貧血検査は正常なのに疲れが取れない?フェリチン低値(隠れ鉄欠乏)の症状と対策|船橋市

「貧血じゃない」と言われたのに、なぜこんなに疲れるの?

健康診断や内科受診で「貧血ではありません」と言われたのに、日中の強い疲労感、眠気、倦怠感が取れない——。このようなお悩みを抱える患者さんは少なくありません。

実は、貧血の検査(ヘモグロビン値)は正常でも、貯蔵鉄が不足している「隠れ鉄欠乏」の可能性があります。特に月経のある女性では、軽視されがちですが、生活の質を著しく低下させる重要な問題です。

フェリチン(貯蔵鉄)とは?体内の鉄の貯蔵庫

鉄は、赤血球のヘモグロビンを作る素材として有名ですが、実はエネルギー代謝、免疫機能、体温調節、脳機能にも深く関わっています。

体内の鉄は以下のように分類されます:

  • 機能鉄:ヘモグロビンやミオグロビンとして働いている鉄
  • 貯蔵鉄(フェリチン):肝臓や脾臓に蓄えられ、必要時に使われる鉄の蓄え

貧血検査(ヘモグロビン・ヘマトクリット)は「機能鉄」を見ますが、フェリチン検査は「貯蔵鉄」の残量を示します。貯蔵鉄が少ないと、機能鉄を補充できず、様々な症状が現れます。

フェリチン低値の症状〜「隠れ鉄欠乏」の実態

フェリチンが30 ng/mL未満になると、貧血がなくても以下の症状が現れやすくなります:

代表的な症状

  • 慢性的な疲労感・倦怠感:朝起きてもスッキリしない、日中の強い眠気
  • 冷え性:手足の冷え、体温が上がりにくい
  • 脱毛・髪の質の低下:抜け毛の増加、パサつき、コシのなさ
  • 爪の変化:匙状爪(くぼみができたような爪)、脆弱な爪
  • 集中力・記憶力の低下:頭が働かない、ぼんやりする
  • 異食症:氷を食べたくなる、特定の物を食べたくなる(まれ)

患者さんの声

「血液検査で貧血はないって言われたのに、どうしてこんなに疲れるのか理解できませんでした。フェリチンの検査をしてもらって、やっと原因がわかりました。」(30代女性)

検査基準値〜どの数値が要注意?

一般的な検査基準値と、当院で注視している目安は以下の通りです:

フェリチン値 評価
10 ng/mL未満 鉄欠乏状態:鉄剤治療を積極的に検討
10-30 ng/mL 潜在的鉄欠乏:症状ありの場合は治療を検討
30-100 ng/mL 正常範囲:症状ありの場合は他の原因も検討
100 ng/mL以上 十分な貯蔵鉄

重要なポイント:医療機関によっては「30-100 ng/mLは正常」として治療を勧めない場合がありますが、30未満で疲労症状がある場合は積極的な治療が生活の質改善につながります。

なぜ隠れ鉄欠乏になるの?主な原因

1. 月経による鉄の流失

月経がある女性は、1回の月経で20-40mgの鉄を失います。月経量が多い方や、周期が短い方は特に鉄の流失が大きくなります。

2. 極端なダイエット・食事制限

肉類を極端に控えるベジタリアン・ビーガン食、炭水化物のみの食事、食事の量を極端に減らすダイエットなどにより、鉄の摂取が不足しがちです。

3. 吸収不良

胃切除後、乳製品過剰摂取(カルシウムが鉄の吸収を阻害)、胃酸不足、炎症性腸疾患などにより、摂取した鉄が十分に吸収できない場合があります。

4. 運動による鉄需要の増加

長距離走などの運動をされている方は、足裏の衝撃による溶血や筋肉への鉄需要増加により、フェリチンが低下しやすくなります。

改善方法〜食事とサプリメント

食事療法のポイント

ヘム鉄(吸収率の高い鉄)を積極的に摂る

  • レバー、牛・豚・鶏の赤身肉
  • カキ、あさりなどの貝類
  • 鶏レバーは特に鉄分が豊富(100gで約60mg)

非ヘム鉄の吸収を高める

  • ビタミンCを一緒に摂取(レモン、キウイ、パプリカなど)
  • 鉄分が豊富な野菜(ほうれん草、小松菜)を食べる際は、ビタミンCを添える

鉄の吸収を妨げるものに注意

  • 食事中のコーヒー・紅茶(タンニンが鉄の吸収を阻害)
  • カルシウム過剰摂取(牛乳・乳製品)
  • 鉄分補給とこれらは2時間以上間隔を空ける

サプリメント・鉄剤治療

食事改善だけでは難しい場合、以下を検討します:

  • 一般的な鉄剤:市販の鉄サプリメント(1日15-30mg程度から開始)
  • 医療用鉄剤:フェリチンが10未満や症状が強い場合、処方薬での治療
  • 点滴治療:腸管吸収不良や緊急に改善が必要な場合

注意:鉄剤は自己判断で大量に摂らないでください。鉄過多症(ヘモクロマトーシス)のリスクがあります。必ず医療機関で適切な検査と指導を受けてください。

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院長コメント

内科専門医としての視点

「貧血検査は正常」と言われたからといって、疲労感の原因を見つけられないことは決してありません。フェリチンという貯蔵鉄の指標を見ることで、本当の「鉄の枯渇」がわかります。

特に30-40代の女性では、月経による鉄流失と仕事・育児の両立による疲労が重なり、フェリチン30前後で深刻な倦怠感を訴える方が少なくありません。

当院では、日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医として、エネルギー代謝の観点から鉄状態を評価し、食事指導から薬物治療まで、一人ひとりに合ったアプローチをご提案します。」

監修:下山立志(しもやま たつし)
日本糖尿病学会 糖尿病専門医
日本糖尿病学会 指導医

当院での診療について

しもやま内科では、以下のような方を歓迎して診療しております:

  • 健康診断で「貧血なし」と言われたが疲れが取れない
  • フェリチン値が低いと言われたが、どう対処していいかわからない方
  • 脱毛、冷え性、集中力低下など、多面的な症状でお悩みの方
  • 鉄剤を飲んでいるが副作用(便秘・吐き気)が出て継続できない方

診療の流れ:

  1. 詳細な問診(月経状況、食生活、既往歴など)
  2. 血液検査(フェリチン、鉄、TIBC、ヘモグロビンなど)
  3. 他の原因(甲状腺機能、糖代謝など)との鑑別
  4. 個別化された治療計画の立案

診療時間・予約

電話予約:047-467-5500

診療時間:
月・火・木・金:9:00~12:00 / 14:45~17:30
土:9:00~12:00
水・日・祝:休診

住所:千葉県船橋市芝山4-33-5
最寄駅:高根木戸駅・飯山満駅より徒歩15分(駐車場7台完備)