CPAP(シーパップ)とは?効果・使い方・副作用・費用|睡眠時無呼吸

📘 要点

  • CPAPは睡眠時無呼吸症候群(SAS)の標準的な治療装置です
  • 検査は在宅で完結し、来院は問診時と結果説明時の2回です
  • 使い方(装着・加湿・使用時間の目安)は下の「CPAPの使い方」にまとめています
  • 保険適用で、月々の自己負担は4,500〜5,500円程度(3割負担)です
  • マスクは鼻・鼻枕・フルフェイスの3種類から選べます
  • 多くの方は使い始めて数日〜2週間で改善を実感します
  • 副作用は加湿調整やマスク変更で改善し、月1回フォローします
  • いびきや日中の強い眠気が続くときは、早めにご相談ください

😴 「いびきが大きいと言われる」「昼間に強い眠気がとれない」—— 国内に約940万人の潜在患者がいる睡眠時無呼吸症候群(SAS)、治療を受けているのはわずか8%です。CPAPはその標準治療。高い効果が認められており、多くの方が数日〜2週間で改善を実感します。

CPAP(シーパップ)とは——睡眠時無呼吸症候群の標準治療

CPAP(シーパップ/C-PAP、持続陽圧呼吸療法)とは、睡眠時に鼻マスクから一定の圧力で空気を送り込み、気道を物理的に開いた状態に保つ治療装置です。SASの標準治療として世界中で広く使用されています。

以下がCPAP治療の全体像です。各項目の詳細は、表のリンクからご覧ください。

項目 内容 詳しいページ
治療のしくみ 就寝時に鼻マスクを装着し、一定の圧力で空気を送って気道を開いた状態に保ちます このページの下(マスクの種類と選び方)
対象となる方 中等症以上のSASの方や、日中の強い眠気がある方など。保険適用の可否は検査結果と症状をもとに医師が判断します SASの検査方法
効果の現れ方 いびきの減少や日中の眠気の改善を、数日〜2週間で実感する方が多いとされています このページの下(CPAPの効果)
費用の目安 保険適用で、3割負担の場合の月々の自己負担は4,500〜5,500円程度です SAS治療の費用(検査別・月々の点数・高額療養費)
続ける期間 「一生続ける」と決まっているわけではなく、減量などで改善した場合は再評価します CPAPをやめたいときの確認事項
主な副作用と対応 鼻・喉の乾燥、マスクの圧迫感や痕、エア漏れなど。多くは加湿やマスクの調整で改善します CPAPのトラブル対処
お手入れ マスクは毎日、チューブ・加湿器は週1回が目安です CPAPのお手入れ・洗浄
旅行・出張 機内への持ち込みや海外での電源・書類の準備をまとめています CPAPと旅行・出張

CPAP治療は健康保険が適用されます。2026年6月の診療報酬改定で簡易検査の保険適用基準がAHI 40以上からAHI 30以上に緩和されたため、簡易検査のみで治療を始められるケースが増えています。

CPAP治療の対象となる人

  • SASと診断された方(簡易検査でAHI 30以上、またはPSGでAHI 15以上)
  • いびきが強く、昼間に強い眠気がある方
  • 高血圧・糖尿病・不整脈などの合併症を持つSAS患者さん

CPAP・マウスピース(OAT)・減量の違い

睡眠時無呼吸症候群の治療には、CPAPのほかにマウスピース(口腔内装置=OAT)や減量があります。重症度や生活スタイルによって適する治療は異なります。

治療 向いている例 特徴
CPAP 中等症〜重症、日中の強い眠気、合併症がある方 気道を開いた状態に保つ標準的な治療。毎晩の装着が必要です
マウスピース(OAT) 軽症〜中等症、CPAPが難しい方 下顎を前に保って気道を広げます。作製には歯科との連携が必要です(詳細)
減量・生活習慣の改善 肥満がある方(すべての治療の基本) 体重が減ると改善することがあります。治療と並行して取り組みます

CPAPの効果——いつから実感できるか

高い効果が認められており、多くの方が数日〜2週間で改善を実感します。

効果 具体的な改善
いびきの消失 気道が開いた状態を保つため、いびきがほとんど出なくなります
昼間の眠気解消 睡眠の質が向上し、日中の眠気・注意力低下が改善します
高血圧の改善 無呼吸による血圧の変動が減少。降圧薬が減らせる方もいます
心血管リスク低減 心筋梗塞・脳卒中・不整脈のリスクが低下します
血糖コントロール改善 糖尿病患者さんでは、インスリン感受性の改善が期待できます

