妊娠高血圧症候群(PE)の予防・管理|症状・検査・降圧薬・産婦人科連携|しもやま内科

このページの要点(患者さん向け)

  • 妊娠高血圧症候群(PE)は妊娠20週以降に発症する高血圧が主体の疾患で、早期発見・早期管理が母子ともに重要です。症状がなくても進行することがあるため、定期的な血圧測定が必要です。
  • 主な症状は頭痛・むくみ・視力障害(チカチカ・かすみ目)。急激な体重増加や右上腹部痛にも注意が必要です。
  • 軽症の場合は安静・減塩・降圧薬で管理。重症の場合は入院・降圧薬静注・早期娩出を検討します。
  • 産婦人科と内科が連携した管理で、母体と赤ちゃんの安全を守ります。重症時はためらわず119番。
  • しもやま内科では循環器専門医が妊娠中の安全な降圧管理と産婦人科連携をサポートし、産後も継続した血圧フォローを行います。

血糖・糖尿病でお悩みの方へ

血糖値(血糖)が高い状態は、妊娠中や不妊治療中に特に注意が必要です。食事療法や運動で改善できない場合は、インスリン治療(注射のお薬)が必要になることもあります。

船橋市のしもやま内科では、血糖測定の指導からインスリン治療まで、産婦人科と連携してサポートします。

▼ 詳細な医療情報(医療従事者向け)

このページの要点

  • 妊娠高血圧(PE/HDP)が疑われたら、まず「重症所見の有無」と「臓器障害」を短時間で評価します。
  • 同日連携(紹介・搬送)を要する“赤旗”を明確化し、外来で迷わない判断軸を整理します。
  • 紹介時に共有してほしい情報(血圧推移・蛋白尿・採血)をチェックリスト化します。

本ページは、産婦人科外来で妊娠高血圧症候群(HDP)のうち、特にPE(preeclampsia)が疑われる状況に遭遇した際に、
「外来でまず何を確認し、どの時点で内科(循環器・腎臓・総合内科)と連携するか」に特化した初期対応メモです。


1. まず最初に確認すること(外来の初動)

① 血圧と症状(重症所見のスクリーニング)

  • 血圧:可能なら複数回測定(安静後の再測定)
  • 症状:強い頭痛、視覚障害(チカチカ/ぼやけ)、上腹部痛/右季肋部痛、息切れ・胸部症状、意識変容
  • 浮腫の増悪、急な体重増加(参考)

② 尿と採血(臓器障害の把握)

  • 尿:蛋白尿(定性/定量が可能なら)
  • 採血:血小板、肝酵素(AST/ALT)、腎機能(Cr)、必要に応じて尿酸・LDH

外来で最も重要なのは、診断名よりも「いま危険な状態かどうか」の見極めです。


2. 同日対応(紹介・搬送)を考える“赤旗(red flags)”

以下は同日連携(高次施設・救急搬送を含む)を強く考える所見です。

  • 著明な高血圧(重症域)または反復して高い
  • 神経症状:持続する強い頭痛、視覚症状、意識変容、けいれん疑い
  • 呼吸器症状:呼吸困難、SpO2低下、肺水腫疑い
  • 上腹部痛/右季肋部痛(肝障害・HELLP疑い)
  • 血小板低下、肝酵素上昇、Cr上昇など臓器障害を示唆
  • 胎児機能不全や母体・胎児の安全に関わる所見が疑われる

※数値の最終判断は各施設の基準に従いますが、「症状+臓器障害」が揃う場合は、
外来で抱えず早期に連携する方が安全です。


3. 「内科連携」を早めに入れるべき場面(搬送ではないが紹介を急ぐ)

  • 血圧が高値で推移し、家庭血圧も含めて評価が必要
  • 蛋白尿や腎機能の変化があり、腎障害の評価が必要
  • 糖尿病・甲状腺疾患・心疾患など合併症があり、全身管理が複雑
  • 降圧治療の適否や薬剤調整を含め、併診が望ましい

4. 外来で患者さんに伝える一言(不安を煽らない説明)

  • 「妊娠中は血圧が変動することがあり、母体と赤ちゃんの安全のために詳しく確認します」
  • 「必要に応じて内科と連携して、安全に経過をみる体制を整えます」
  • 「紹介=重症という意味ではなく、リスクを早めに減らすためです」

5. 紹介時に共有していただきたい情報(チェックリスト)

