亜鉛不足の症状・原因・対策|血液検査・食事・サプリで改善

📘 要点

  • 亜鉛は体内で300種類以上の酵素の働きに関わるミネラルです
  • 不足すると味覚障害・抜け毛・疲労感・免疫低下が起こります
  • 血液検査の基準値は男性80〜130μg/dL、女性70〜120μg/dLです
  • 1日の摂取目安量は成人男性約10mg、成人女性約8mgです
  • 牡蠣3個で約7.9mgと、亜鉛を多く含む食品です
  • 味覚の変化や抜け毛が2週間以上続くときは、早めにご相談ください

亜鉛不足は味覚障害・脱毛・疲労感・免疫低下など、気づきにくい不調を引き起こします。血液検査で亜鉛値をチェックし、食事やサプリで適切に補う方法を、しもやま内科が解説します。

亜鉛不足の症状と原因・血液検査・治療・食事対策を解説するブログアイキャッチ。牡蠣、牛肉、納豆、卵、胚芽米、豆腐など亜鉛が豊富な食材を盛り付けたプレート。背景は薄い青色のグラデーション。医療機関「しもやま内科」の記事タイトル画像。

「最近、味がわかりにくい」「抜け毛が増えた」「何となく疲れが取れない」——そんな症状、もしかすると亜鉛不足が原因かもしれません。

亜鉛は体内で300種類以上の酵素の構成成分として働き、味覚・免疫・皮膚や髪の健康・細胞の修復に欠かせないミネラルです。しかし、自覚症状が現れにくいため、知らないうちに不足しているケースが少なくありません。

この記事では、亜鉛不足の症状・原因・チェック方法から、血液検査・治療・食事やサプリでの対策まで、医療機関の視点でわかりやすく解説します。

亜鉛不足の症状——味覚障害・抜け毛・疲労感・免疫低下など主な症状一覧

亜鉛が不足すると、全身にさまざまな症状が現れます。特に以下の症状に心当たりがある方は、亜鉛不足の可能性があります。

症状 亜鉛不足との関連
味覚障害(味がしない・薄い・変な味) 亜鉛は味蕾(みらい)細胞の新陳代謝に必須。不足すると味覚が鈍る。
脱毛・薄毛 毛母細胞の分裂に亜鉛が必要。不足すると発毛サイクルが乱れる。
慢性的な疲労感・倦怠感 エネルギー代謝に関わる酵素の働きが低下するため。
免疫力の低下(風邪をひきやすい・治りにくい) 免疫細胞(T細胞・NK細胞)の活性化に亜鉛が必要。
皮膚トラブル(湿疹・かゆみ・肌荒れ) 皮膚のターンオーバーに亜鉛が関与。
創傷治癒の遅れ(傷の治りが悪い) 細胞の修復・再生に亜鉛が必要不可欠。
食欲不振・体重減少 味覚障害による食欲低下が原因となる。

脱毛・薄毛が気になる方は、抜け毛・薄毛の原因(鉄欠乏・甲状腺・亜鉛・AGA)もあわせてご覧ください。

脱毛・薄毛が気になる方は、抜け毛・薄毛の原因(鉄欠乏・甲状腺・亜鉛・AGA)もあわせてご覧ください。

どんな人が亜鉛不足になりやすい?——原因とリスク因子

次のような方は、亜鉛不足のリスクが高まります。

  • 高齢者:食事量が減り、吸収力も低下しやすい
  • 妊娠中・授乳中の女性:胎児・乳児への供給で必要量が増加
  • 成長期の子ども・思春期:急激な成長に多くの亜鉛を消費
  • 胃腸疾患のある方(クローン病・潰瘍性大腸炎など):吸収不良のリスク
  • 糖尿病のある方:尿中への亜鉛排泄が増加する
  • 過度な飲酒習慣のある方:アルコールが亜鉛の吸収を阻害・排泄を促進
  • 偏食・極端なダイエット中の方:摂取量そのものが不足しがち
  • 慢性の肝疾患・腎疾患のある方:代謝異常による亜鉛低下
  • 胃酸を抑える薬(PPIなど)を長期服用している方:亜鉛の吸収が低下することがある
  • 胃酸を抑える薬(PPIなど)を長期服用している方:亜鉛の吸収が低下することがある

亜鉛不足の検査——血液検査(血清亜鉛値)の基準値と受け方

亜鉛不足は血液検査(血清亜鉛値)で正確に診断できます。当院では以下の基準で評価しています。

  • 基準値:男性80〜130μg/dL、女性70〜120μg/dL
  • 軽度不足:基準値下限付近でも症状があれば治療対象
  • 検査方法:朝食前・空腹時に採血(約15分)
  • 結果:当日〜翌日には判明

