亜鉛不足の症状・原因・対策|血液検査・食事・サプリで改善

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亜鉛不足は味覚障害・脱毛・疲労感・免疫低下など、気づきにくい不調を引き起こします。血液検査で亜鉛値をチェックし、食事やサプリで適切に補う方法を、しもやま内科が解説します。

亜鉛不足の症状と原因・血液検査・治療・食事対策を解説するブログアイキャッチ。牡蠣、牛肉、納豆、卵、胚芽米、豆腐など亜鉛が豊富な食材を盛り付けたプレート。背景は薄い青色のグラデーション。医療機関「しもやま内科」の記事タイトル画像。

「最近、味がわかりにくい」「抜け毛が増えた」「何となく疲れが取れない」——そんな症状、もしかすると亜鉛不足が原因かもしれません。

亜鉛は体内で300種類以上の酵素の構成成分として働き、味覚・免疫・皮膚や髪の健康・細胞の修復に欠かせないミネラルです。しかし、自覚症状が現れにくいため、知らないうちに不足しているケースが少なくありません。

この記事では、亜鉛不足の症状・原因・チェック方法から、血液検査・治療・食事やサプリでの対策まで、医療機関の視点でわかりやすく解説します。

亜鉛不足の主な症状——こんな不調は要注意

亜鉛が不足すると、全身にさまざまな症状が現れます。特に以下の症状に心当たりがある方は、亜鉛不足の可能性があります。

症状 亜鉛不足との関連
味覚障害(味がしない・薄い・変な味) 亜鉛は味蕾(みらい)細胞の新陳代謝に必須。不足すると味覚が鈍る。
脱毛・薄毛 毛母細胞の分裂に亜鉛が必要。不足すると発毛サイクルが乱れる。
慢性的な疲労感・倦怠感 エネルギー代謝に関わる酵素の働きが低下するため。
免疫力の低下(風邪をひきやすい・治りにくい) 免疫細胞(T細胞・NK細胞)の活性化に亜鉛が必要。
皮膚トラブル(湿疹・かゆみ・肌荒れ) 皮膚のターンオーバーに亜鉛が関与。
創傷治癒の遅れ(傷の治りが悪い) 細胞の修復・再生に亜鉛が必要不可欠。
食欲不振・体重減少 味覚障害による食欲低下が原因となる。

亜鉛不足になりやすい人の特徴——原因とリスク因子

次のような方は、亜鉛不足のリスクが高まります。

  • 高齢者:食事量が減り、吸収力も低下しやすい
  • 妊娠中・授乳中の女性:胎児・乳児への供給で必要量が増加
  • 成長期の子ども・思春期:急激な成長に多くの亜鉛を消費
  • 胃腸疾患のある方(クローン病・潰瘍性大腸炎など):吸収不良のリスク
  • 糖尿病のある方:尿中への亜鉛排泄が増加する
  • 過度な飲酒習慣のある方:アルコールが亜鉛の吸収を阻害・排泄を促進
  • 偏食・極端なダイエット中の方:摂取量そのものが不足しがち
  • 慢性の肝疾患・腎疾患のある方:代謝異常による亜鉛低下

亜鉛不足のチェック方法——血液検査で分かる

亜鉛不足は血液検査(血清亜鉛値)で正確に診断できます。当院では以下の基準で評価しています。

  • 基準値:男性80〜130μg/dL、女性70〜120μg/dL
  • 軽度不足:基準値下限付近でも症状があれば治療対象
  • 検査方法:朝食前・空腹時に採血(約15分)
  • 結果:当日〜翌日には判明

また、亜鉛不足は糖尿病・肝障害・慢性腎臓病・甲状腺機能低下症などと併発しやすいため、当院では併存疾患のスクリーニングも同時に行います。

亜鉛の摂取目安量——食事でどれくらい必要か

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、以下の量が推奨されています。

対象 推奨量(1日あたり)
成人男性 約10mg
成人女性 約8mg
妊婦(付加量) +2mg
授乳婦(付加量) +4mg

亜鉛を効率よく摂る食事の工夫——食材と組み立て方

亜鉛は動物性食品に多く含まれ、植物性食品より吸収率が高いのが特徴です。以下の食材を意識して取り入れましょう。

亜鉛が豊富な食材

  • 魚介類:牡蠣(茹で:1個あたり約2mg)、うなぎ、カニ、イワシ
  • 肉類:牛肉(もも肉・レバー)、豚レバー
  • 大豆製品:納豆、豆腐、油揚げ
  • 卵類:卵黄(1個あたり約1mg)
  • 穀類:胚芽米、玄米
  • 種実類:カシューナッツ、アーモンド、かぼちゃの種

