「先生、夜中にトイレに3回も起きて、全然眠れないんです。これって年のせいですか?」——先日、60代の男性患者さんが、眠そうな目をしながらそう相談されました。夜間頻尿は「年だから仕方ない」と諦めている方が多いですが、実は治療で改善するケースが多いです。
夜間頻尿の原因
夜間頻尿には、いくつかの原因が考えられます。
① 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
意外と多いのがSASです。SASの方は、胸内圧が変動して心臓に負担がかかり、利尿ホルモン(BNP)が増加します。その結果、夜中に尿が増えて頻尿になります。「夜中に息が止まっている」方は、SASの簡易検査を受けるのがおすすめです。先日の患者さんはSAS治療を始めたら、夜間頻尿が1回に減りました。
② 前立腺肥大(男性)
前立腺が大きくなると、尿が膀胱にたまりにくくなり、残尿感や頻尿が起きます。「尿が出しにくい」「尿が終わったのにまた出る」——そんな症状がある方は、前立腺の超音波検査を行います。
③ 糖尿病
血糖が高いと、尿に糖が出て水分が一緒に排出されます(浸透性利尿)。「夜中に何回もトイレに行く」+「喉が渇く」——この組み合わせがある方は、血糖値を確認しましょう。先日の患者さんはHbA1cが9.2%で、血糖を下げたら夜間頻尿も改善しました。
④ 夜間多尿症
夜間に多くの尿を作る状態。抗利尿ホルモンの分泌リズムが乱れることが原因です。年齢とともに起きやすくなります。
⑤ カフェイン・アルコールの摂取
夕方以降のコーヒー・お茶・お酒は、夜間頻尿を悪化させます。「夜のお茶をやめたら、1回だけになりました」という患者さんもいらっしゃいます。
夜間頻尿の治療
- SASが原因:CPAP療法やマウスピースで呼吸を改善
- 前立腺肥大:α遮断薬や5α還元酵素阻害薬で改善
- 糖尿病:血糖コントロールで改善
- 夜間多尿症:抗利尿ホルモン薬(デスモプレシン)で尿量を減らす
- 生活習慣:夕方以降の水分・カフェイン・アルコールを控える
❓ よくある質問
夜間頻尿は年のせい?
夜中に何回起きたら異常?
SASと夜間頻尿の関係は?
「夜中に何度もトイレに起きる」——年のせいではないかもしれません。一度ご相談ください。
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