また、亜鉛不足は糖尿病・肝障害・慢性腎臓病・甲状腺機能低下症などと併発しやすいため、当院では併存疾患のスクリーニングも同時に行います。血清亜鉛値は食事や時間帯の影響を受けるため、朝食前・空腹時での測定が望ましいとされています。

亜鉛の1日の摂取目安量——食事でどれくらい必要か

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、以下の量が推奨されています。

対象 推奨量(1日あたり)
成人男性 約10mg
成人女性 約8mg
妊婦(付加量) +2mg
授乳婦(付加量) +4mg

亜鉛を効率よく摂る食事の工夫——食材と組み立て方

亜鉛は動物性食品に多く含まれ、植物性食品より吸収率が高いのが特徴です。食品ごとの含有量と、1日の目安量に対する割合を表にまとめました。

1日の食事の組み立て方(例)

食事の場面 亜鉛を取り入れる工夫例 亜鉛含有量(目安)
朝食 胚芽米ごはん+納豆(1パック)+卵 約2.5mg
昼食 牛肉入り野菜炒め+豆腐の小鉢 約3.0mg
夕食 魚介(牡蠣・うなぎなど)+野菜たっぷりスープ 約3.5〜5.0mg

ポイント:動物性たんぱく質と植物性食品を組み合わせると、亜鉛の吸収率が高まります。また、発酵食品(納豆・味噌)を積極的に取り入れるのもおすすめです。

亜鉛の多い食品——含有量と1日の目安に対する割合

数値は日本食品標準成分表2020年版(八訂)に基づく概算です。部位・調理法・製品により変動するため、目安としてご覧ください。

食品(1食の目安量) 亜鉛量の目安 1日の目安に対する割合(男性10mg/女性8mgの場合) 取り入れ方のポイント
牡蠣(生・3個 約60g) 約7.9mg 約79%/約99% 含有量が特に多い食品です。加熱調理でも大きくは変わりません。
豚レバー(約80g) 約5.5mg 約55%/約69% レバー類は含有量が多い食品です。ビタミンAも多く含むため食べ過ぎには注意します。
牛もも肉(赤身・約100g) 約4.4mg 約44%/約55% 動物性たんぱく質と一緒に摂れるため、吸収の面で有利とされています。
うなぎ蒲焼(1串 約80g) 約2.2mg 約22%/約28% たんぱく質と脂質を同時に摂れる食品です。
玄米ごはん(1膳 約150g) 約2.1mg 約21%/約26% 精白米より多く含みます。フィチン酸を含むため吸収率はやや低いとされます。
納豆(1パック 約45g) 約0.9mg 約9%/約11% 毎日の食事に取り入れやすい発酵食品です。
カシューナッツ(10粒 約15g) 約0.8mg 約8%/約10% 間食として手軽に補える食品です。塩分の多い味付けは控えめにします。
卵黄(1個分 約17g) 約0.7mg 約7%/約9% 朝食などで手軽にたんぱく質と一緒に摂れます。
プロセスチーズ(1切れ 約20g) 約0.6mg 約6%/約8% カルシウムも多く含みます。カルシウムの大量摂取は亜鉛の吸収に影響する場合があります。
木綿豆腐(約100g) 約0.6mg 約6%/約8% 植物性食品です。肉・魚・卵と組み合わせると吸収の面で有利とされています。

1食で目安量をまかなう必要はありません。1日を通して複数の食品を組み合わせることが現実的です。

亜鉛の吸収をよくする組み合わせ・妨げる組み合わせ

同じ量を摂っても、一緒に食べる食品によって吸収のされ方が変わることがあります。

組み合わせ 内容 理由
一緒に摂りたい 動物性たんぱく質(肉・魚・卵) 亜鉛の吸収を高める方向に働くとされています。
一緒に摂りたい ビタミンCを含む食品(柑橘類・ピーマン・いちごなど) 吸収を妨げる成分の影響をやわらげると考えられています。
一緒に摂りたい クエン酸を含む食品(柑橘類・酢) ミネラルの吸収を助けるとされています。
同時摂取を控えたい 食物繊維・フィチン酸を多く含む食品の大量摂取(未精製の穀類・豆類など) 亜鉛と結合し、吸収を妨げる場合があります。
同時摂取を控えたい 鉄・カルシウムのサプリメントを同時に大量に摂ること 吸収の過程で競合するとされています。服用の時間をずらす工夫が一般的です。
同時摂取を控えたい コーヒー・紅茶・緑茶と同時にサプリメントを摂ること タンニンなどが吸収に影響する場合があるとされています。