1日の食事の組み立て方(例)

食事の場面 亜鉛を取り入れる工夫例 亜鉛含有量(目安)
朝食 胚芽米ごはん+納豆(1パック)+卵 約2.5mg
昼食 牛肉入り野菜炒め+豆腐の小鉢 約3.0mg
夕食 魚介(牡蠣・うなぎなど)+野菜たっぷりスープ 約3.5〜5.0mg

ポイント:動物性たんぱく質と植物性食品を組み合わせると、亜鉛の吸収率が高まります。また、発酵食品(納豆・味噌)を積極的に取り入れるのもおすすめです。

亜鉛サプリの選び方——効果と注意点

食事だけでは十分に摂取できない場合、サプリメントの活用も検討します。ただし、製品の選び方には注意が必要です。

良いサプリを選ぶ基準

  • 吸収率の良い形態:グルコン酸亜鉛、酵母由来亜鉛、ピコリン酸亜鉛など
  • 含有量の確認:1日あたり10〜20mg程度が一般的(過剰に注意)
  • メーカーの信頼性:GMP認証など品質管理体制が明示されている製品

サプリメントの注意点

  • 過剰摂取に注意:長期の高用量摂取は鉄や銅の吸収を妨げ、貧血の原因となることがある
  • 服薬中の方は要注意:抗生物質(テトラサイクリン系・キノロン系)や利尿薬との相互作用の可能性
  • 自己判断は避ける:「とりあえずネットで安いものを買う」はおすすめできません

過剰摂取のリスク——亜鉛の副作用

亜鉛は不足だけでなく、過剰摂取にもリスクがあります。耐容上限量は成人で1日30〜35mgとされています。

  • 急性症状:吐き気・嘔吐・腹痛・下痢(大量摂取時)
  • 慢性症状:銅欠乏による貧血・好中球減少、鉄吸収阻害
  • 免疫機能への影響:過剰な亜鉛はかえって免疫を抑制する可能性

サプリを利用する際は、必ず用法・用量を守り、医師の指導のもとで使用することが安全です。

子供の亜鉛不足——成長への影響

成長期の子どもは亜鉛の必要量が多く、不足すると以下のような影響が現れることがあります(当院は中学生以上(12歳~)を診療対象としています。小学生以下の成長が気になる場合は小児科専門医へご相談ください)。

  • 成長障害:身長の伸びが鈍る
  • 味覚障害:偏食・食欲不振の原因に
  • 免疫低下:感染症にかかりやすくなる
  • 集中力の低下:学習面への影響も

子どもが極端な偏食をしている場合や、成長が気になる場合は、一度血液検査での確認をおすすめします。

医師への相談が必要なケース

以下のような場合は、自己判断でのサプリメント追加は避け、必ず医師に相談してください。

  • 持病(腎疾患・肝疾患・糖尿病・甲状腺疾患など)がある
  • 妊娠中・授乳中
  • 他のサプリや薬をすでに服用している
  • 明らかな味覚異常・脱毛・皮膚トラブルがある
  • 子どもの成長が気になる(当院は中学生以上(12歳~)が対象。小学生以下は小児科専門医へ)

しもやま内科での亜鉛低下症の診療について

当院では、亜鉛不足が疑われる方に対して以下の流れで診療を行っています。

  1. 血液検査(血清亜鉛値):朝食前・空腹時に採血。基準値は男性80〜130μg/dL、女性70〜120μg/dL。基準値下限付近でも症状がある場合は治療を検討します。
  2. 併存疾患の確認:亜鉛不足は糖尿病・肝障害・慢性腎臓病・甲状腺機能低下症と併発することが多いため、合併症のスクリーニングを同時に行います。
  3. 食事摂取量のヒアリング:偏食・極端なダイエット・過度の飲酒など、亜鉛不足の原因となる生活習慣を確認します。
  4. 治療方針の決定:食事指導を基本とし、必要に応じて亜鉛製剤(ノベルジンなど)を処方。サプリメントの選び方も個別にアドバイスします。