  • 妊娠週数/分娩予定日
  • 血圧推移(院内・家庭血圧があれば)
  • 症状(頭痛、視覚症状、上腹部痛、呼吸苦など)
  • 尿蛋白(定性/定量)
  • 採血:血小板、AST/ALT、Cr(可能なら尿酸/LDHも)
  • 既往歴・合併症(糖尿病、腎疾患、心疾患、甲状腺疾患など)
  • 内服薬・アレルギー


❓ よくある質問(FAQ)

Q. 外来で最初に確認すべきポイントは?
血圧の再測定(安静後を含む)と症状(頭痛、視覚症状、上腹部痛、呼吸苦など)を確認し、
尿蛋白と採血(血小板、AST/ALT、Crなど)で臓器障害の有無を短時間で把握します。
Q. 同日対応(紹介・搬送)を考える赤旗は?
著明な高血圧、持続する強い頭痛や視覚症状、意識変容、呼吸困難・SpO2低下、
上腹部痛/右季肋部痛、血小板低下や肝酵素上昇、Cr上昇など臓器障害を示唆する所見がある場合は、
同日連携を優先します。
Q. 内科連携を早めに入れるべき場面は?
血圧が高値で推移し家庭血圧も含めた評価が必要な場合、蛋白尿や腎機能変化があり腎障害評価が必要な場合、
合併症を伴い全身管理が複雑な場合は、早めの併診・紹介が有用です。
Q. 紹介時に共有してほしい情報は?
妊娠週数/分娩予定日、血圧推移(院内・家庭)、症状、尿蛋白、
採血(血小板・AST/ALT・Cr)、既往歴・合併症、内服薬・アレルギーを共有いただくと初診が円滑です。

関連リンク

監修:しもやま内科 院長 下山立志(総合内科専門医・糖尿病専門医・循環器専門医・甲状腺専門医)

最終更新日:2026年8月23日

🚨 緊急を要する場合: 妊娠中に急激な頭痛・視力障害・右上腹部痛・血圧急上昇(160/110以上)・意識障害・けいれんがある場合はためらわずに 119番(救急車)へ連絡してください。

❓ よくある質問(FAQ)

