妊娠中のいびきがひどい?|SAS(睡眠時無呼吸)の症状・検査・CPAP治療|しもやま内科

「妊娠してからいびきがひどくなった」「朝起きても全然疲れがとれない」——こんな悩みを抱える妊婦さんは、実は少なくありません。妊娠中は体重が増えたり、ホルモンの変化で喉の筋肉が緩んだりすることで、睡眠時無呼吸症候群(SAS)になるリスクが高まります。

📘 まず結論(要点まとめ)

  • 妊娠中はいびきがひどくなりやすく、SAS(睡眠時無呼吸)になることがあります。
  • 朝の疲労感、昼間の強い眠気、家族からの無呼吸の指摘があれば、検査をご検討ください。
  • 当院では在宅でできる簡易検査・在宅PSGから、CPAP療法の導入・調整まで一気通貫で対応しています。
  • 妊娠中でもCPAPは安全に使用でき、お母さんの酸素状態を改善し、赤ちゃんにも安心です。

この記事のポイント(2026年最新)

  • 妊娠中のSASは妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクを高めることがあります。
  • 検査は在宅で行える簡易検査(PG)・在宅PSGから始められます。入院は不要です。
  • 治療はCPAP療法(鼻マスクで空気を送る装置)が第一選択。妊娠中でも安全です。
  • 当院は検査から治療まで一気通貫で対応。他院への紹介は不要です。
  • 産婦人科との連携で、妊娠週数に応じた適切な管理を行います。

※日本睡眠学会・日本産科婦科学会のガイドラインに基づいています。

妊娠中のいびき・SASとは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に呼吸が何度も止まってしまう病気です。1回の停止は10秒以上続き、1時間に5回以上あるとSASが疑われます。

妊娠中は以下の理由でSASになりやすくなります:

  • 体重増加:咽頭周囲の脂肪が増え、気道が狭くなる
  • ホルモン変化:プロゲステロンの影響で上気道の筋肉が緩む
  • 子宮の增大:横隔膜が圧迫され、呼吸が浅くなりやすい

妊娠前からSASがある方はもちろん、妊娠してから初めていびきがひどくなった方も少なくありません。詳しくは睡眠時無呼吸症候群(SAS)・CPAP治療の総合解説もご覧ください。

こんな症状があれば要注意(セルフチェック)

以下に該当する場合は、SASの可能性があります。産婦人科の健診の際に相談するか、当院へご相談ください。

  • ✓ 妊娠前はなかったのに、妊娠後からいびきがひどくなった
  • ✓ 夜中に息が止まっているのを家族に指摘された
  • 朝起きても疲れがとれない、頭が重い
  • ✓ 昼間に強い眠気があり、居眠りしてしまう
  • ✓ 朝、口が乾いている、喉が痛い
  • ✓ 妊娠中に血圧が上がってきた
  • ✓ 妊娠前から肥満気味だった、または妊娠期間中に急激に体重が増加した

※特に高血圧・妊娠糖尿病・肥満がある場合は、SASの合併リスクが高まります。

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SASが妊娠に与える影響

SASはお母さんの健康だけでなく、赤ちゃんにも影響を与えることがあります。

  • 妊娠高血圧症候群・子癇前症(PE)のリスク増加:無呼吸による酸素不足が血圧を上げる原因の一つです。
  • 妊娠糖尿病(GDM)のリスク増加:睡眠不足がインスリン抵抗性を悪化させます。
  • 早産のリスク:重度のSASでは、早産や低出生体重児のリスクが高まる報告があります。
  • お母さんの生活質低下:日中の眠気や倦怠感が続き、日常生活や仕事に支障が出ます。

ただし、適切な治療を行えばこれらのリスクは大幅に減らせます。早期発見・早期治療が大切です。

検査の流れ(当院は在宅PSGも一気通貫で対応)

Step 1:問診とスクリーニング

当院で症状やリスク因子(BMI、血圧、合併症など)を確認します。産婦人科からの紹介状があれば、よりスムーズに進められます。

Step 2:簡易検査(在宅睡眠検査:PG)

手指にセンサーを装着して、自宅のベッドで1泊検査を行います。呼吸・血中酸素飽和度・脈拍などを測定します。入院不要・妊婦さんの負担も少なく済みます。詳しくは在宅睡眠時無呼吸検査の費用と流れをご覧ください。

Step 3:精密検査(在宅PSG)

簡易検査でSASが疑われ、症状が強い場合や判定が不十分な場合は、在宅PSG(ポリソムノグラフィー)で精密検査を行います。自宅で脳波・心電図・呼吸・血中酸素飽和度などを詳細に測定します。当院は在宅PSGも対応しており、他院への紹介は不要です。検査方法の詳細はSASの検査方法|簡易検査と在宅PSGの違いをご覧ください。

Step 4:診断と治療方針の決定

検査結果と症状を総合的に判断し、治療の要否を決定します。軽症の場合は生活指導(体位療法・体重管理)から始め、中等症以上の場合はCPAP療法を検討します。

CPAP治療とは?妊娠中でも安全?

