📘 要点
- クッシング症候群は、コルチゾールが過剰になる病気です
- 満月様顔貌・中心性肥満・赤紫色の皮膚線条などが特徴です
- サブクリニカルでは見た目の変化が乏しく、合併症で気づきます
- 診断は1mgデキサメタゾン抑制試験などのホルモン検査で行います
- 健診で副腎腫瘍を指摘され、症状が2つ以上ある方は評価をおすすめします
- 血圧や血糖が治りにくいときは、早めにご相談ください
クッシング症候群の症状チェック(セルフチェック)
「クッシング症候群 症状」で検索される方が最初に知りたいのは、自分が当てはまるかです。次の項目が複数ある場合は、原因の評価を検討します。
- 顔が丸くなった(満月様顔貌)・首や背中に脂肪がつく
- 体幹は太るのに手足は細い(中心性肥満)
- 赤紫色の皮膚線条(腹部・大腿など)/あざが増える・皮膚が薄い
- 筋力低下(階段がつらい・立ち上がりにくい)
- 高血圧・糖尿病が治りにくい、体重増加が止まらない
- 骨粗鬆症・骨折/月経異常・多毛(女性)など
受診の目安:「健診で副腎腫瘍を指摘された」+「上の項目が2つ以上」または「血圧/血糖が難治」の場合は、内分泌評価をおすすめします。
クッシング症候群とは?(原因・種類)
クッシング症候群は、副腎から分泌されるコルチゾールが必要以上に増えることで、代謝・血圧・骨・皮膚などに影響が出る病気です。
クッシング症候群の主な原因(種類)
- クッシング病:下垂体腺腫によりACTHが増え、コルチゾール過剰になる
- 副腎性クッシング症候群:副腎腫瘍(腺腫など)によりコルチゾールが過剰になる
- 異所性ACTH産生腫瘍:肺などの腫瘍がACTHを分泌する
- 医原性(ステロイド):薬剤(ステロイド)によるコルチゾール作用過剰
「クッシング症候群」と「クッシング病」の違い(よくある混同ポイント)
検索で多い「クッシング病」は、クッシング症候群の中の一つ(下垂体が原因)です。原因が違うと、追加検査や治療方針も変わるため、まずは切り分けが重要です。
※実際の診断・治療は、検査結果と全身状態を踏まえて個別に判断します。
クッシング症候群の検査(診断の流れ)
「クッシング症候群 検査」「診断基準」で検索される方が多いため、検査の流れを先にまとめます。
- ホルモン検査:血液・尿・唾液などでコルチゾール/ACTHを評価
- デキサメタゾン抑制試験:コルチゾールの抑制が効くかを確認
- 画像検査(CT/MRI):副腎・下垂体など原因部位を確認
健診で見つかる副腎腫瘍(副腎偶発腫)では、「腫瘍の大きさ」だけでなく、ホルモンが出ているか(機能性か)が治療判断の中心になります。
治療(手術が必要?経過観察?)
原因によって治療は異なりますが、腫瘍が原因でコルチゾール過剰が明らかな場合は、原則として原因治療(手術)が検討されます。副腎腫瘍では腹腔鏡手術が選択されることが多く、術後は一時的にホルモン補充が必要になる場合があります。
サブクリニカルクッシング症候群とは?
サブクリニカルクッシング症候群は、コルチゾールがやや過剰でも典型的な見た目の変化が
| 項目 | クッシング症候群(総称) | クッシング病 |
|---|---|---|
| 原因部位 | 副腎・下垂体・異所性ACTH・薬剤など複数 | 下垂体腺腫が原因 |
| ホルモンの特徴 | コルチゾール過剰(ACTHは原因により増減) | ACTHが増え、コルチゾールが過剰になりやすい |
| 主な検査の流れ | コルチゾール/ACTHの評価 → 抑制試験 → 画像検査で原因部位を確認 | 上記に加え、下垂体MRIなど「下垂体評価」を重視 |
| 治療の方向性 | 原因に応じて(副腎/下垂体/腫瘍/薬剤調整) | 下垂体病変への治療(専門機関での治療を検討) |
乏しい状態です。健診などで副腎腫瘍が偶然見つかる(副腎偶発腫)ことで発見されることがあります。
見逃されやすい合併症(“治りにくい生活習慣病”の背景)
- 糖尿病または血糖値異常(耐糖能障害)
- 高血圧
- 脂質異常症
- 骨粗鬆症
治療方針(手術か経過観察か)
合併症の程度、ホルモン検査結果、腫瘍の大きさ・画像所見などを総合して、手術または経過観察を判断します。「血圧・血糖が治りにくい」「骨粗鬆症が進む」などがある場合は、治療介入で改善するケースもあります。
クッシング症候群とサブクリニカルの違い(まとめ表)
| 病名 | 特徴 |
|---|---|
| クッシング症候群 | コルチゾール過剰+症状が比較的はっきり |
| サブクリニカルクッシング症候群 | コルチゾール過剰でも見た目の変化が乏しい/合併症で気づくことがある |
副腎ホルモンの異常が疑われる方へ
健診で「副腎腫瘍(副腎偶発腫)」「コルチゾールやACTHの異常」を指摘された方や、
高血圧・糖尿病のコントロールが難しい方は、副腎ホルモン異常が隠れている可能性があります。
