抜け毛・薄毛の原因と対策|鉄欠乏・甲状腺・亜鉛不足・AGAの検査と治療

「シャンプーのたびに排水口に髪が溜まる」「最近、分け目が気になる」——こんな悩みを抱える方はとても多いです。抜け毛や薄毛の原因は一つではなく、鉄欠乏・甲状腺機能異常・亜鉛不足・AGA・ストレスなど様々です。しかし、これらは血液検査で客観的に評価でき、適切な治療で改善が期待できます。この記事では内科医の立場から、抜け毛の原因を一つひとつ解説し、どんな検査や治療が必要かを詳しくお伝えします。

抜け毛の原因は多様——まずは血液検査でスクリーニング

抜け毛・薄毛の原因は実にさまざま。女性では鉄欠乏性貧血(隠れ貧血)甲状腺疾患が特に多く見られます。男性ではAGA(男性型脱毛症)が最多です。しかし「これだけが原因」とは限らず、複数の要因が重なっていることも珍しくありません。

しもやま内科ではまず血液検査で以下の項目をチェックします:

  • 血算・フェリチン——貧血と貯蔵鉄の評価
  • 甲状腺機能(TSH・FT3・FT4)——橋本病・バセドウ病の有無
  • 血清亜鉛——亜鉛不足の有無
  • ビタミンD・ビタミンB12——必要に応じて
  • 女性ホルモン・男性ホルモン——ホルモンバランスの評価(必要な場合)

原因を特定せずに市販の発毛剤やサプリメントに頼るよりも、まずは正確な診断を受けることが最短ルートです。

① 鉄欠乏性貧血(隠れ貧血)——女性の抜け毛第1の原因

髪の毛の材料はタンパク質ですが、その生成にはが不可欠です。体内の貯蔵鉄(フェリチン)が低下すると、体は「より大事な臓器(心臓・脳など)に鉄を優先的に回そう」とするため、髪の成長が止まり、抜け毛が増えます。

フェリチン値が30ng/mL以下で脱毛リスクが高まり、15ng/mL以下ではほぼ確実に影響が出るとされています。生理のある女性は毎月の月経で鉄を失うため、慢性的に貯蔵鉄が不足しがちです。

こんな症状はありませんか?

  • 以前より抜け毛が増えた
  • 髪が細くなった・コシがなくなった
  • 立ちくらみ・疲れやすい
  • 顔色が悪いとよく言われる
  • 爪が割れやすくなった(スプーン爪)

「貧血ですね」と言われたことがなくても、フェリチンだけが低下している「隠れ貧血」の状態は非常に多く見られます。通常の血液検査(血算)ではわからず、フェリチン測定が必要です。

治療は鉄剤の内服(経口鉄剤)が基本です。吸収を高めるために食間にビタミンCと一緒に服用するのが効果的。フェリチン値が70〜100ng/mL程度まで改善すると、抜け毛の改善を実感し始める方が多いです。

② 甲状腺疾患(橋本病・バセドウ病)

甲状腺ホルモンは毛包の成長サイクルに直接関与しています。甲状腺機能に異常があると、髪の成長が乱れて脱毛が起こります。

甲状腺機能低下症(橋本病)の場合

  • 髪がパサつく・乾燥する
  • 眉毛の外側が薄くなる——特徴的なサインです
  • 全体的に髪の量が減る
  • むくみ・体重増加・寒がり・倦怠感を伴うことも

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の場合

  • 髪が細く柔らかくなる
  • 抜け毛が増える
  • 動悸・手の震え・汗が多い・暑がりを伴うことも

しもやま内科は甲状腺疾患の専門医療機関です。血液検査(TSH・FT3・FT4・甲状腺抗体)で正確に評価し、必要があれば抗甲状腺薬や甲状腺ホルモン補充療法を行います。甲状腺の治療を始めると、数ヶ月で髪の状態が改善することも多くあります。

③ 亜鉛不足——見逃されがちなミネラル不足

亜鉛は毛母細胞の分裂やタンパク質合成に必要なミネラルです。血清亜鉛値が低いと、髪の成長が停滞し抜け毛が増えます。

亜鉛が不足しやすい方:

