睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合、睡眠検査で確定診断を行います。従来は病院に泊まり込んで行うPSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)が主流でしたが、現在は在宅睡眠検査(簡易PG)が広く普及しています。
しもやま内科では、ご自宅で自然な睡眠状態を測定できる在宅検査を導入しています。病院に泊まるストレスなく、手軽にSASのスクリーニングができます。
この記事では、在宅睡眠検査のメリット・検査の流れ・結果の見方・費用について詳しく解説します。
在宅検査 vs 病院検査(PSG)の比較
| 比較項目 | 在宅睡眠検査(簡易PG) | 病院検査(PSG) |
|---|---|---|
| 検査場所 | ご自宅 | 病院・検査センター |
| 睡眠環境 | 普段の自室・ベッド | 検査室(初見の環境) |
| 測定項目数 | 3〜7項目(簡易型) | 20項目以上(精密型) |
| 身体への負担 | 小さい(指先センサーのみ) | 大きい(全身に電極を装着) |
| 待ち時間 | 1〜2週間 | 1〜3ヶ月(予約待ち) |
| 費用(3割負担) | 約3,000〜5,000円 | 約10,000〜20,000円 (※検査費用のみ。入院費は別途必要) |
| 精度 | 中等症以上のSAS検出に十分 | 最も精密(全ての睡眠障害を評価) |
在宅検査は、SASのスクリーニングとして十分な精度があり、手軽に始められます。在宅検査で異常が認められた場合、詳細な評価のためにPSGをご案内することもあります。
在宅検査で測定される項目
在宅睡眠検査(簡易PG)では、以下の項目を測定します:
① 呼吸・酸素関連
- 胸腹部の動き:呼吸努力を検出
- 鼻の気流:呼吸の有無・強弱
- 血中酸素飽和度(SpO2):パルスオキシメーターで測定
- いびき(マイク録音):音量とパターン
② 循環器関連
- 脈拍・心拍数:酸素低下時の心拍変動
③ 体位
- 体位センサー:仰向け・横向きなどの睡眠体位を記録
これらのデータから、無呼吸指数(AHI)を算出し、SASの有無と重症度を判定します。
検査の流れ
Step 1:初診・問診(当院)
- 症状、既往歴、服用薬の確認
- SASのリスク評価(STOP-BANG質問票など)
- 在宅検査の適応判断
- 検査機器の手配を依頼
Step 2:検査機器の宅配(CPAP業者より)
- 専門のCPAP業者より、検査機器がご自宅に宅配されます
- 同封の説明書に従い、検査前に装着方法を確認
- 不明点があれば、業者のサポート窓口へ電話相談可能
Step 3:自宅での検査(1泊)
- 普段通りの就寝時間に機器を装着
- 最低4時間以上の睡眠が目標
- 朝、機器を外して終了
Step 4:機器の返送(センドバック)
- 検査翌日、同封の返送用伝票で業者へ機器を返送
- 配送業者への集荷依頼または最寄りの配送窓口へ持込
- 送料は業者負担(着払い)
Step 5:データ解析・結果報告(
- 業者でデータを解析
- 解析データがしもやま内科に送信されます
- 結果報告が届き次第、当院よりご連絡
- 結果説明の予約を調整(約30分)
Step 6:結果説明・治療方針(当院)
- 検査結果の詳細説明
- AHI(無呼吸指数)の説明
- 治療方針のご提案
検査当日のポイント
検査前にやること
- 普段通りの生活を送る:特別な準備は不要
- お風呂は先に済ませる:就寝直前の入浴は血圧変動を起こす可能性あり
- 飲酒は控える:SASを悪化させ、正確な評価が困難に
- 睡眠導入剤は必要に応じて:普段服用していない方は不要。不安な方は相談
機器の装着方法
宅配された検査機器には、わかりやすい説明書と装着ガイドが同封されています。一般的な装着手順は以下の通りです:
- 胸ベルト:胸の下に巻き、呼吸の動きを検出
- 指先センサー(パルスオキシメーター):指にはめ、酸素飽和度と脈拍を測定
- 鼻カニューレ:鼻の穴に細いチューブを入れ、気流を検出
- いびきマイク:首に巻くタイプの小さなマイク
- 体位センサー:胸ベルトに内蔵
装着時間:約5〜10分。初めての方でも説明書を見ながら簡単に装着できます。不明点があれば、業者のサポート窓口へ電話でご相談ください。
検査中の注意
- トイレに行く場合:機器はそのまま、起きて歩いてOK