しもやま内科では副腎ホルモンの検査を行い、必要に応じて提携医療機関で副腎CTもご案内可能です。
📚 関連ページ
二次性高血圧|原因・検査・治療のハブページ
🏥 当院の対応範囲(当院で行うこと・専門施設へお願いすること)
しもやま内科で実際に行っている検査・治療と、連携する専門施設へお願いしている検査・治療をまとめました。「どこまで当院で行い、何を専門施設へお願いするか」の目安としてご覧ください。記載は2026年9月時点の当院の対応状況です。
| 検査・治療 | 当院での対応 |
|---|---|
| 問診・診察(症状・経過・家族歴の確認) | 当院で実施します |
| 血液検査(ホルモン基礎値・抗体・一般生化学) | 当院で実施します(当日結果説明できる項目があります) |
| 尿検査(尿中ホルモン代謝物・尿中カテコラミンなど) | 当院で実施します(検体提出・結果説明まで当院で対応) |
| 1mgデキサメタゾン抑制試験 | 当院で実施します(前日就寝前に内服し、翌朝に採血します) |
| CT(副腎CT・腹部CT・頭部CTなど) | 当院では撮影しておらず、連携医療機関へご依頼します |
| MRI(下垂体MRI・造影MRIなど) | 当院では撮影しておらず、連携医療機関へご依頼します |
| 手術・入院加療(副腎摘除術・下垂体手術など) | 当院では行っておりません。専門施設へご紹介します |
| 自由診療(自費診療) | 当院では行っておりません(保険診療のみ) |
| セカンドオピニオン外来 | 当院では行っておりません |
| 夜間・休日の診療(時間外の電話相談を含む) | 当院では行っておりません |
| 生理食塩水負荷試験・カプトプリル負荷試験・迅速ACTH負荷試験など | 当院では行っておりません。連携医療機関へご依頼します |
当院は保険診療を基本としています。当院で実施していない検査・治療は、必要に応じて連携する専門施設へご紹介し、紹介後もホルモン補充や経過観察など当院で継続できる部分は引き続き担当します。当院の診療対象は中学生以上(12歳〜)です。
夜間・休日に急な症状が出た場合は、当院では時間外の診療・電話相談を行っておりませんので、救急外来・#7119(救急安心電話相談)・119番へのご連絡をおすすめします。
❓ よくある質問
クッシング症候群とはどのような病気ですか?
クッシング症候群の原因は何ですか?(副腎腫瘍?下垂体?)
クッシング症候群の症状は?女性に多いサインはありますか?
クッシング症候群の検査は何をしますか?
サブクリニカルクッシング症候群とは何ですか?
サブクリニカルは手術が必要ですか?経過観察でよいですか?
放置するとどうなりますか?
📚 参考文献・準拠ガイドライン
- 日本内分泌学会「副腎性顕性クッシング症候群の診断基準」(日本内分泌学会雑誌 Vol.101 Suppl. GL2 2025)
- 日本内分泌学会「副腎性サブクリニカルクッシング症候群 新診断基準」(日本内分泌学会雑誌 Vol.93 Suppl. September 2017)
- 日本内分泌学会「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版」(日本内分泌学会雑誌 Vol.99 Suppl. July 2023)
- 日本内分泌学会「副腎クリーゼを含む副腎皮質機能低下症の診断と治療に関する指針」(日本内分泌学会雑誌 Vol.91 Suppl. September 2015)
- Endocrine Society「The Diagnosis of Cushing’s Syndrome: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline」(2008年)
- 日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」(2025年8月29日発行、ライフサイエンス出版)
本ページは上記の診療ガイドライン等を参考に、一般的な医学情報として作成しています。個々の診断・治療は、検査結果と全身状態をふまえて担当医が判断します。
受診をご検討の方、お気軽にご相談ください
月・火・木・金 9:00〜12:00 / 14:45〜17:30 土 9:00〜12:00
診療時間外の緊急時は、119番へのご連絡をおすすめします。
最終更新日:2026-08-28
👨⚕️ この記事の監修医師
監修・執筆:しもやま内科 院長(日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本循環器学会 循環器専門医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医/日本老年医学会 老年科専門医・指導医)
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。