フレイルって何ですか?
フレイル健診が2020年度から始まりますが、「フレイル」って何でしょうか。
フレイルとは、加齢に伴う様々な臓器機能の変化や予備能力低下によって外的なストレスに対する脆弱性が亢進した状態とされます。
誰でも、歳を重ねるごとに脳や内臓、筋肉の機能が落ちてきます。その結果、日常生活が困難になる、転倒して骨折しやすくなる、入院などで認知症が進みやすくなるなど、従来の健康状態が維持できなくなってしまう状態をいいます。
フレイルのリスク
*血管性認知症に2.7倍なりやすい
*アルツハイマー型認知症に1.2倍なりやすい
*全ての認知症に1.3倍なりやすい
フレイルによってこんなリスクが生まれます。
現在、団塊の世代がこの年代に差し掛かってきています。対策は待ったなしなのです。
フレイル健診で予防
フレイルは、健康な状態と支援や介護が必要となる「要支援・要介護状態」の中間に位置します。フレイルの状態で介入できれば、健康な状態に戻すことが可能とされています。要支援・要介護状態になるのを防ぎ、医療費を含めた社会保障費を減らすためにフレイル健診をすることになったのです。
フレイルの見つけ方
「簡易フレイルインデックス」があります。
次の5つの質問に答えるという簡単なものです。
この合計が3点以上で、フレイルの状態が疑われます。
なお、1点~2点の人はフレイルの一歩手前の「プレフレイル」の状態の疑いがあります。
フレイル健診がみているもの
フレイル健診がみているものは、健康状態、心の健康状態(抑うつ状態かどうか)、ちゃんと食べているか、口腔機能、体重変動がないか、運動能力・転倒のしやすさ、認知機能、喫煙習慣の有無、社会参加できているか、周囲のサポートがどれくらい受けられるかなどです。多方面からその人のリスクを把握していきます。そして、足りない部分を補うようサポートをしていく方向に持っていくと考えられます。
フレイル健診のもたらすもの
お示ししたように、フレイル健診は「メタボ健診」より複雑なものです。多方面のリスク評価のためには多方面からの支援が必要とされるでしょう。
フレイル健診の結果を踏まえて、適切なサービスが提供され、その結果認知症、抑うつ状態、要介護状態になる人を減らし、健康寿命を延ばし、そして社会保障費の削減に結びつけていければ良いと思います。