終更新日:2026-09-05
👨⚕️ この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。