- 途中で目が覚めても:そのまま寝直せば問題なし
- 機器が外れた場合:本体が音や光でお知らせ
- 朝は必ず機器を停止:長時間の記録はデータ解析に影響
検査結果の見方
AHI(無呼吸低呼吸指数)とは
AHI(Apnea-Hypopnea Index)は、1時間の睡眠中に無呼吸・低呼吸が何回あったかを示す指標です。
| AHI値 | 判定 | 治療方針 |
|---|---|---|
| 5未満 | 正常範囲 | SASの診断なし。ただし症状があれば再検討 |
| 5〜15 | 軽度SAS | 生活習慣改善・経過観察・口腔内装置を検討 |
| 15〜30 | 中度SAS | CPAP治療を推奨。生活習慣改善と併用 |
| 30以上 | 重度SAS | CPAP治療を強く推奨。心血管リスク高い |
その他の重要指標
- 最低SpO2:睡眠中の最低酸素飽和度。85%以下は要注意
- SpO2低下時間:酸素90%未満の総時間。長いほどリスク高
- いびき指数:いびきの回数と音量の記録
- 体位別AHI:仰向け・横向きなど体位別の症状の違い
よくあるご質問
Q. 在宅検査と病院検査、どちらが正確ですか?
A. 中等症以上のSASの検出には、在宅検査でも十分な精度があります。ただし、不眠症・むずむず脚症候群・ナルコレプシーなど他の睡眠障害が疑われる場合、または在宅検査で結果が曖昧な場合は、病院でのPSGが必要になります。
Q. 検査機器の宅配・返送の手配は自分で行いますか?
A. いいえ、業者が全て手配します。初診時に当院で手配を依頼すると、業者より機器が宅配されます。検査後は同封の返送用伝票で業者へ返送してください。送料は業者負担です。
Q. 検査機器は難しくないですか?
A. 初めての方でも10分程度で装着できます。機器にはわかりやすい説明書が同封されており、不明点があれば業者のサポート窓口へ電話でご相談いただけます。
Q. 検査中に機器を壊したらどうなりますか?
A. 通常の使用での故障は患者様の負担ではありません。ただし、故意の破損・水没・紛失の場合は、機器の実費をご請求させていただく場合があります。ご不明な点は使用前に必ずサポート窓口へご確認ください。
Q. 1回の検査で確定診断できますか?
A. ほとんどの場合、1回の検査で診断可能です。ただし、「検査当日に風邪をひいていた」「寝付けなかった」など、データが不十分な場合は再検査をお願いすることがあります(再検査費用は別途)。
Q. 妊娠中でも検査できますか?
A. はい、妊娠中も安全に検査できます。在宅検査は非侵襲的で、お腹の赤ちゃんへの影響はありません。むしろ、妊娠中のSASは早産リスクと関連するため、必要に応じて検査をおすすめします。
Q. 結果が陽性だったら、すぐにCPAPが必要ですか?
A. 重症度と症状によって決まります。軽度(AHI 5-15)で症状が軽い場合は、まず生活習慣改善から始めることもあります。中度以上(AHI 15以上)や、高血圧・糖尿病を合併している場合は、CPAP治療を推奨します。
検査費用まとめ
| 項目 | 費用(3割負担の場合) |
|---|---|
| 初診料 | 約700円 |
| 在宅睡眠検査(簡易PG) | 約3,000〜5,000円 |
| 結果説明・再診 | 約700円 |
| 合計(目安) | 約4,500〜6,500円 |
※検査機器の宅配・返送料は業者負担
まとめ:在宅検査で、まずは手軽にSASをチェック
在宅睡眠検査は、「自宅で」「手軽に」「低コストで」SASのスクリーニングができる、現代の医療の利便性を活かした検査方法です。病院に泊まるストレスなく、普段通りの睡眠で評価できます。
以下の方はぜひ検査をご検討ください:
- いびき・無呼吸で家族から指摘されている
- 朝の頭痛・日中の眠気が気になる
- 高血圧・糖尿病を合併している
- Apple Watchで無呼吸通知が来た
- 妊娠中で睡眠の質が低下した
しもやま内科では、検査から治療まで一貫してサポートします。船橋市でSASが気になる方、ぜひ一度ご相談ください。
📞 予約・相談:047-467-5500
(電話予約のみ。駐車場7台完備)
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本記事の監修
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医