「不妊の原因って、甲状腺や血糖値が関係していることもあるんですか?」——はい、あります。そしてそれは決して珍しいことではありません。不妊でお悩みの方の中に、実は甲状腺や血糖値の問題が隠れているケースは少なくないんです。
甲状腺と不妊の関係
甲状腺ホルモンは、卵巣の働きや子宮内膜の状態に影響します。甲状腺機能が低下していると:
- 月経周期が乱れる
- 排卵障害が起こる
- 黄体機能が低下する
- 受精卵が着床しにくくなる
橋本病(慢性甲状腺炎)は女性に非常に多く、不妊の原因として見逃されがちです。「甲状腺の検査はしたことない」という方は、一度チェックする価値があります。
血糖値と不妊の関係
耐糖能異常(血糖値が高め)や糖尿病予備群の状態でも、排卵障害や流産のリスクが上がることがわかっています。特にPCOS(多囊胞性卵巣症候群)の方は、インスリン抵抗性を合併していることが多く、血糖コントロールが妊娠率に直結します。
不妊治療前にやっておきたい検査
- 甲状腺機能(TSH・FT4)
- 抗TPO抗体・抗Tg抗体(橋本病の有無)
- HbA1c・空腹時血糖
- 必要に応じて75gOGTT(ブドウ糖負荷試験)
これらの検査は、保険診療の範囲内で行えます。「不妊治療を始める前に、一度内科でチェックしておきたい」——そう言っていただければ、必要な検査を提案します。
❓ よくある質問
不妊治療中に甲状腺の薬を飲んでもいい?
はい。むしろ甲状腺機能を正常に保つことが、治療の成功には不可欠です。不妊治療中も甲状腺の薬は継続し、定期的に甲状腺機能をチェックしましょう。
内科と産婦人科、どちらに先に行けばいい?
両方の連携が理想です。まずは内科で甲状腺や血糖値の状態をチェックし、同時に産婦人科で不妊の評価を進める——この並行したアプローチが効率的です。
最終更新日:2026-05-09
👨⚕️ この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。