Q1. 妊娠高血圧症候群(PE)とは?どんな症状がある?
妊娠高血圧症候群(PE:Preeclampsia)とは、妊娠20週以降に新たに発症する高血圧を主体とする疾患群です。「妊娠高血圧症候群」は以下の4つに分類されます:(1)妊娠高血圧症候群(狭義)=高血圧+蛋白尿 (2)妊娠高血圧=高血圧のみ (3)加重型妊娠高血圧症候群=元々の高血圧に蛋白尿が追加 (4)妊娠高血圧症候群(重症)=高血圧+臓器障害。主な症状:(1)頭痛・めまい (2)むくみ(特に急激な体重増加)(3)視野異常(チカチカ・かすみ目)(4)右上腹部痛 (5)吐き気。症状がないことも多いため、妊娠中の血圧測定が重要です。
Q2. 妊娠高血圧症候群の診断基準・検査方法は?
診断基準(妊娠20週以降):(1)高血圧:収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上 (2)蛋白尿:尿たんぱく0.3g/日以上または尿たんぱく/クレアチニン比0.3以上。重症基準:(1)血圧160/110以上 (2)血小板減少 (3)肝機能障害 (4)腎機能障害 (5)肺水腫 (6)脳卒中症状。主な検査:(1)血圧測定(診察室・家庭)(2)尿検査(蛋白・ケトン)(3)血液検査(血小板・AST/ALT・Cr・尿酸)(4)胎児エコー(胎児発育・羊水量)(5)胎児心拍数モニタリング。妊娠中期以降は毎回の妊婦健診で血圧・尿検査を実施します。
Q3. 妊娠高血圧症候群の原因は?なりやすい人の特徴は?
妊娠高血圧症候群の原因は完全には解明されていませんが、胎盤の形成異常(らせん動脈のリモデリング障害)が根本的なメカニズムと考えられています。リスク因子:(1)初産婦 (2)多胎妊娠 (3)前回の妊娠で発症歴あり (4)慢性高血圧・腎疾患 (5)糖尿病 (6)肥満(BMI 30以上)(7)35歳以上の高年初産 (8)家族歴(母・姉が発症)(9)自己免疫疾患(SLE・APS)(10)体外受精による妊娠。これらのリスクがある方は、妊娠初期から血圧管理・生活指導を行い、発症予防に努めます。
Q4. 妊娠高血圧症候群の治療は?内科でできることは?
妊娠高血圧症候群の治療は、重症度・妊娠週数によって異なります。内科の役割:(1)降圧薬による血圧コントロール(妊娠中安全な薬=αメチルドパ・ラベタロール・ニフェジピン)(2)ACE阻害薬・ARBは禁忌(胎児奇形リスク)(3)腎機能・肝機能・血小板の定期チェック (4)生活指導(減塩・安静・体重管理)。軽症の場合:(1)在宅血圧測定 + 週1〜2回の妊婦健診 (2)安静・減塩指導 (3)経過観察。重症の場合:(1)即時入院 (2)降圧薬の静注 (3)硫酸マグネシウム(子癇予防)(4)早期娩出の検討。
Q5. 妊娠高血圧症候群の予防方法は?
妊娠高血圧症候群の完全な予防は困難ですが、リスクを低減する方法があります:(1)適正体重の維持(妊娠前BMI 25以上の方は減量後妊娠が理想)(2)妊娠中の体重増加を適正範囲に(標準体重の方で10〜13kg)(3)適度な運動(禁忌がない場合、妊娠中の有酸素運動は血圧安定に有効)(4)減塩(1日6g未満が目安)(5)カルシウム摂取(低カルシウム地域では予防効果が報告)(6)低用量アスピリン(ハイリスク妊婦に妊娠12〜16週から投与で発症リスク約20%低下)。ハイリスクの方はかかりつけ医と相談の上、予防策を検討しましょう。
Q6. 妊娠高血圧症候群の赤ちゃんへの影響は?
妊娠高血圧症候群が胎児に与える影響:(1)胎盤機能不全→胎児発育不全(FGR)(2)羊水過少 (3)胎児ジストレス (4)早産(母体の重症化による早期娩出判断)(5)低出生体重 (6)新生児仮死。しかし、適切な管理によりこれらのリスクは大幅に低減できます。早期発見・早期治療が鍵であり、定期的な胎児発育評価・胎盤機能評価を行いながら、母体と胎児の安全なタイミングでの分娩を目指します。重症の場合は母体優先で早期娩出も選択されますが、新生児科と連携した管理が行われます。
Q7. 産婦人科と内科の連携はどう進める?
妊娠高血圧症候群における産婦人科と内科の連携フロー:(1)妊娠初期〜中期:産婦人科が高リスク妊婦をスクリーニング→内科(循環器・腎臓内科)へ紹介 (2)内科での管理:降圧薬の選択・調整、腎機能評価、心血管リスク評価 (3)両科で情報共有:血圧記録・血液検査結果・胎児評価結果を共有 (4)分娩計画の策定:内科合併症を考慮した分娩週数・方法の決定 (5)産後管理:母体の血圧フォロー・薬物調整。当院では循環器専門医が在籍し、妊娠中の安全な降圧管理と産婦人科との連携を円滑に行います。
Q8. 妊娠高血圧症候群は産後も続く?治るの?
妊娠高血圧症候群の多くは産後改善します。経過:(1)産後1〜2週:多くの場合、血圧は徐々に低下 (2)産後6〜12週:ほとんどの症例で血圧正常化。ただし注意点:(1)産後も高血圧が続く方(約20%)は慢性高血圧症として継続治療 (2)妊娠高血圧症候群の既往がある方は将来の高血圧・心血管疾患リスクが約2倍 (3)産後は年1回の血圧チェックと生活習慣管理を推奨。産後6〜12週に内科フォローアップを受診し、血圧の経過を確認することが重要です。
Q9. 妊娠高血圧症候群が疑われたら何科に行く?しもやま内科では?
妊娠高血圧症候群が疑われる場合は、まず産婦人科に相談しましょう。産婦人科から内科紹介がある場合や、元々高血圧の方が妊娠された場合は、内科での血圧管理が重要です。しもやま内科の特徴:(1)院長が循環器専門医・総合内科専門医で、妊娠中の降圧治療に精通 (2)在宅血圧測定の指導・記録管理 (3)産婦人科との連携体制(紹介〜治療方針共有)(4)必要な血液検査・尿検査を同日実施 (5)産後も継続した血圧フォロー。船橋市で妊娠高血圧症候群の管理をお考えの方はお気軽にご相談ください。


連携先情報(電話・FAX)

しもやま内科
電話:047-467-5500
FAX:047-467-7500

※ Web予約のご案内は行っていません。お電話にてご連絡ください。

最終更新日:2026-08-23

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

15/01/2026