通常の食事の範囲では、ここまで神経質になる必要はありません。サプリメントで補う場合に、時間をずらす・空腹時を避けるといった工夫が役立ちます。

食事で足りているかのセルフチェック(3ステップ)

受診やサプリメントの前に、次の3ステップで確認してみてください。

ステップ チェック項目 該当したときの対応
1. 症状 味が分かりにくい・口の中が変な味がする/抜け毛が増えた/口内炎や皮膚のトラブルを繰り返す/疲労感が続く/風邪をひきやすい 複数あてはまる場合はステップ2へ。1つでも2週間以上続く場合は受診をご検討ください。
2. 食事 肉・魚介・卵・大豆製品をほぼ毎日とれているか/欠食や偏った食事が続いていないか/飲酒量が多くないか/極端な食事制限をしていないか 該当が多ければ、加工食品中心の食事や極端な制限を見直します。それでも症状が続く場合はステップ3へ。
3. 検査 食事の見直しでも改善しない/症状が2週間以上続く/糖尿病・腎疾患・肝疾患などの持病や服薬がある 内科で血清亜鉛値を含む血液検査を検討します(保険診療)。持病や服薬がある場合は自己判断でサプリを増やさずご相談ください。

亜鉛不足が疑われるときの受診の目安

亜鉛不足は血液検査(血清亜鉛値)で確認できます。当院では問診と血液検査を行い、必要に応じて保険診療での補充療法を検討します(自由診療は行っておりません)。

  • 味覚の変化や口内炎が2週間以上続く
  • 食事の工夫をしても抜け毛・疲労感が改善しない
  • 糖尿病・腎疾患・肝疾患・甲状腺疾患などの持病がある
  • 妊娠中・授乳中、または妊娠を考えている
  • 鉄剤や他のサプリメントを服用しており、自己判断で調整したくない

当院の診療対象は中学生以上(12歳~)です。小学生以下のお子さまは小児科専門医の受診をおすすめします。

亜鉛サプリの選び方——効果と注意点

食事だけでは十分に摂取できない場合、サプリメントの活用も検討します。ただし、製品の選び方には注意が必要です。

なお、当院は保険診療のみの医療機関であり、サプリメントの販売や特定商品の紹介(アフィリエイト等)は行っておりません。不足が疑われる場合は、自己判断でサプリを増やす前に、血液検査で亜鉛値を確認することをおすすめします。

なお、当院は保険診療のみの医療機関であり、サプリメントの販売や特定商品の紹介(アフィリエイト等)は行っておりません。不足が疑われる場合は、自己判断でサプリを増やす前に、血液検査で亜鉛値を確認することをおすすめします。

良いサプリを選ぶ基準

  • 吸収率の良い形態:グルコン酸亜鉛、酵母由来亜鉛、ピコリン酸亜鉛など
  • 含有量の確認:1日あたり10〜20mg程度が一般的(過剰に注意)
  • メーカーの信頼性:GMP認証など品質管理体制が明示されている製品

サプリメントの注意点

  • 過剰摂取に注意:長期の高用量摂取は鉄や銅の吸収を妨げ、貧血の原因となることがある
  • 服薬中の方は要注意:抗生物質(テトラサイクリン系・キノロン系)や利尿薬との相互作用の可能性
  • 自己判断は避ける:「とりあえずネットで安いものを買う」はおすすめできません

亜鉛の過剰摂取(サプリの飲みすぎ)のリスク・副作用

亜鉛は不足だけでなく、過剰摂取にもリスクがあります。耐容上限量は成人で1日30〜35mgとされています。

  • 急性症状:吐き気・嘔吐・腹痛・下痢(大量摂取時)
  • 慢性症状:銅欠乏による貧血・好中球減少、鉄吸収阻害
  • 免疫機能への影響:過剰な亜鉛はかえって免疫を抑制する可能性

サプリを利用する際は、必ず用法・用量を守り、医師の指導のもとで使用することが安全です。

子供の亜鉛不足——成長への影響(当院は中学生以上が対象)(当院は中学生以上が対象)

成長期の子どもは亜鉛の必要量が多く、不足すると以下のような影響が現れることがあります(当院は中学生以上(12歳~)を診療対象としています。小学生以下の成長が気になる場合は小児科専門医へご相談ください)。

  • 成長障害:身長の伸びが鈍る
  • 味覚障害:偏食・食欲不振の原因に
  • 免疫低下:感染症にかかりやすくなる
  • 集中力の低下:学習面への影響も

子どもが極端な偏食をしている場合や、成長が気になる場合は、一度血液検査での確認をおすすめします。

亜鉛不足で受診すべきケース——何科を受診すればいい?

