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ピオグリタゾンの副作用

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ピオグリタゾンの副作用

ピオグリタゾン

ピオグリタゾン

ピオグリタゾンの効果

ピオグリタゾンは、インスリン抵抗性を改善します。インスリン抵抗性とはどういうことかというと、肥満時に肥大化した大型脂肪細胞から遊離脂肪酸、悪玉アディポサイトカイン(TNF-αなど)が過剰に分泌され、これらが「インスリン抵抗性」(インスリン作用を妨げる状態)を引き起こすので、血糖値を上げる方向に作用します。ピオグリタゾンは、この「インスリン抵抗性」を改善することで血糖値を下げる作用を有しています。ピオグリタゾンは、大型の脂肪細胞から善玉の幼若な小型脂肪細胞への「分化」(肥大化した大型脂肪細胞を小型化させる)を促進させて、善玉のアディポネクチンを増やしてインスリン抵抗性を改善させます。肥満や内臓脂肪蓄積が疑われるBMI25以上の症例や、メタボリックシンドロームの診断基準で定められた腹囲を上回る症例、インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IR高値の症例です。

ピオグリタゾンは、脂肪肝(NAFLD/NASH)において肝の線維化を抑制することが知られています。

ピオグリタゾンの副作用の実際

ピオグリタゾンに特徴的な副作用として、体液貯留による浮腫が挙げられます。女性のほうが浮腫を起こしやすく、インスリン併用例のほうが浮腫を起こしやすいことが知られています。循環血漿量の増加により心不全を悪化させる可能性があるため、心不全患者、心不全の既往のある患者さんには禁忌になります。

閉経後女性において、骨粗鬆症のリスクを増やすことが知られています。

これらの要因により、高齢女性には15mgの半量の7.5mgから開始することが望ましいと考えています。

膀胱癌のリスクが2010年に取り沙汰されました。KPNC試験の5年目の中間解析において、ピオグリタゾンの使用者は非使用者と比較して膀胱癌発生リスクが1.2倍増(ハザード比 1.2, 95%信頼区間 0.9-1.5)、全体解析では統計学的に差異が認められませんでしたが、治療期間が長期化するほどリスクが増大する傾向が認められました。また、CNAMTS試験において、ピオグリタゾン使用者の膀胱癌発生リスクは非使用者の約1.2倍増(ハザード比 1.22, 95%信頼区間1.05-1.43)と示され、総投与量が多く投与期間が長いほどリスクが増す傾向が示されました。

これらの結果を受け、日本においてはピオグリタゾンの開始前に十分にインフォームドコンセントを行い、活動性のある膀胱癌の患者さんには投与を避け、膀胱癌既往のある患者さんにはリスクとベネフィットを慎重に検討した上で投与を判断することになっています。

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