亜鉛は味覚・免疫・皮膚や髪の健康に関わる必須ミネラルです。気づきにくい不調の背景に亜鉛不足が隠れていることがあります。食事での摂り方とサプリの注意点を、しもやま内科が分かりやすく解説します(ご相談は 047-467-5500)。

亜鉛は私たちの体内で幅広く働いている欠かせないミネラルです。味覚、免疫、皮膚や髪の健康、細胞の修復や再生などに関与しており、不足すると様々な不調が現れます。
ところが、亜鉛不足は初期には自覚しにくく、知らず知らずのうちに「低下症」の状態に陥ることもあります。このページでは、亜鉛低下症のリスクが高い方が意識すべき食事の工夫と、サプリメント活用の注意点をわかりやすく解説します。
亜鉛不足になりやすいのはどんな人?
次のような方は特に亜鉛不足に注意が必要です:
- 高齢者(食事量・吸収力が低下しやすい)
- 妊娠中・授乳中の方(必要量が増える)
- 成長期の子ども・若年層(成長に多く使われる)
- 胃腸疾患のある方(吸収不良のリスク)
- 糖尿病のある方(尿中への排泄増加)
- 過度な飲酒をされる方
- 偏食・極端なダイエットをされている方
亜鉛不足がもたらす影響
- 免疫低下(風邪をひきやすい、治りにくい)
- 味覚異常(食欲減退につながる)
- 皮膚トラブル(湿疹・かゆみが出やすい)
- 脱毛・薄毛の進行
- 創傷治癒の遅れ
気になる症状が複数あてはまる場合は、早めの医師相談をおすすめします。
亜鉛を効率よく摂取する食事の工夫
成人男性は約10mg、女性は約8mg/日の摂取が目安とされます。
食事の組み立て例(シンプル)
| 食事の場面 | 亜鉛を取り入れる工夫例 |
|---|---|
| 朝食 | 胚芽米ごはん+納豆+卵 |
| 昼食 | 牛肉入り野菜炒め+小鉢に豆腐 |
| 夕食 | 魚介(牡蠣、うなぎなど)+野菜たっぷりスープ |
ポイント
- 魚介・肉・卵・豆類など、動物性たんぱく+植物性食品を組み合わせる
- 発酵食品(納豆、味噌など)を活用する
サプリメント活用は慎重に
食事だけで十分摂取が難しい場合、サプリメントの活用も選択肢になります。ただし、製品の品質や用量には差があるため注意が必要です。
- 形態と品質:吸収の良い形態(例:グルコン酸亜鉛、酵母由来など)を選ぶ
- 過剰摂取に注意:長期の高用量は鉄や銅の吸収を妨げることがある
- 併用注意:他サプリ・薬との相互作用は事前に確認
当院の考え方
サプリメントを選ぶ際は医師・薬剤師に相談のうえ、信頼できる製品を適切な量で使用することが重要です。
「とりあえずネットで安いものを買う」はおすすめできません。
医師への相談が必要なケース
以下のような場合は、自己判断でサプリを追加する前に必ず医師へ相談してください:
- 持病(腎疾患・肝疾患・糖尿病など)がある
- 妊娠中・授乳中
- 他のサプリや薬を多用している
- 明らかな皮膚トラブル・味覚異常・脱毛などの症状がある
まとめ
- 亜鉛は不足しやすく、気づきにくい体調不良の背景となることがある
- まずは食事からの摂取を基本に、必要に応じてサプリを検討
- サプリは品質・用量を重視し、医師と相談して安全に活用
👨⚕️ この記事の監修医師
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本循環器学会 循環器専門医/日本老年医学会 老年科専門医・指導医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。栄養・食事療法のサポートにも力を入れています。
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しもやま内科での亜鉛低下症の診療について
亜鉛不足は血液検査で正確に判断できます。当院では、以下の流れで診療を行っています。
- 血液検査(血清亜鉛値):朝食前・空腹時に採血。基準値は男性80〜130μg/dL、女性70〜120μg/dL。亜鉛値が基準値下限付近でも、症状がある場合は治療を検討します。
- 併存疾患の確認:亜鉛不足は糖尿病・肝障害・慢性腎臓病・甲状腺機能低下症と併発することが多いため、合併症のスクリーニングを同時に行います。
- 食事摂取量のヒアリング:偏食・極端なダイエット・過度の飲酒など、亜鉛不足の原因となる生活習慣を確認します。
- 治療方針の決定:食事指導を基本とし、必要に応じて亜鉛製剤(ノベルジンなど)を処方。サプリメントの選び方も個別にアドバイスします。
検査時間:約15分(採血のみ)/結果:当日〜翌日
亜鉛不足でお悩みの方によくある相談
Q:市販の亜鉛サプリを飲んでいますが、効果が実感できません。
A:市販サプリの亜鉛含有量は製品によって大きく異なります。当院では血液検査で亜鉛値を確認したうえで、不足の程度に応じた医療用亜鉛製剤(ノベルジンなど)の処方や、適切なサプリメントの選び方をアドバイスしています。
Q:味がしなくなったのは亜鉛不足でしょうか?
A:味覚障害の原因は亜鉛不足だけでなく、鉄・ビタミンB12不足、副鼻腔炎、薬の副作用など多岐にわたります。当院では総合的な血液検査で原因を特定し、適切な治療を行っています。
Q:亜鉛を補っても脱毛が止まりません。
A:脱毛の原因は亜鉛不足だけではありません。甲状腺機能低下症・貧血・男性型脱毛症などの併存が考えられます。当院では内分泌・栄養の観点から総合的に評価し、原因に応じた治療を提案しています。
ノベルジン(亜鉛製剤)について
当院で処方するノベルジンは、亜鉛欠乏症に対する治療薬です。保険適用の医療用製剤であり、市販サプリメントとは異なり、品質と用量が厳格に管理されています。
- 適応:亜鉛欠乏症(血清亜鉛値低下に伴う症状)
- 特徴:亜鉛の吸収率が高く、臨床的な効果が確認されています
- 注意:他のミネラル(鉄・銅)の吸収を妨げることがあるため、服用タイミングの調整が必要です
ノベルジンの詳細な適応・副作用・相互作用については、日本医療情報センター(JAPIC)の情報をご参照ください。
最終更新日:2026-04-14
👨⚕️ この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。