高血圧

内分泌疾患の症状はあらわれにくい

26/05/2016

内分泌疾患は珍しくない

二次性高血圧
珍しい疾患、難しい疾患と思われがちな内分泌疾患ですが、実は決して珍しい疾患ではありません。
日本には約4,300万人の高血圧症患者さんがいらっしゃいますが、そのうち10%は内分泌疾患に起因する二次性高血圧症です。我が国ではでは医療技術の進歩、世界に誇る皆保険制度のおかげでCTやMRIといった画像診断が容易にできるようになっています。また、人間ドックを受ける人も増えています。これらにより、偶然見つかる副腎腫瘍、下垂体腫瘍が増えています(偶発腫、インシデンタローマといいます)。特に、人間ドックでは受診者の10%程度に甲状腺機能異常が見つかります。

内分泌疾患の症状はあらわれにくい

このように、実はありふれた疾患である内分泌疾患ですが、大抵のものは慢性的な経過をとります。つまり、すぐに生命に直結する、緊急性を要するものは少ないということです。逆に、すぐには生命にかかわらないけれどもゆっくりと進行して徐々に生活の質(Quality of lofe, QOL)を落としてくるものが多いのです。

問診、身体診察が大切

急激に症状は出ない反面、症状がはっきり出ないために診断に時間がかかることが多いのが内分泌疾患の特徴でもあります。日常的に患者さんが訴えるありふれた症候(症状)、例えば全身倦怠感(体がだるい)、発熱、腹痛、意識障害といった症状に加えてその疾患に特徴的な症候が併存することが多いです。ありふれた症状だからといって軽視せず、患者さんに詳細な問診を行い、よく診察し、特徴的な症候に気づくことで大切です。問診をしっかりして、身体診察もしっかりする。そういった姿勢で診療に臨んでいます。

また、頻度は少ないですが、副腎や副甲状腺などのホルモン臓器の検査・診断も行っています。
若いうちに発病した高血圧の方や、何種類も薬を使っても血圧が下がりにくい場合は、ホルモン異常が隠れていることもありますので、一度ご相談ください。

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