  • 偏食・ダイエット中の方
  • お酒をよく飲む方(アルコールが亜鉛の吸収を阻害)
  • 胃腸の弱い方(吸収不良)
  • 高齢者

亜鉛を多く含む食品:牡蠣(特に含有量が多い)・牛肉(赤身)・ナッツ類・卵黄・カニ・レバー。食事で十分摂れていない場合はサプリメントも選択肢ですが、過剰摂取(1日40mg以上)は銅欠乏を招くため、医師の指導のもとで行いましょう。

④ AGA(男性型脱毛症)・FAGA(女性男性型脱毛症)

AGA(Androgenetic Alopecia)は男性ホルモン(テストステロン)が5αリダクターゼという酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、毛包に悪影響を及ぼすことで生じます。男性では生え際の後退や頭頂部の薄毛が特徴的です。

FAGA(Female AGA)は女性の男性型脱毛症で、分け目が徐々に広がるパターンが典型的。更年期以降に女性ホルモンが減少すると目立つことが多いです。

AGA/FAGAの治療は専門医の管理のもとで行われます。当院では必要に応じて皮膚科やAGA専門医と連携します。

⑤ ストレス性脱毛(休止期脱毛)

強いストレスを受けてから2〜3ヶ月後に、大量の髪が一気に抜けることがあります。これは休止期脱毛と呼ばれ、多くの場合、数ヶ月で自然に回復します。しかし半年以上続く場合や、抜け毛が極端に多い場合は他の原因(鉄欠乏・甲状腺など)が隠れている可能性もあるため、血液検査をおすすめします。

⑥ その他の原因

  • 薬の副作用——一部の降圧薬・抗うつ薬・抗てんかん薬・ピルなど
  • 加齢——年齢とともに髪の量は自然に減少します
  • 更年期——女性ホルモン(エストロゲン)の減少が脱毛に関与
  • 自己免疫疾患——円形脱毛症・エリテマトーデスなど
  • 栄養不足全般——極端なダイエット・偏食

抜け毛・薄毛の検査と診断の流れ

しもやま内科では以下の流れで診断を進めます:

  1. 問診——抜け毛のパターン・期間・他の症状・服薬・生活習慣を詳しく伺います
  2. 血液検査——鉄(フェリチン・血清鉄)・甲状腺機能・亜鉛・ビタミン類をチェック
  3. 必要に応じて追加検査——女性ホルモン・自己抗体・甲状腺エコーなど
  4. 診断と治療方針の説明——原因に応じた治療を提案します

治療は原因に基づいて行われます:鉄欠乏なら鉄剤、甲状腺疾患ならホルモン補充や抗甲状腺薬、亜鉛不足なら食事指導やサプリメント。原因が複数重なっている場合はそれぞれにアプローチします。

よくある質問(FAQ)

女性の脱毛(薄毛)の原因で最も多いのは?

女性の脱毛で最も多いのは女性型脱毛症(FAGA)ですが、その他にも鉄欠乏性貧血・甲状腺疾患(橋本病・バセドウ病)・亜鉛不足・ストレス・ホルモンバランスの変化(閉経・産後)・薬剤の副作用など多岐にわたります。当院では血液検査で鉄・亜鉛・甲状腺ホルモンなどを総合的にチェックし、原因を特定します。

脱毛症で病院に行くべきタイミングは?

抜け毛が気になり始めてから3ヵ月以上続く場合、急に毛が抜けた場合、円形脱毛症(10円ハゲ)が広がる場合、脱毛以外の症状(倦怠感・体重減少・冷え)がある場合は受診をおすすめします。早期発見・早期対応が治療効果に大きく影響します。

鉄不足と脱毛の関係は?

鉄はヘモグロビンの材料であると同時に、毛母細胞の分裂に必要な酵素の構成成分でもあります。鉄欠乏状態では毛周期が乱れ、休止期脱毛(成長期に入れず毛が抜ける)が起こります。フェリチン(貯蔵鉄)が40ng/mL以下の方は脱毛リスクが高いとされています。

甲状腺の病気で髪が抜けるのはなぜ?

