糖尿病内科

アカルボースのエビデンス

26/01/2009

アカルボース(商品名:グルコバイ)のエビデンス

αグルコシダーゼ阻害薬であるアカルボースには耐糖能異常(IGT)からの糖尿病発症抑制および抗動脈硬化作用の2つのエビデンスがある。

STOP-NIDDM

耐糖能異常(IGT)例にアカルボースを投与し、糖尿病発症を検討した大規模臨床試験で、食後高血糖の改善により糖尿病と心血管イベントリスクが有意に低下した(それぞれ p<0.0015, p="0.03)。サブ解析では、IMT(頚動脈中膜複合体肥厚)の進展も有意に抑制された(p="0.021)。さらに、新規の高血圧の発症も予防できることが示されている。

Chiasson JL, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M, STOP-NIDDM Trial Research Group: Acarbose treatment and the risk of cardiovascular disease and hypertension in patients with impaired glucose tolerance: the STOP-NIDDM trial. JAMA 2003; 290: 486-494.

MeRIA7

Meta-analys of Risk Improvement under Acarbose (2型糖尿病におけるメタ解析)
アカルボースが食後血糖を改善することにより心血管イベントの発症を抑制するとともに、トリグリセライド(TG),体重も有意に低下させた。
Hanefeld M. :Eur Heart J 25 :10-16,2004

食後高血糖にともなう血糖変動が血管傷害をもたらす。アカルボースは食後血糖の是正を通じて血糖変動を小さくし、その結果動脈硬化抑制作用を発揮すると考えられている。

同じくα-グルコシダーゼ阻害薬のボグリボースにも同様のエビデンスがあり、α-グルコシダーゼ阻害薬共通のベネフィットと考えられる。

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