甲状腺内科

不妊治療 TSHの目標値は2.5μU/ml以下へ

投稿日:01/09/2016 更新日:

不妊治療とTSH

甲状腺と不妊の関係は知られておらず、不妊治療中で、TSHの数値が高いためにご相談を受けることがしばしばあります。甲状腺機能異障害と不妊には関係があります。甲状腺ホルモン(FT4,FT3)の値は高過ぎても低過ぎても不妊の原因になります。また、甲状腺ホルモンが正常でも甲状腺刺激ホルモン(TSH)に異常がある場合も同様です。

TSHの目標値は2.5μU/ml以下

TSHの目標値は2.5μU/ml以下

TSHの目標値は2.5μU/ml以下

TSHの基準値は(検査キットや検査会社によって差がありますが)0.35-3.5μU/ml程度です。妊娠を希望される場合は、2.5以下にコントロールすべきであるとされています。橋本病など甲状腺ホルモンが低下する病態の場合、TSHは高くなります。妊娠を希望する場合は2.5以下まで下げるのがくらいが望ましいです。橋本病などで甲状腺機能が低下しているからといって、必ずしも不妊症になるとは限りません。しかしながら、甲状腺ホルモンが不足した状態が続くと、月経周期の短縮、経血が多くなるなど、月経異常が生じる可能性があります。健康な妊婦において流産のリスクは約15%程度とされていますが、甲状腺ホルモンが不足した状態での妊娠では流産の確率が高まるとされています。よって、挙児希望でありながら不妊状態が続き、TSH高値が判明した場合には甲状腺ホルモンを用いた治療が選択肢になります。

レボチロキシンでの治療

甲状腺ホルモンが低値である、TSHが高値である場合であっても、甲状腺ホルモンの内服薬レボチロキシン(=チラーヂンS®)を内服することで甲状腺ホルモンが正常になれば、流産リスクを甲状腺が正常な場合の妊娠と同等まで軽減することができます。レボチロキシンは、甲状腺で作られているホルモンと同じです。胎児への影響はないと考えられています。甲状腺機能低下症の患者様が妊娠された場合、妊娠中も甲状腺ホルモンの内服薬は継続します。また産後や授乳中に服用していても、授乳に影響はないと考えられています。

挙児希望例のTSHを2.5以下にするために必要なチラーヂンSの量

ある論文では0.87μg/Kgと記載されています。実際TSH3.0程度でも50μgを必要とすることも多く、また健康保険上FT4/TSHは月1回しか測定できないこと、不妊治療中ということでできるだけ早期にTSHを達成することを念頭において用量を決定します。当院では、

TSH 2.6-3.0 チラーヂンS 25μg
TSH 3.1-5.0 チラーヂンS 50μg

で開始しています。また、食前の方が吸収が安定すると言われているため朝食全投与にしています。

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