CPAP(シーパップ)療法は、眠っている間に鼻からマスクで空気を送り込み、気道を開く治療法です。

  • 妊娠中でも安全に使用できます。薬物治療と異なり、胎児への影響はありません。
  • 効果は即座に現れます。使用初日からいびきが止まり、朝の目覚めがすっきりします。
  • 血圧や血糖値の改善:無呼吸が解消されることで、妊娠高血圧症候群やGDMの管理が楽になります。
  • マスクの選び方:鼻マスク・鼻枕マスクなど、妊婦さんにも快適なタイプを選定します。

※CPAP療法は、赤ちゃんのためというより、お母さんの体を安全に保つ目的で行います。お母さんの酸素状態が改善することで、赤ちゃんにも良い影響があります。CPAPの詳細はCPAPとは?効果・使い方・副作用・費用を徹底解説をご覧ください。

産婦人科・かかりつけ医の先生方へ

当院(しもやま内科)は、産婦人科・かかりつけ医の先生方からご紹介いただいた妊婦さんに対し、以下の流れで対応しています。

  • ハイリスクの拾い上げ:症状(いびき・無呼吸目撃・眠気・頭痛)+リスク因子(肥満・高血圧・GDMなど)
  • 簡易検査(在宅PG)→ 必要時在宅PSGまで一気通貫
  • CPAP導入の判断:中等症以上、または症状が強く合併症がある場合
  • 産婦人科との情報共有:検査結果・治療内容・妊娠中の注意点を適宜ご報告

紹介時にご共有いただきたい情報:妊娠週数・主訴・妊娠前BMI・現在体重・血圧推移・合併症(HDP/PE・GDMなど)・内服薬・アレルギー

よくある質問

Q. 妊娠中にSASを疑うべきサインは?
A. 妊娠前はなかったいびき、家族からの無呼吸の指摘、日中の強い眠気、朝の頭痛に加え、高血圧・肥満・妊娠糖尿病を伴う場合は積極的に疑います。

Q. 検査は入院が必要ですか?
A. 最初は在宅でできる簡易検査(PG)から始めます。手指にセンサーを装着して自宅で1泊睡眠するだけです。精密検査(PSG)が必要な場合も、当院は在宅PSGに対応しており、他院への紹介は不要です

Q. CPAPは妊娠中でも安全ですか?
A. はい、安全です。CPAPは薬物ではなく、空気を送り込む装置なので胎児への影響はありません。むしろ、お母さんの酸素状態を改善することで赤ちゃんにも安心です。

Q. CPAPを使うと寝づらくないですか?
A. 最初は違和感があるかもしれませんが、鼻マスクや鼻枕タイプなど、妊婦さんにも快適な機種を選定します。慣れるとむしろ「朝がすっきりする」と評価される方がほとんどです。不快感の解決策はCPAPやめたい方へ|マスクの選び方・副作用・不快感の解決策をご覧ください。

Q. 出産後はCPAPが不要になりますか?
A. 体重が減少し、気道が広がればSASも改善することが多いです。出産後3~6か月で再検査を行い、CPAPの継続・減量・中止を判断します。

Q. 産婦人科からの紹介状がなくても受診できますか?
A. はい、自己紹介も可能です。ただし、妊娠中のため産婦人科との連携を推奨しています。紹介状があればよりスムーズに進められます。

院長の実績と専門性

下山立志は日本甲状腺学会 甲状腺専門医・糖尿病専門医・循環器専門医の三冠を取得し、年間480件以上の甲状腺診療実績があります。睡眠時無呼吸症候群(SAS)については、内科・産婦人科との連携を重視し、在宅検査からCPAP導入・調整まで一気通貫で対応しています。

⚠ 緊急性の判断と受診の目安

  • 夜中に呼吸が止まり、目が覚めても息が吸えない → 今すぐお電話ください
  • 高血圧が急に悪化、頭痛・めまい・視力障害 → 救急外来119番へ
  • 強い眠気で運転中や仕事中に意識が飛びそう → 早急に受診してください

📞 047-467-5500

「妊娠中のいびき」——放っておかず、まずは簡単な検査で確認しましょう。

月・火・木・金 9:00~12:00 / 14:45~17:30 土 9:00~12:00

☎ 047-467-5500

最終更新日: 2026年7月28日
監修: 下山立志(総合内科専門医・糖尿病専門医・循環器専門医・甲状腺専門医)
※2026年時点の最新ガイドライン動向を踏まえて解説しています。

📚 参考文献

  • 日本睡眠学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療ガイドライン 2020」.
  • 日本産科婦科学会「妊娠合併症管理ガイドライン 2022」.
  • Louis JM, et al. "Obstructive sleep apnea and pregnancy." Obstet Gynecol, 2012;119(4):864-868.

最終更新日:2026-07-28

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

15/01/2026