検査時間:約15分(採血のみ)/結果:当日〜翌日

ノベルジン(亜鉛製剤)について

当院で処方するノベルジンは、亜鉛欠乏症に対する治療薬です。保険適用の医療用製剤であり、市販サプリメントとは異なり、品質と用量が厳格に管理されています。

  • 適応:亜鉛欠乏症(血清亜鉛値低下に伴う症状)
  • 特徴:亜鉛の吸収率が高く、臨床的な効果が確認されています
  • 注意:他のミネラル(鉄・銅)の吸収を妨げることがあるため、服用タイミングの調整が必要です

ノベルジンの詳細な適応・副作用・相互作用については、日本医療情報センター(JAPIC)の情報をご参照ください。

よくある質問(FAQ)

市販の亜鉛サプリを飲んでいますが、効果が実感できません。

市販サプリの亜鉛含有量は製品によって大きく異なります。また、そもそも血清亜鉛値が低下していない場合も効果は実感しにくいものです。当院では血液検査で亜鉛値を確認したうえで、不足の程度に応じた医療用亜鉛製剤(ノベルジンなど)の処方や、適切なサプリメントの選び方をアドバイスしています。

味がしなくなったのは亜鉛不足でしょうか?

味覚障害の原因は亜鉛不足だけでなく、鉄・ビタミンB12不足、副鼻腔炎、薬の副作用(特に降圧薬・抗うつ薬)、口腔内疾患など多岐にわたります。当院では総合的な血液検査で原因を特定し、適切な治療を行っています。

亜鉛を補っても脱毛が止まりません。

脱毛の原因は亜鉛不足だけではありません。甲状腺機能低下症・鉄欠乏性貧血・男性型脱毛症(AGA)・ストレスなどが併存している可能性があります。当院では内分泌・栄養の観点から総合的に評価し、原因に応じた治療を提案しています。

亜鉛不足かどうか、自分でチェックする方法はありますか?

自覚症状(味覚異常・脱毛・疲労感・免疫力低下など)である程度の目安にはなりますが、正確な診断には血液検査(血清亜鉛値の測定)が必要です。症状が複数あてはまる場合は、医療機関での検査をおすすめします。

亜鉛の1日の摂取目安量はどれくらいですか?

成人男性で約10mg、成人女性で約8mgが推奨量です。妊婦は+2mg、授乳婦は+4mgの付加が必要です。耐容上限量は成人で1日30〜35mgとされているため、サプリを併用する場合はトータル摂取量に注意しましょう。

亜鉛サプリはどんなものを選べばいいですか?

吸収率の良い形態(グルコン酸亜鉛・酵母由来亜鉛・ピコリン酸亜鉛など)を選びましょう。含有量は1日10〜20mg程度が目安です。信頼できるメーカーの製品を選び、できれば医師や薬剤師に相談してから使用することをおすすめします。

亜鉛の過剰摂取にはどんなリスクがありますか?

吐き気・嘔吐・腹痛などの急性症状や、長期の過剰摂取では銅欠乏による貧血・好中球減少・鉄吸収阻害などのリスクがあります。耐容上限量(成人30〜35mg/日)を超えないよう注意しましょう。

亜鉛不足を食事で改善するにはどうすればいいですか?

牡蠣・牛肉・うなぎ・納豆・卵・胚芽米など亜鉛が豊富な食材をバランスよく組み合わせることが大切です。動物性たんぱく質と植物性食品を一緒に摂ると吸収率が高まります。発酵食品(納豆・味噌)の活用も効果的です。

子供の亜鉛不足はどんな症状が出ますか?

成長障害(身長の伸びが鈍る)、味覚障害による偏食・食欲不振、免疫力低下による感染症の頻発、集中力低下などがみられることがあります。極端な偏食や成長が気になる場合は、小児科または内科で血液検査をご検討ください。

亜鉛不足の血液検査は保険適用ですか?

