糖尿病内科

緩徐進行1型糖尿病

投稿日:28/05/2016 更新日:

緩徐進行1型糖尿病 SPIDDM

2型糖尿病のように始まり、だんだん1型糖尿病の姿が明らかに。

SPIDDMは発症当初は膵臓からのインスリン分泌低下が著明ではなく、一見すると2型糖尿病のように見えます。最初のうちは2型糖尿病と思われていますが、治療してもよくならず、どんどん悪くなっていきます。2型糖尿病と思われて治療されていて、うまくいっていない方の中にはこのSPIDDMが意外に多いです。抗GAD抗体をチェックすると、弱陽性(少しだけ高い)のが発見の契機となります。

抗GAD抗体のような膵島関連自己抗体は現在または過去の時点において単独または複数陽性で、経過とともにインスリン分泌能が年単位で低下していきます。数年でインスリン依存状態になるものもあれば10年以上経ってもインスリン依存状態にならないものもあります。このようなタイプを緩徐進行1型糖尿病 SPIDDMと呼びます。このような症例において、治療にSU剤を使用した群に比べインスリンを使用した群でインスリン分泌能の低下が有意に遅かったという報告がなされています (Tokyo Study)

インスリン治療が必須です。

SPIDDMにはインスリン治療が必須です。最初のうちは内服薬で効果がある例もみられますが、膵臓を刺激してインスリン分泌を促す薬剤はかえって膵臓を疲弊させてしまいます。できるだけ早くインスリン治療を開始して、膵臓の負担をなくしてあげることが重要です。そうすれば膵臓のβ細胞のインスリン分泌機能を温存できます。インスリン治療は続けていく必要がありますが、少ない量で済みます。内服薬で粘って膵臓のβ細胞が死滅してからインスリン治療に切り替える場合はインスリン投与量が増えてしまいます。インスリン投与量が増えると、低血糖のリスクが高くなり、長い間には心血管イベント(心筋梗塞や狭心症)で亡くなるリスクが高くなってしまいます。

緩徐進行1型糖尿病の診断基準(2012)

緩徐進行1型糖尿病の診断基準(2012)

Maruyama T, et al: Multicenter prevention trial of slowly peogressive type 1 diabetes with small dose of insulin (the Tokyo study):preliminant report.Ann NY Acad Sci 1005:36

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