以下のような場合は、自己判断でのサプリメント追加は避け、必ず医師に相談してください。

  • 持病(腎疾患・肝疾患・糖尿病・甲状腺疾患など)がある
  • 妊娠中・授乳中
  • 他のサプリや薬をすでに服用している
  • 明らかな味覚異常・脱毛・皮膚トラブルがある
  • 子どもの成長が気になる(当院は中学生以上(12歳~)が対象。小学生以下は小児科専門医へ)

亜鉛不足の治療——保険診療での診断・補充療法の流れ

当院では、亜鉛不足が疑われる方に対して以下の流れで診療を行っています。

  1. 血液検査(血清亜鉛値):朝食前・空腹時に採血。基準値は男性80〜130μg/dL、女性70〜120μg/dL。基準値下限付近でも症状がある場合は治療を検討します。
  2. 併存疾患の確認:亜鉛不足は糖尿病・肝障害・慢性腎臓病・甲状腺機能低下症と併発することが多いため、合併症のスクリーニングを同時に行います。
  3. 食事摂取量のヒアリング:偏食・極端なダイエット・過度の飲酒など、亜鉛不足の原因となる生活習慣を確認します。
  4. 治療方針の決定:食事指導を基本とし、必要に応じて亜鉛製剤(ノベルジンなど)を処方。サプリメントの選び方も個別にアドバイスします。

検査時間:約15分(採血のみ)/結果:当日〜翌日

亜鉛不足の治療薬——ノベルジン(亜鉛製剤)

当院で処方するノベルジンは、亜鉛欠乏症に対する治療薬です。保険適用の医療用製剤であり、市販サプリメントとは異なり、品質と用量が厳格に管理されています。

  • 適応:亜鉛欠乏症(血清亜鉛値低下に伴う症状)
  • 特徴:亜鉛の吸収率が高く、亜鉛欠乏症に対する治療薬として用いられています
  • 注意:他のミネラル(鉄・銅)の吸収を妨げることがあるため、服用タイミングの調整が必要です

ノベルジンの詳細な適応・副作用・相互作用については、日本医療情報センター(JAPIC)の情報をご参照ください。

よくある質問(FAQ)

亜鉛不足の症状は?

代表的な症状は、味覚障害(味がしない・薄い・変な味)、脱毛・薄毛、慢性的な疲労感、免疫力の低下(風邪をひきやすい)、皮膚トラブル(湿疹・かゆみ)、創傷治癒の遅れ、食欲不振などです。複数あてはまる場合は血液検査をご検討ください。

どんな人が亜鉛不足になりやすいですか?

高齢者、妊娠中・授乳中の方、成長期のお子さん、胃腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎など)のある方、糖尿病のある方、飲酒量の多い方、偏食や極端なダイエットをされている方、慢性の肝疾患・腎疾患のある方です。

亜鉛不足かどうか、自分でチェックする方法はありますか?

自覚症状(味覚異常・抜け毛・疲労感・免疫力低下など)である程度の目安にはなりますが、正確な診断には血液検査(血清亜鉛値)が必要です。当院では男性80〜130μg/dL、女性70〜120μg/dLを目安に評価し、基準値の下限付近でも症状があれば治療を検討します。

亜鉛不足の血液検査は保険適用ですか?

症状や診察の結果、医師が医学的に必要と判断した場合は保険適用で検査可能です。当院では、亜鉛不足が疑われる症状がある方に対して保険診療で対応しています。

味がしなくなったのは亜鉛不足でしょうか?

味覚障害の原因は亜鉛不足だけでなく、鉄・ビタミンB12不足、副鼻腔炎、薬の副作用(特に降圧薬・抗うつ薬)、口腔内疾患など多岐にわたります。当院では血液検査を含めた総合的な評価で原因を確認します。

亜鉛はどんな食べ物に含まれていますか?

牡蠣(特に豊富)、牛肉(赤身)、レバー、卵黄、カニ・エビなどの甲殻類、納豆・豆腐などの大豆製品、ナッツ類(アーモンド・カシューナッツ)、チーズ、玄米・胚芽米などです。動物性食品の方が吸収率が高いとされています。

亜鉛の1日の摂取目安量はどれくらいですか?