効果を実感するまでの目安

いびきや日中の眠気は、使い始めて数日〜2週間で変化を実感する方が多いとされています。一方、血圧や血糖への影響は数か月単位で評価されることが多く、治療開始後3〜6か月の経過で判断します。効果の出方は重症度・使用時間・生活習慣によって異なります。

効果は「使用時間」に左右されます

CPAPの効果は、実際に装着して眠れている時間に依存します。1日あたり4時間以上の使用がひとつの目安とされており、治療データ(使用時間・無呼吸の残り・エア漏れ)を月1回の外来で確認しながら調整します。眠るときだけ使う治療のため、習慣化できるかどうかが継続の鍵になります。

CPAPマスクの種類と選び方

マスクは3種類。顔の形状や生活スタイルに合わせて、当院で試着して選べます。

  • ノーズマスク(鼻マスク):鼻だけを覆う標準タイプ。口を開けて呼吸しない方に
  • 鼻枕マスク:鼻の穴に直接差し込むタイプ。メガネをかけたまま使用可能。接触面積最小
  • フルフェイスマスク(口鼻マスク):口呼吸が多い方や高圧力設定が必要な方に
鼻マスク(WiZARD 510)を装着したイメージ
※画像はイメージです。画像提供:株式会社MAGnet

鼻マスクはWiZARD 510などを使用しています。ご希望により他社製のマスクもお使いいただけますので、顔の形や眠り方に合わせてご相談ください。

CPAPの使い方と使用時間の目安

CPAPは毎晩、眠るときに装着して使います。手順と、慣れるまでのポイントをまとめました。

  1. 加湿器に水を入れる:乾燥が気になる季節は加湿量を上げます
  2. マスクを装着してから電源を入れる:先に電源を入れると圧を強く感じることがあります
  3. ランプ機能で圧を段階的に上げる:入眠時は弱い圧から始まり、徐々に設定圧に近づきます
  4. 朝、マスクを外して電源を切る:使用時間が記録され、外来で確認します

1日の使用時間は4時間以上がひとつの目安とされています。最初から長時間つけようとすると不快感が強くなるため、日中に短時間装着して慣れる方法(ならし運転)が有効です。鼻づまりや乾燥で眠れない場合は、加湿の調整やマスクの変更で改善できることが多いため、がまんせずにご相談ください。

CPAPの副作用と対処法

ほとんどの副作用は、使い続けることや設定の調整で改善します。当院では月1回のフォローで調整をサポートします。

副作用 対処法
鼻のムレ・乾燥 加湿器の使用・加温加湿チューブの導入
マスクの圧迫感 サイズ調整・締め付け調整・別タイプのマスク試着
胃腸の張り(ガス) 圧力の微調整・就寝直前の食事を控える
目の乾燥・充血 マスクの位置調整・サイズ変更
入眠困難 ランプ機能(徐々に加圧)の使用で慣れていく

CPAPの費用と保険適用——詳しくは費用のページで

CPAP治療は健康保険が適用されます。3割負担の場合、月々の自己負担は4,500〜5,500円程度(診察料・指導管理料・機器レンタル料・材料費込み)です。初回費用は検査の種類によって異なり、簡易検査の場合は約5,000〜10,000円、在宅PSGの場合は約10,000〜18,000円です。

検査の種類別の初回費用、月々に算定される点数、高額療養費制度の使い方、レンタル業者と取扱機種は、SAS治療の費用(検査の種類別の初回費用・月々の点数・高額療養費)にまとめています。

当院のCPAP治療の特徴

  • 在宅検査完結:入院不要。来院は問診時と結果説明時の計2回
  • 対面でのマスク適合・圧調整:当院ではオンライン診療によるSAS外来は行っておりません。マスクの適合確認や圧調整を対面で丁寧に行うことで、治療の継続率と安全性を高めています
  • Néa(ネア)採用:メーカー公表値24.5dBA(ISO 80601-2-70:2020)・防音フォーム不使用・加温加湿器一体型・軽量1.0kg(加湿器付き1.3kg)
  • 月1回のフォロー体制:使用データ(使用時間・AHI・リーク量)を確認し、圧調整やマスク交換をサポート
  • 他社製CPAPからの継続も可能:帝人・フクダライフテック・星医療酸器などの機種をお使いの方も、そのまま治療継続できます

