在宅PSG検査とは|費用約6,540円・流れ・簡易検査との違い【保険診療】

📘 要点

  • 在宅PSG検査は保険診療で、3割負担なら約6,540円が目安です
  • 簡易在宅検査は、3割負担で約2,700円が目安です
  • 検査は自宅で1泊、入院は不要で、来院は2回のみです
  • 結果説明は、機器の返却から約1週間後です
  • AHIが15以上30未満は中等症、30以上は重症です
  • いびきや日中の眠気が続くときは、早めにご相談ください

「もしかして睡眠時無呼吸かも?」——国内に約940万人の潜在患者がいるSAS、治療を受けているのはわずか8%。でも検査は思ったより簡単です。「病院に泊まるのはちょっと…」という方、ご安心ください。しもやま内科では、自宅で寝るだけで完了する検査が主流です。院長は総合内科専門医・糖尿病専門医・循環器専門医・甲状腺専門医であり、検査から診断・治療まで院内で一貫して対応します。2026年6月の診療報酬改定で簡易検査の基準も緩和され、より受けやすくなっています。

在宅検査でいいの?——入院不要・自宅完結

睡眠時無呼吸の検査には2種類ありますが、当院ではどちらも業者から検査機器が自宅に届けられる在宅検査で対応。入院は一切不要です。

① 簡易在宅検査: 指先のパルスオキシメーター、胸のベルト、鼻のセンサーを装着して1泊。費用は約2,700円(3割負担)。2026年6月の改定でCPAP保険適用の基準がAHI 40以上からAHI 30以上に緩和されたため、簡易検査のみで治療を始められるケースが増えています。

② 在宅PSG(精密検査): 脳波を含むより詳細な測定を自宅で実施。費用は約6,540円(3割負担)。簡易検査で中等症以上が疑われた場合や合併症がある場合に選択します。

結論として、まずは簡易在宅検査で十分です。中等症以上のSASは在宅でしっかり検出でき、患者さんの9割以上は簡易検査で済んでいます。「ちょっと怪しいね」となったら、その時に在宅PSGを検討すればいい——そのくらい気軽に考えてください。

在宅検査、実際どうやるの?

想像するよりずっと簡単です。来院は問診時と結果説明時の計2回だけ。

  1. 検査機器は専門の業者から自宅に届けられます。装着方法の説明は電話または動画で受けます。
  2. 夜、寝る前に自分で装着。指先にパルスオキシメーター、胸に呼吸センサーのベルト、鼻の下に小さなセンサーを貼るだけ。全部自分でつけられます。
  3. 朝起きたらはずして、機器を業者に着払いで返送します。
  4. データ解析後(約1週間)に当院から結果のご連絡をいたします。

「寝返りとか打てますか?」——大丈夫です。コードは十分長いので、普段通りに寝返りできます。

在宅PSG検査とは?——簡易検査との違い

在宅PSG検査は、脳波・眼球運動・あごの筋電図・呼吸の流れ・胸とお腹の動き・いびき・酸素飽和度・心電図などを、ご自宅で一晩かけて記録する精密検査です。簡易検査が「呼吸の乱れの回数」を中心に評価するのに対し、在宅PSG検査は「睡眠の深さと呼吸の乱れの関係」まで確認できる点が特徴です。

項目 簡易在宅検査(簡易PG) 在宅PSG検査
装着するもの パルスオキシメーター・鼻のセンサー・胸のベルト 上記に加えて脳波・眼球運動・筋電図などの電極
分かること 無呼吸・低呼吸の回数、酸素飽和度(SpO2) 睡眠段階(レム睡眠など)・体位・脚の動き・心電図
費用(3割負担の目安) 約2,700円 約6,540円
入院の必要性 不要(自宅で実施) 不要(自宅で実施)
使い分け まずはこちらから 簡易検査で中等症以上が疑われた場合、合併症がある場合、他の睡眠障害を鑑別したい場合

当院では、いずれも検査機器が業者からご自宅に届く在宅検査で対応しています。入院して行う検査は行っておりません。

在宅PSG検査の費用——保険診療で約6,540円

在宅PSG検査は保険診療の対象で、3割負担の場合の自己負担額は約6,540円が目安です(検査機器のレンタル料を含みます)。入院して行うPSG検査と比べて負担を抑えられるうえ、普段と同じ寝具・環境で記録できるため、いつもの睡眠の状態を評価しやすいという利点があります。

  • 保険適用:あり(検査の適応は医師が判断します)
  • 再検査:機器の装着がうまくいかず十分なデータが取れなかった場合は、やり直しが可能です(保険適用・定額負担)
  • 高額療養費:他の治療と合わせて1か月の自己負担が限度額を超えた場合は、申請により払い戻しが受けられます

