糖尿病検査ガイド|空腹時血糖・HbA1c・OGTT|しもやま内科(船橋市)

糖尿病の検査には、空腹時血糖・HbA1c・75gOGTT・グリコアルブミン(GA)・尿検査など複数の種類があり、それぞれ「今の血糖値」と「過去の血糖コントロール」を異なる角度から評価します。「健康診断でHbA1cが高いと言われた」「検査の頻度はどのくらい?」「GAって何?」——そんな疑問をお持ちの方に向けて、各検査の基準値・意味・検査間隔をわかりやすく解説します。船橋市のしもやま内科・糖尿病内科が監修しています。

⚠️ こんな症状がある方は早めにご相談ください

  • 急激な体重減少・異常な喉の渇き・頻尿
  • 視力低下・かすみ目(糖尿病網膜症の可能性)
  • 手足のしびれ・感覚の鈍り(糖尿病神経障害の可能性)
  • 足の傷が治りにくい・むくみ

通常の診察予約(047-467-5500) — 上記の症状がある方はなるべく早めに受診しましょう

▶ 緊急時は迷わず119番 — 意識障害・強い呼吸困難・胸痛がある場合は救急車を呼んでください

糖尿病の検査とは

糖尿病の検査は、大きく分けて 「現在の血糖値」「過去の血糖コントロール」 を評価するものです。検査結果をもとに、

  • 糖尿病の診断
  • 治療効果の評価
  • 合併症のリスク評価

を行い、最適な治療方針を決定していきます。

📋 糖尿病の定期検査スケジュール

合併症を早期発見するための検査間隔・項目をまとめています:


代表的な糖尿病の検査3種類

糖尿病の検査には、主に以下の3つがあります。それぞれの検査で評価できる期間や意味が異なるため、医師が患者様の状態に合わせて適切に組み合わせます。

1. 空腹時血糖(FPG)

  • 何を調べるか:朝食前(空腹時)の血糖値
  • 基準値:110 mg/dL未満(正常)、110〜126 mg/dL(境界)、126 mg/dL以上(糖尿病型)
  • 特徴:簡便で費用も安いが、当日の体調に左右されやすい
  • NGSP表記の注意点:日本糖尿病学会はNGSP値での基準を採用しており、JDS値とは異なるため、検査結果の表記方法を確認しましょう

2. HbA1c(ヘモグロビンA1c)

  • 何を調べるか:過去2〜3ヶ月の平均血糖値
  • 基準値:5.6%未満(正常)、5.6〜6.4%(境界)、6.5%以上(糖尿病)
  • 特徴:血糖コントロールの「成績表」。毎回の受診時に測定
  • 貼り容れや、ふれぐりによって低く出る場合があるため、単一ではなくGAや血糖値と組み合わせて判断します

→ HbA1cの詳細ページ

3. 75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)

  • 何を調べるか:糖液を飲んだ後の血糖値変化
  • 基準値:2時間後の血糖値が200 mg/dL以上で糖尿病
  • 特徴:糖尿病の確定診断に最も確実。妊娠糖尿病の診断にも使用

→ 75gOGTTの詳細ページ

🤰 妊娠糖尿病の検査:
妊娠中の方は妊娠糖尿病検査(75gOGTT)のページをご覧ください。


その他の重要な検査

グリコアルブミン(GA)

  • 過去2週間の血糖コントロールを評価
  • HbA1cより短期間の変化を捉えられる
  • 貧血やアルブミン量の変動に影響されるため、単独ではなくHbA1cと併用して評価することが大切

→ グリコアルブミン(GA)の詳細ページ

尿検査(尿糖・尿蛋白)

  • 尿糖:血糖値が高いと尿に糖が出る(腎糖閾を超えた場合)
  • 尿蛋白:腎症(DKD)の早期発見に重要。微量アルブミン尿の測定が推奨される

⚠️ 糖尿病腎症の早期発見:
尿たんぱくの異常は糖尿病腎症(DKD)の初期サインです。年1回の定期検査をお勧めします。

脂質検査(LDL・HDL・中性脂肪)

  • 糖尿病の方は動脈硬化が進みやすいため、脂質管理も重要
  • LDLコレステロールは100 mg/dL以下が目標(高リスク群)

肝機能検査(AST・ALT・γ-GTP)

  • 脂肪肝(NAFLD/NASH)の評価
  • 薬剤性肝障害のモニタリング

検査の頻度は?〜いつ受けるべきか〜

糖尿病治療中の方

  • 毎回の受診時(1〜3ヶ月毎):血糖、HbA1c、体重、血圧
  • 年1回:眼底検査、尿微量アルブミン、脂質、肝機能、心電図
  • 必要に応じて:頸動脈エコー、下肢血管エコー、神経伝導検査

📅 詳細な検査スケジュール:
糖尿病の定期検査ページで、eGFR・眼底・神経検査のタイミングを確認できます。

糖尿病予備群・健康診断で引っかかった方

  • 経過観察中:3〜6ヶ月毎に空腹時血糖とHbA1c
  • 診断が不明確な場合:75gOGTTの実施を検討

検査結果の見方〜HbA1cとGAの違い〜

HbA1cとGAは、どちらも「過去の血糖コントロール」を表しますが、反映する期間が異なります。それぞれの特徴を一覧でまとめました。

検査 反映期間 特徴
HbA1c 過去2〜3ヶ月 標準的な指標。貧血があると正確に測定できない
GA(グリコアルブミン) 過去2週間 短期間の変化を捉えられる。甲状腺機能低下症や低アルブミン血症で値が変動

HbA1cが正確に反映しない場合

低く出る(実力以上に良く見える)