当院の検査は在宅で対応

  • 簡易PG検査:1泊で酸素・呼吸・脈拍などを測定します(詳しくはSASの検査方法)
  • 在宅PSG検査(脳波付き):より精密な評価が必要な場合に実施します(在宅PSG検査のページ)

当院では在宅で実施できる脳波付きPSG機器としてサイサン社製の機器を採用しています。入院を伴わず自宅で完結するため、患者さんの負担が少ないのが特長です。

CPAP治療機器のご紹介|Néa(ネア)

しもやま内科では、CPAP治療を新たに始める方を中心に、SEFAM社(フランス)製のCPAP機器「Néa(ネア)」をご案内しています。静音性・軽さ・加湿性能が特長で、初めての方にも扱いやすい設計です。

CPAP機器Néa(ネア)の本体(SEFAM社製)
※画像はイメージです。画像提供:株式会社MAGnet
  • 静音性:メーカー公表値24.5dBA(ISO 80601-2-70:2020)。防音フォームを使用しない構造です
  • 送気:特殊S字形羽根のブロワー(最大190LPM)を採用し、呼吸への追従性を重視した設計です
  • 加温加湿器:乾燥や鼻・喉の不快感を軽減します
  • 軽量・コンパクト:本体1.0kg(加湿器付き1.3kg)。出張・旅行にも持ち運び可能(旅行・出張の準備)
  • イベント検知:無呼吸・低呼吸などのイベントを検知します(パルス波を用いない独自アルゴリズム)

Néa(ネア)の主な仕様

項目 仕様
製品名 Néa(ネア)
製造元 SEFAM社(フランス)
製造販売業者 株式会社MAGnet
静音性 24.5dBA(ISO 80601-2-70:2020・メーカー公表値)
寸法・重量 加湿器なし 145×197×106mm・1.0kg/加湿器あり 145×235×106mm・1.3kg
主な機能 防音フォーム不使用(Nealveole™構造)、S字形羽根ブロワー、イベント検知
Néa(ネア)の本体をベッドサイドに置き、マスクを装着して就寝しているイメージ
※画像はイメージです。画像提供:株式会社MAGnet

現在CPAP治療中の方は、お使いの機種をそのままご継続いただけます。他社製(帝人・フクダライフテック・星医療酸器など)はもちろん、これまでの機種からの変更を無理におすすめすることはありません。症状とご希望に応じて、最適な機種を一緒に選びます。

Néa(ネア)の使い方(簡易ガイド)

  1. 準備:本体に電源アダプタを接続し、加湿器に水を入れて本体にセット、呼吸チューブを接続します
  2. マスク装着:マスクを顔に装着し、チューブと接続します
  3. 開始:電源ボタンを押して治療を開始します(表示画面で設定を確認できます)
  4. 朝の処理:加湿器の水を捨てて洗浄し、マスクとチューブも中性洗剤で洗って乾燥させます

操作の詳細は導入時にスタッフがご説明します。

毎日のお手入れと消耗品交換(マスク3〜6か月・フィルター1〜2か月・チューブ6〜12か月)で快適に使用できます。

診察からCPAP導入までの流れ

  1. 初診・問診
  2. 簡易PG検査(1泊・自宅)
  3. 結果説明・治療方針の決定
  4. CPAP導入(マスク選定・設定)
  5. 月1回のフォローアップ(保険診療)

CPAP治療の継続とフォロー

CPAPは「つけて終わり」ではなく、使い続けることで効果が保たれる治療です。当院では月1回の外来で、治療データ(使用時間・無呼吸の残り・エア漏れ)と体調を確認し、マスクや圧設定を調整します。

  • 3〜6か月ごとの再評価:体重の変化や症状の推移をみて、治療の内容を見直します
  • 消耗品の交換:マスク・フィルター・チューブは使用状況に応じて交換します
  • 「やめたい」ときも相談を:自己判断で中断すると無呼吸と日中の眠気が戻ることがあります。減量・マウスピース(OAT)・手術など、他の選択肢を含めて検討します(CPAPをやめたいときの確認事項・マウスピース(OAT))

