肥満症が適応症
複合的な要因からなる慢性疾患である「肥満症*」を効能・効果として、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「ゼップバウンド」(一般名:チルゼパチド)の日本での承認が2024年12月27日に下りました。
肥満症のある日本人に対して行われたSURMOUNT-J試験において、チルゼパチド投与群がプラセボ群に対し有意な体重減少効果を示しました。患者さんのベースラインは約92㎏です。
72週時における体重のベースラインからの平均変化率は、チルゼパチド10mg群で17.8%減、15mg群で22.7%減と、両用量群ともプラセボ群に対する優越性が示されました。
有害事象の発現頻度は、プラセボ群69.3%に対し、チルゼパチド10mg群83.6%、15mg群85.7%で、最も多かったのは胃腸関連障害(便秘、悪心、下痢など)でした。
投与を中止するとリバウンドするので、やはり食事と運動が大事なんだと、改めて思う次第です。
*承認されたゼップバウンドの適応症は、「肥満症 ただし、高血圧、脂質異常症又は 2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限ります。
「肥満症」で、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、①BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する、②BMIが35 kg/m2以上-に該当する場合に限る。
日本の肥満人口は2800万人
日本国内における肥満人口(BMI 25以上)は約2800万人と推計されています。通院患者の約9割がBMI 25以上で、合併症を持っているとの報告もあります。ゼップバウンドが治療の選択肢に加わるのは良いことだと思います。
同分子のマンジャロと同様に、同剤は1回使い切りのオートインジェクター型注入器「アテオス」により、週1回皮下注射で投与します。
用量も同様に2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mgの6規格のラインナップで、状態に応じての使い分けが可能としています。
ちなみに、マンジャロは2.5㎎で開始して、維持量5㎎。その後、適宜増減ですが、
ジップバウンドは2.5mgで開始して維持量10㎎です。その後、適宜増減ですが、5㎎~15㎎の範囲となります。
ジップバウンドは2.5㎎での継続は用法用量外となります。
ゼップバウンドは先行するウゴービと同じように最適使用推進ガイドラインがついてきます。
認可された医療機関でのみ、保険診療で使用できます。その基準はこれから策定されます。