  • 貧血
  • 貧血からの回復後(若い赤血球の比率が高い)
  • 肝硬変、溶血
  • 腎不全でエリスロポエチン製剤投与中
  • 加齢による腎機能低下

高く出る(実力以上に悪く見える)

  • 乳び血症
  • アルコール多飲

GAが正確に反映しない場合

  • 肝硬変(アルブミンの産生・分解能が低下)
  • 甲状腺機能低下症
  • ネフローゼ症候群(アルブミン量に影響)

💡 甲状腺と血糖の関係:
甲状腺機能異常(橋本病バセドウ病)は血糖コントロールに影響します。合併が疑われる場合は甲状腺内科もご参照ください。

ポイント:HbA1cとGAを比較することで、より正確な病態把握が可能になります。血糖コントロールが急激に悪化している局面では両者の比が大きくなり、急速に改善している場合には両者の比が小さくなります。


血糖自己測定(SMBG)の誤差と注意点

血糖自己測定器の特性

血糖測定器は患者様が自己血糖測定するための器械です。測定値は指先等の毛細血管血の採血値を補正して表示しています。

血液中のブドウ糖濃度の違い

静脈血 < 毛細血管血 < 動脈血

静脈血は毛細血管血よりも約10%低値となると言われています。

測定器の誤差範囲

通常、血糖自己測定器のパッケージやセンサーの箱に誤差範囲が記載されています。おおよそ±10〜20%と記載されています。

誤差が生じる主な原因

1)測定に用いる血液量が少なすぎる

十分量の血液を用いて測定し直しましょう。血液量が少ない場合、-20%ほど血糖値が低く出てしまうことがあります。

2)手が汚れている状態で使用

手をきれいに洗ってから使用することが重要です。甘いものを食べたその手で測定すると、測定値が高くなる可能性があります。

3)測定器を揺らしながら測定

揺らしながら測定すると血中ブドウ糖と試薬の反応が促進され、高い値が出る傾向があります。血糖測定は水平で安定した場所において静かに行いましょう。

正確な測定のポイント

  • 測定前には必ず手を洗い、乾燥させる
  • 十分な量の血液を採取する
  • 測定中は測定器を揺らさない
  • 測定器と試薬の有効期限を確認する
  • 極端な値が出た場合は再測定する

📊 CGM(持続血糖測定)について:
自己測定の煩わしさを減らし、24時間の血糖変動を可視化するCGM機種比較もご覧ください。

注意:血糖自己測定器はあくまで「目安」であり、正確な値を知るためには病院での血液検査が必要です。測定値が気になる場合は、主治医に相談してください。


よくある質問(FAQ)

① HbA1cの正常値・基準値はいくつですか?

日本糖尿病学会の基準では、5.6%未満が正常、5.6〜6.4%が境界型、6.5%以上が糖尿病型です。NGSP値で評価します。

② GA(グリコアルブミン)とは何ですか?HbA1cと何が違いますか?

GAは過去2週間の平均血糖値を反映する指標で、HbA1c(過去2〜3ヶ月)より短期間の変化を捉えられます。ふれぐりの評価などに使用されますが、アルブミン量の影響を受けやすいので要注意です。

③ OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)とは何ですか?どんなときに使いますか?

75gのブドウ糖を飲んで、飲む前と2時間後の血糖値を測定する検査です。糖尿病の確定診断や妊娠糖尿病のスクリーニングに用います。空腹時血糖とHbA1cだけでは診断が確定しない場合にも実施します。

④ 空腹時血糖とHbA1c、どっちが正確ですか?

どちらも重要です。空腹時血糖は「その瞬間の血糖値」を、HbA1cは「過去の平均血糖」を表し、異なる観点から血糖コントロールを評価します。両方を組み合わせて判断することが大切です。

⑤ 糖尿病の検査はどのくらいの頻度で受けるべきですか?

治療中の方はHbA1cを1〜3ヶ月ごとに測定し、眼底検査・尿アルブミン・脂質検査は年1回行います。予備群の方は3〜6ヶ月ごとの空腹時血糖とHbA1cが目安です。

⑥ 糖尿病の検査は何科を受診すればいいですか?

糖尿病の検査・診断・治療は、糖尿病内科(糖尿病専門内科)で行います。しもやま内科(船橋市)では、糖尿病専門医がバックアップして検査や治療方針を展開しています。

⑦ 血糖自己測定器の誤差はどのくらいですか?正確に測るコツは?

一般的に±10〜20%の誤差があります。測定前に手を洗う、十分な血液量を確保する、測定器を揺らさない、有効期限を確認するのが基本です。極端な値は再測定しましょう。

⑧ HbA1cが正確に反映しない場合はありますか?

あります。貧血や肝硬変では低く出る(実力以上に良く見える)、乳び血症やアルコール多飲では高く出ることがあります。そのような場合はGAや血糖値も合わせて判断します。

⑨ 妊娠中ですが、糖尿病の検査はいつ受けるべきですか?

妊娠糖尿病のスクリーニングは妊娠24〜28週に75gOGTTを行います。妊娠前から糖尿病のリスクが高い方は、週数を過ぎないうちに受診されることをお勧めします。


当院の診療案内

糖尿病の検査・治療・指導を専門医が行います。当院は船橋市芝山4-33-5に位置し、京成電鉄松戸線「高根木戸駅」・東葉高速鉄道線「飯山満駅」から各々徒歩15分です。診療時間:月・火・木・金 9:00〜12:00/14:45〜17:30、土 9:00〜12:00(水日祝休診)。電話:047-467-5500。

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最終更新日:2026-08-26

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

03/03/2026