よくあるご質問

Q. CPAPは一生続けないといけませんか?

多くの場合継続が必要ですが、体重減少など生活習慣の改善により症状が改善した場合は、再検査の上で治療の見直しを検討できることもあります。

Q. CPAPの効果はいつから実感できますか?

多くの方は使い始めて数日〜2週間で変化を実感します。特に「朝のすっきり感」「日中の眠気軽減」が最初に現れる変化です。

Q. CPAPの副作用はどんなものがありますか?

鼻の乾燥・マスクの圧迫感・胃腸の張りなどがありますが、加湿調整やマスク変更で改善可能です。当院では月1回のフォローで調整をサポートします。

Q. CPAPの費用はいくらですか?保険は適用されますか?

健康保険が適用されます。3割負担の場合、月々4,500〜5,500円程度が目安です。初回費用は検査の種類により異なります。詳しくは費用ページをご覧ください。

Q. CPAPが合わない場合の代替治療はありますか?

軽症〜中等症であればマウスピース(OAT)が選択肢になります。詳しくはマウスピースのページをご覧ください。

Q. オンライン診療でのCPAP治療はできますか?

当院ではオンライン診療によるSAS外来は行っておりません。マスクの適合確認や圧調整を対面で確実に行うことが治療の継続と安全性に直結すると考えるからです。

Q. CPAPは人工呼吸器と同じものですか?

A. 同じ装置ではありません。CPAP(シーパップ)は、ご自身の呼吸に合わせて気道に一定の圧をかけて気道が狭くなるのを防ぐ装置で、呼吸そのものを補助・代行する人工呼吸器とは仕組みが異なります。睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対して標準的な治療として用いられ、保険が適用されます。

Q. CPAP(シーパップ)とはどのような治療ですか?

A. 睡眠時に鼻マスクから一定の圧力で空気を送り、気道が狭くなるのを防ぐ治療です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の標準治療で、健康保険が適用されます。

Q. CPAPは毎日どれくらい使えばよいですか?

A. 1日4時間以上の使用がひとつの目安とされています。最初から長時間つけようとすると不快感が強いため、日中に短時間装着して慣れる方法(ならし運転)が有効です。

Q. CPAPのマスクはどれを選べばよいですか?

A. 鼻マスク・鼻枕・フルフェイスの3種類から、顔の形・口呼吸の有無・眠り方に合わせて選びます。当院では対面で試していただき、圧設定とあわせて調整します。

Q. CPAPはやめられますか?

A. 減量などで症状が改善した場合は、再検査のうえで治療の見直しを検討できます。自己判断で中断すると無呼吸や日中の眠気が戻ることがあるため、まずはご相談ください。

Q. CPAPの機械はレンタルですか?

A. 保険診療では機器はレンタル(貸与)で、月々の費用に含まれます。3割負担の場合、月々4,500〜5,500円程度が目安です。

Q. CPAP治療は何科で受けられますか?

A. 内科・呼吸器内科・睡眠外来で受けられます。当院は内科として、SASの検査からCPAP治療まで対応しています。

Q. CPAPをつけると息苦しいときはどうすればよいですか?

A. ランプ機能(圧を段階的に上げる)や呼気リリーフ、加湿の調整で改善することが多いです。マスクのサイズや装着位置も影響するため、がまんせずにご相談ください。

次に読む(目的別)

Q. CPAPの機種は選べますか?

新たに治療を始める方は、Néa(ネア)を中心にご案内しています。顔の形・生活スタイル・必要な圧設定に合わせて、診察でご相談ください。

Q. 今使っている機械から変えられますか?

現在お使いの機種はそのまま継続できます。機種変更を無理におすすめすることはありません。変更をご希望の場合や、調子がよくない場合はご相談ください。

関連ページ

このページの監修・出典

主な参考資料:

  • 日本睡眠学会「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」/内山真 編「睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版」(じほう、2019)
  • 厚生労働省 診療報酬点数表・診療報酬改定通知(在宅持続陽圧呼吸療法関係)
  • 厚生労働省 睡眠時無呼吸症候群に関する情報
  • 日本呼吸器学会(監修)「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」(南江堂)/日本循環器学会・日本糖尿病学会・日本甲状腺学会の診療ガイドライン

作成・更新:2026年10月25日|このページは一般的な医学情報の提供を目的としたもので、診断・治療方針は診察に基づいて判断します。

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最終更新日:2026-10-25

👨‍⚕️ この記事の監修医師

監修・執筆:しもやま内科 院長(日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本循環器学会 循環器専門医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医/日本老年医学会 老年科専門医・指導医)
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

14/07/2025