検査の流れ——申し込みから結果説明まで

  1. 受診・ご相談(1回目):問診と身体所見、症状の確認を行い、検査の種類(簡易検査か在宅PSG検査か)を決めます。
  2. 検査機器の到着:業者からご自宅へ検査機器が届きます。
  3. 装着のご説明:電話または動画で装着方法のご案内を受けます。図解つきの資料も同封されています。
  4. 検査当日:普段どおりの時間にお休みいただき、就寝前に装着し、起床後に外します。
  5. 返送:機器を業者へ着払いで返送します。
  6. 結果説明(2回目):データ解析後、約1週間で結果をご説明します。対面でのご説明となり、必要に応じて治療方針(CPAPなど)もご相談します。

来院は問診時と結果説明時の2回のみです。検査のために仕事をお休みいただく必要はありません。

検査を希望されるきっかけは、いびきや日中の眠気のほか、アップルウォッチ(Apple Watch)の無呼吸通知という方も増えています。通知は診断ではないため、通知の有無にかかわらず、症状とAHIの結果をもとに診断します。

検査でわかること——AHIと酸素飽和度

中心になる数値はAHI(無呼吸低呼吸指数)で、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を表します。AHIが5以上で睡眠時無呼吸症候群とされ、重症度は次のように分類されます。

AHI 重症度
5未満 正常域
5以上15未満 軽症
15以上30未満 中等症
30以上 重症

2026年6月の診療報酬改定により、簡易検査でAHI 30以上(従来は40以上)がCPAP治療の保険適用基準となりました。判定ではAHIだけでなく、酸素飽和度(SpO2)が90%を下回る時間の割合や、仰向け(背臥位)のときだけ無呼吸が増える「体位依存性」もあわせて確認します。

よくある質問

Q. 在宅検査で本当に正確なの?

中等症以上のSASを見つけるには十分な精度があります。自分のベッドで普段通りに寝られるので、むしろ「いつもの自分の状態」がわかるというメリットも。万一「うまくできなかった」と感じた場合も、業者に連絡すれば何度でもやり直しが可能です(保険適用・定額負担です)。

Q. 費用はいくらくらい?

簡易在宅検査は約2,700円、在宅PSGは約6,540円(いずれも3割負担)。検査機器のレンタル代も含まれています。病院に泊まる検査だと1〜2万円かかることもあるので、在宅検査はかなりお手頃です。

Q. 結果が出るまでどれくらい?

機器を返却してから結果のご説明まで1週間程度です。AHI(無呼吸低呼吸指数)などの数値を算出し、治療の必要性を判断します。

Q. どんな人が受けるべき?

「寝てる間の呼吸が止まってると言われた」「昼間すごく眠い」「大きないびきをかく」「朝起きたとき頭が痛い」——これらに1つでも当てはまるなら、一度検査する価値はあります。

SASは肥満傾向のある中高年男性に多いと言われてきましたが、痩せていても「あごが小さい」方や閉経後の女性でも発症することがあります。体型に関わらず、気になる症状があれば検査をご検討ください。放置すると高血圧(リスク約2.9倍)・脳卒中(約2.9倍)などのリスクが高まります。

Q. オンライン診療での検査対応は?

当院ではオンライン診療によるSAS外来は行っておりません。検査のご案内から結果説明・治療開始まで、対面で丁寧に行うことを大切にしています。

Q. 在宅PSG検査はどんな人が受けますか?

簡易検査で中等症以上(AHI 15以上)が疑われた方、心臓や脳の血管の病気がある方、むずむず脚症候群など他の睡眠障害との鑑別が必要な方などが対象になります。検査の種類は、問診と身体所見を踏まえて医師が判断します。

Q. 検査中にトイレに行きたくなったら?

センサーはすぐに外せる構造になっています。トイレや水分補給のための中断は可能で、その間も記録は続いています。終了後は元どおり装着してお休みください。

Q. 家族が同じ部屋で寝ていても受けられますか?

はい。機器の動作音は小さく、同じ部屋でお休みいただいても問題ありません。テレビやスマートフォンの使用も通常どおりで構いません。

Q. 検査のための特別な準備は必要ですか?

動きやすい寝間着であれば特別な準備は不要です。アルコールは呼吸状態に影響することがあるため、検査当日は控えていただくようご案内しています。

「昼間すごく眠い」「いびきがうるさいと言われる」——それ、放っておかないで。

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このページの監修・出典

監修・執筆:しもやま内科 院長(日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本循環器学会 循環器専門医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医/日本老年医学会 老年科専門医・指導医)

主な参考資料:

  • 日本睡眠学会「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」/内山真 編「睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版」(じほう、2019)
  • 厚生労働省 診療報酬点数表・診療報酬改定通知(在宅持続陽圧呼吸療法関係)
  • 厚生労働省 睡眠時無呼吸症候群に関する情報
  • 日本呼吸器学会・日本循環器学会・日本糖尿病学会・日本甲状腺学会の診療ガイドライン

作成・更新:2026年9月20日|このページは一般的な医学情報の提供を目的としたもので、診断・治療方針は診察に基づいて判断します。

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最終更新日:2026-09-20

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

27/03/2026