糖尿病内科

インクレチンとは?GLP-1/GIP受容体作動薬による最新の糖尿病・肥満治療

28/05/2016

GLP-1やGIPって聞いたことありますか?これらは「インクレチン」と呼ばれるホルモンで、糖尿病治療に革命をもたらした注目の成分です。血糖値のコントロールだけでなく、体重減少効果も期待される最新治療について、糖尿病専門医がわかりやすく解説します。


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インクレチンGLP-1とGIPの働きを図解で解説|血糖コントロールや食欲抑制に関与するホルモンのしくみ|しもやま内科(船橋市)

インクレチンの働き

働きGLP-1GIP
インスリン分泌促進
グルカゴン抑制
胃排出の遅延×
食欲抑制(中枢作用)
体重減少効果

インクレチン関連薬剤の分類

GLP-1受容体作動薬

  • ビクトーザ®(リラグルチド):毎日皮下注、体重減少効果あり
  • オゼンピック®/ウゴービ®(セマグルチド):週1回皮下注、強い食欲抑制、肥満症にも適応
  • トルリシティ®(デュラグルチド):週1回皮下注、簡便なペン型注射

GIP/GLP-1受容体作動薬(デュアルアゴニスト)

  • マンジャロ®(チルゼパチド):2型糖尿病に対して使用
  • ゼップバウンド®(チルゼパチド):肥満症に対する適応あり、施設要件あり

臨床的位置づけと注意点

インクレチン製剤はDPP-4阻害薬に比べて効果が高く、肥満合併例や心血管疾患のリスクを抱える方に推奨されるケースがあります。近年ではGLP-1/GIP製剤が肥満症治療にも広がりつつありますが、最適使用推進ガイドラインに準拠する必要があります。

よくあるご質問(FAQ)

Q. GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬の違いは?

A. DPP-4阻害薬は体内で作られたインクレチンの分解を防ぎ、効果を維持する薬です。一方、GLP-1受容体作動薬は外からインクレチン様作用を持つ薬を投与します。

Q. ウゴービやゼップバウンドは使えますか?

A. いずれも特定の施設でのみ保険診療可能です。当院では処方しておりませんが、肥満症外来への紹介が可能です。

この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本甲状腺学会 専門医/日本循環器学会 専門医/日本老年医学会 老年科専門医・指導医

糖尿病や肥満症の診療に長年携わり、GLP-1受容体作動薬やチルゼパチド製剤についても最新の知見を踏まえた説明を心がけています。

☎ 047-467-5500 に電話して相談する

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