日本人の食事摂取基準では、成人男性で約10mg、成人女性で約8mgが推奨量です(妊婦は+2mg、授乳婦は+4mg)。耐容上限量は成人で1日30〜35mgとされているため、サプリメントを併用する場合はトータル量にご注意ください。

亜鉛サプリはどんなものを選べばいいですか?

吸収率の良い形態(グルコン酸亜鉛・酵母由来亜鉛・ピコリン酸亜鉛など)を選び、含有量は1日10〜20mg程度を目安にしてください。品質管理体制(GMP認証など)が明示された製品を選び、持病や服薬がある方は医師・薬剤師にご相談ください。

市販の亜鉛サプリを飲んでいますが、効果を実感できません。どうすればよいですか?

市販サプリの亜鉛含有量は製品によって大きく異なります。また、そもそも血清亜鉛値が低下していない場合、補充しても変化を実感しにくいものです。当院では血液検査で亜鉛値を確認したうえで、不足の程度に応じた対応をご提案します。

亜鉛を補っても脱毛が止まりません。どうすればよいですか?

脱毛の原因は亜鉛不足だけではありません。甲状腺機能低下症・鉄欠乏性貧血・男性型脱毛症(AGA)・ストレス性脱毛などが併存している可能性があります。当院では内分泌・栄養の観点から総合的に評価し、原因に応じた治療をご提案します。

亜鉛の過剰摂取にはどんなリスクがありますか?

吐き気・嘔吐・腹痛・下痢などの消化器症状や、長期の過剰摂取では銅欠乏による貧血・好中球減少、鉄の吸収阻害などのリスクがあります。耐容上限量(成人30〜35mg/日)を超えないよう注意してください。

子供の亜鉛不足はどんな症状が出ますか?

成長障害(身長の伸びが鈍る)、味覚障害による偏食・食欲不振、免疫力低下による感染症、集中力の低下などがみられることがあります。当院は中学生以上(12歳~)を診療対象としていますので、小学生以下のお子さんは小児科専門医へご相談ください。

亜鉛不足の治療はどのように行いますか?

食事からの摂取を基本とし、不足の程度や症状に応じて保険適用の亜鉛製剤(ノベルジンなど)を処方します。服薬中は経過を確認しながら、鉄・銅など他のミネラルへの影響も含めて定期的に評価します。

糖尿病と亜鉛の関係は?

糖尿病のある方では血清亜鉛値が低い傾向があり、亜鉛不足がインスリン抵抗性に関与する可能性が指摘されています。また、一部の糖尿病治療薬では尿中への亜鉛排泄が増えるとの報告があります。気になる方は受診時にご相談ください。

亜鉛は食事とサプリのどちらで補うべきですか?

基本は食事からの摂取です。肉・魚介類・卵・大豆製品などを毎日組み合わせることで、多くの場合は推奨量に近づけられます。食事だけでは不足が続くと判断された場合に補充を検討します。サプリメントは手軽な一方で、長期・高用量の摂取では銅欠乏など別のミネラル不足を招くことがあるため、量と期間には注意が必要です。治療目的の補充は医師の判断で行います。

亜鉛と鉄を同時に摂ると吸収が悪くなりますか?

鉄と亜鉛は吸収の過程で影響し合うとされ、サプリメントで同時に高用量を摂ると吸収が低下する可能性が指摘されています。通常の食事からの摂取では過度に気にする必要はありませんが、サプリメントで補う場合は服用の時間をずらすなどの工夫が一般的です。鉄剤を処方されている方は受診時にご相談ください。

食事で亜鉛を増やしても味覚障害が改善しない場合はどうすればよいですか?

味覚障害の原因は亜鉛不足だけではありません。薬剤の影響、口腔内の疾患、糖尿病、腎機能の低下、感冒後の味覚・嗅覚の障害なども考えられます。2週間以上続く場合は内科を受診し、血清亜鉛値を含む検査をご検討ください。当院の診療対象は中学生以上(12歳~)です。

主な参考資料:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」(南江堂、2024年5月30日発行)/骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版」(ライフサイエンス出版、2025年7月30日発行)

作成・更新:2026-08-28|本ページは一般的な医学情報の提供を目的としたものです。診断・治療については受診のうえご相談ください。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本循環器学会 循環器専門医/日本老年医学会 老年科専門医・指導医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医

糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。栄養・食事療法のサポートにも力を入れています。

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月・火・木・金 9:00〜12:00 / 14:45〜17:30 土 9:00〜12:00

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診療時間外の緊急時は、119番へのご連絡をおすすめします。

最終更新日:2026-08-28

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

27/04/2025