症状や診察の結果、医師が医学的に必要と判断した場合は保険適用で検査可能です。当院では、亜鉛不足が疑われる症状がある方に対して、適切に保険診療で対応しています。

よくある質問(FAQ)

亜鉛不足の症状は?

代表的な症状として味覚障害(味がしない・薄く感じる)、皮膚炎(かぶれ・ニキビ)、脱毛、爪の変形(白斑・もろさ)、創傷治癒遅延、下痢、免疫機能低下(風邪を引きやすい)、性機能低下、食欲不振などがあります。子供では成長障害や発達遅延の原因にもなります。

亜鉛不足の原因は?

食事からの亜鉛摂取不足(偏食・インスタント食品中心の食生活)、吸収障害(胃腸疾患・加齢)、薬剤性(利尿薬・胃酸抑制薬の長期服用)、妊娠・授乳による需要増加、大量の発汗(運動・暑熱環境)、アルコール多飲などが主な原因です。

亜鉛はどんな食べ物に含まれていますか?

亜鉛を多く含む食品として、牡蠣(特に豊富)、牛肉(赤身)、レバー、卵黄、カニ・エビなどの甲殻類、納豆・豆腐などの大豆製品、ナッツ類(アーモンド・カシューナッツ)、チーズ、玄米・胚芽精米などがあります。動物性食品の方が吸収率が高いと言われています。

亜鉛サプリメントの効果的な選び方は?

亜鉛サプリメントには亜鉛含有量と吸収率のバランスが重要です。吸収率の高いキレート型(亜鉛ピコリネート・亜鉛メチオニンなど)がおすすめです。過剰摂取は銅欠乏や貧血のリスクになるため、成人では1日15〜25mg程度を目安にし、長期間の継続摂取は医師にご相談ください。

亜鉛の過剰摂取による副作用は?

亜鉛の過剰摂取(1日40mg以上を長期間)により、吐き気・嘔吐・腹痛・下痢などの消化器症状、銅欠乏による貧血や白血球減少、HDLコレステロール低下などの副作用が報告されています。サプリメントの使いすぎには注意が必要です。

亜鉛不足は血液検査でわかりますか?

はい、血液検査(血清亜鉛値)で簡単に測定できます。基準値は80〜130μg/dL程度です。70〜80μg/dLが「潜在性亜鉛欠乏」、70μg/dL未満が「亜鉛欠乏症」と診断されます。当院ではこれらの基準に基づいて診断と治療を行っています。

亜鉛不足と味覚障害の関係は?

亜鉛は味蕾(味を感じる細胞)の新生と機能維持に不可欠です。亜鉛が不足すると味蕾の細胞が正常に再生されず、味覚障害(味がしない・薄い・変な味がする)が起こります。味覚障害の治療には亜鉛補充療法が有効で、多くの場合で改善が期待できます。

亜鉛と抜け毛(脱毛症)の関係は?

亜鉛は毛母細胞の分裂・増殖に必要な栄養素で、不足すると毛髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛が増えることがあります。亜鉛補充により改善が見られるケースもありますが、脱毛症の原因は多様であり、他の疾患(甲状腺異常・鉄欠乏など)の評価も併せて行うことが重要です。

亜鉛の摂取目安量は?

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人男性の推奨量は1日10〜11mg、成人女性は8〜9mg、妊婦は10〜11mg、授乳婦は11〜12mgとされています。亜鉛は体内に蓄積されにくいため、毎日コツコツ摂ることが大切です。

糖尿病と亜鉛の関係は?

糖尿病患者さんでは血清亜鉛値が低い傾向があり、亜鉛不足がインスリン抵抗性の悪化に関与する可能性が指摘されています。また糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬など)による尿中亜鉛排泄増加も報告されています。糖尿病患者さんでは定期的な亜鉛評価が推奨されます。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本循環器学会 循環器専門医/日本老年医学会 老年科専門医・指導医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医

糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。栄養・食事療法のサポートにも力を入れています。

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受診をご検討の方、お気軽にご相談ください

月・火・木・金 9:00〜12:00 / 14:45〜17:30 土 9:00〜12:00

047-467-5500

診療時間外・緊急時は、119番へのご連絡もご検討ください

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最終更新日:2026-08-28

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下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

27/04/2025