内分泌内科

アジソン病(副腎不全)|初期症状・色素沈着・検査・治療・副腎クリーゼ

15/05/2025

このページの要点

  • アジソン病(原発性副腎皮質機能低下症)は、副腎ホルモン(主にコルチゾール・アルドステロン)が不足する病気です。
  • 初期症状は「だるさ」「体重減少」「立ちくらみ」など非特異的で、気づきにくいことがあります。
  • 色素沈着(皮膚や口の中が黒っぽくなる)は重要な手がかりです。
  • 副腎クリーゼは命に関わる緊急状態です。強い嘔吐・下痢、意識がぼんやり、ショックなどは救急受診を検討します。

アジソン病とは?(原発性副腎皮質機能低下症)

アジソン病(Addison病)は、副腎の働きが低下し、生命維持に必要なホルモン(特にコルチゾールアルドステロン)が十分に分泌されなくなる病気です。血圧の維持、血糖の安定、電解質バランスの調整がうまくいかず、全身に症状が現れます。


初期症状(見逃されやすいサイン)

「疲れやすい」「食欲がない」など、よくある不調から始まることが多いのが特徴です。次のような状態が数週間〜数か月以上続く場合は、背景疾患として副腎機能低下を考えます。

  • 全身のだるさ・倦怠感、集中力低下
  • 体重減少・食欲不振
  • 低血圧・立ちくらみ(起立性低血圧)
  • 吐き気・腹痛・下痢などの消化器症状
  • 低血糖(ふらつき、冷汗、強い空腹感)

※風邪・胃腸炎・強いストレスの後に症状が悪化して気づくこともあります。


色素沈着はどこに出る?(アジソン病の重要所見)

アジソン病では、ACTHが増える影響で皮膚や粘膜が黒っぽくなる(色素沈着)ことがあります。日焼けと違って「最近増えた」「いつもと違う」と感じる場合は重要な手がかりです。

  • 手のしわ、肘・膝、関節のしわ
  • 傷あと・圧がかかる部位
  • 口の中(歯ぐき・頬粘膜)など粘膜

主な症状(全体像)

  • 全身のだるさ・倦怠感
  • 体重減少・食欲不振
  • 低血圧・立ちくらみ
  • 皮膚や口の中が黒っぽくなる(色素沈着)
  • 吐き気・下痢
  • 低血糖
  • ナトリウム低下、カリウム上昇(電解質異常)
⚠️ 副腎クリーゼ(アジソン危機)に注意
感染症、強いストレス、外傷、手術、嘔吐・下痢などをきっかけに急激に悪化し、命に関わる状態になることがあります。

  • 強い脱力、意識がぼんやりする
  • 繰り返す嘔吐・下痢で水分が取れない
  • 強い腹痛、発熱、ショック(血圧低下)

上記がある場合は、救急受診を含めて緊急対応が必要です。


原因

多くの場合、自己免疫反応によって副腎が破壊されることが原因です。そのほかに、結核、腫瘍、外傷、感染症などでも起こることがあります。


検査と診断

  • 血液検査(コルチゾール・ACTHの測定)
  • ACTH刺激試験(副腎が刺激に応答するかを確認)
  • 血中ナトリウム・カリウムなど電解質
  • 必要に応じて副腎の画像検査(CTなど)

治療

副腎から出るはずのホルモンを、薬で補うことが治療の基本です。

  • ヒドロコルチゾン(コートリル)などのステロイド内服
  • 必要に応じてフルドロコルチゾン(アルドステロン補充)

また、発熱・けが・手術などストレス時には服薬量を調整する必要があります。自己判断せず、必ず主治医と相談しましょう。


余命(予後)はどう考える?

アジソン病は適切なホルモン補充と自己管理(シックデイルール等)ができれば、日常生活や仕事を続けられる方が多い病気です。一方で、副腎クリーゼを予防できないと重症化のリスクが上がるため、体調不良時の対応定期フォローが重要になります。


しもやま内科の対応

  • 症状と検査(コルチゾール・ACTHなど)に基づく評価
  • 必要時の専門医療機関との連携(精密検査・画像検査等)
  • 診断後の内服調整、体調不良時の対応(シックデイルール)支援

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❓ よくある質問(FAQ)

Q1. アジソン病とはどのような病気ですか?

副腎ホルモン(主にコルチゾール・アルドステロン)が不足する病気で、だるさ・低血圧・色素沈着などの症状がみられます。

Q2. 初期症状はどんなものですか?

だるさ、食欲低下、体重減少、立ちくらみ、吐き気など非特異的な症状から始まることが多いです。風邪や胃腸炎の後に悪化して気づくこともあります。

Q3. 色素沈着はどこに出ますか?

手のしわ、肘・膝、傷あと、圧がかかる部位のほか、口の中(歯ぐき・頬粘膜など)に出ることもあります。

Q4. アジソン病の原因は何ですか?

多くは自己免疫性ですが、結核や腫瘍、外傷、感染症などでも起こることがあります。

Q5. どんな検査で診断されますか?

血液検査(コルチゾール・ACTH)やACTH刺激試験、電解質(ナトリウム・カリウム)などを評価します。必要に応じてCTなど画像検査を行います。

Q6. 治療はどのように行われますか?

不足するホルモンを内服で補います(ヒドロコルチゾン、必要時フルドロコルチゾンなど)。発熱・けが・手術などストレス時は増量が必要になるため、主治医の指導に従います。

Q7. 余命(予後)はどう考えればいいですか?

適切なホルモン補充と体調不良時の対応(シックデイルール)を守れば、日常生活を送れる方が多い病気です。副腎クリーゼを防ぐための自己管理と定期フォローが重要です。

Q8. すぐ救急受診すべき症状はありますか?

強い嘔吐・下痢で水分が取れない、意識がぼんやりする、強い腹痛、ショック(血圧低下)などは副腎クリーゼの可能性があり、救急受診を含めた緊急対応が必要です。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)

しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医

糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

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