甲状腺ホルモンは毛包の成長サイクルに直接作用します。橋本病(甲状腺機能低下症)では代謝が低下し毛周期が乱れます。バセドウ病(甲状腺機能亢進症)でも毛が細くなり脱毛が起こります。甲状腺機能が正常化すると多くの場合、脱毛は改善します。

AGA(男性型脱毛症)と女性型脱毛症(FAGA)の違いは?

AGAは男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)が主な原因で、前頭部・頭頂部から進行します。FAGAは女性ホルモンの減少・鉄不足・甲状腺疾患など複合的要因が関与し、頭頂部の全体的な毛のボリュームダウンとして現れることが多いです。治療法も異なるため正確な診断が重要です。

円形脱毛症の原因と治療法は?

原因は自己免疫異常と考えられており、リンパ球が自分の毛包を攻撃することで起こります。ストレスが誘因になることが多いです。治療はステロイド外用・局所注射、接触免疫療法、近年はJAK阻害薬(内服)も使用されます。小さな1〜2ヵ所の脱毛であれば自然治癒することもあります。

産後の抜け毛はどのくらい続く?

産後抜け毛(産後脱毛症)は出産後3〜6ヵ月頃にピークを迎え、通常1年以内に自然に改善します。妊娠中の高エストロゲン状態で成長期が延長されていた毛が、出産後のホルモン急降下で一気に休止期に入るためです。ただし、改善しない場合や他に症状がある場合は甲状腺疾患や鉄欠乏の精査をおすすめします。

脱毛に効くサプリメントは?

鉄・亜鉛・ビオチン・ケラチンなどが毛髪の健康に寄与するとされていますが、効果は個人差が大きく、原因に合った補充が重要です。鉄欠乏がないのに鉄剤を摂取しても効果はなく、過剰摂取は副作用のリスクがあります。まずは血液検査で不足している栄養素を特定し、必要なものだけを適切な量で補充することをおすすめします。

脱毛症は何科を受診すればいいですか?

内科(甲状腺・貧血・亜鉛など全身性の原因精査)、皮膚科(頭皮の状態・円形脱毛症の診断)、AGA専門クリニック(男性型脱毛症の治療)と症状によって適切な診療科が異なります。まずはしもやま内科で血液検査を含めた全身チェックを受け、必要に応じて皮膚科や専門医を紹介します。

生活習慣で脱毛を予防する方法は?

バランスの良い食事(特に鉄・亜鉛・タンパク質を意識)、十分な睡眠(成長ホルモン分泌のため)、ストレス管理、頭皮の清潔保持、過度なヘアスタイリングの回避が基本です。喫煙は毛細血管を収縮させ毛髪の栄養不足を招くため禁煙が推奨されます。

しもやま内科の3専門併設の強み

抜け毛の原因となるホルモン異常や栄養不足は、一つの診療科だけではカバーしきれないことがあります。しもやま内科は甲状腺疾患・糖尿病・循環器内科の3専門を併設しており、内分泌系と循環器系の両面から総合的に診断・治療できる点が大きな強みです。

「甲状腺の治療をしながら、隠れ貧血もチェックする」「亜鉛不足が疑われるので食事指導も行う」——このような複合的なアプローチが可能です。

船橋市芝山のしもやま内科では、抜け毛・薄毛でお悩みの方のための血液検査・診療を行っています。お気軽にご相談ください。

受診のご案内 — 抜け毛・薄毛の診療

抜け毛や薄毛でお悩みの方は、まずは通常の予診で血液検査を受けていただくことをおすすめします。抜け毛の原因は多様ですが、約8割は血液検査で何らかの異常が見つかるとされています。

診療時間:月〜金 9:00〜12:00 / 15:00〜17:30、土 9:00〜12:00

所在地:千葉県船橋市芝山2丁目2-11

TEL:047-467-5500

急を要する症状(急激な抜け毛・地肌の異常など)はお早めにご予約ください。夜間や休日に急に悪化した場合は、船橋市の夜間救急窓口をご利用ください。

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受診をご検討の方、お気軽にご相談ください

月・火・木・金 9:00〜12:00 / 14:45〜17:30 土 9:00〜12:00

047-467-5500

診療時間外・緊急時は、119番へのご連絡もご検討ください

最終更新日:2026-08-28

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

01/11/2025