このページの要点
- アジソン病(原発性副腎皮質機能低下症)は、副腎ホルモン(主にコルチゾール・アルドステロン)が不足する病気です。
- 初期症状は「だるさ」「体重減少」「立ちくらみ」など非特異的で、気づきにくいことがあります。
- 色素沈着(皮膚や口の中が黒っぽくなる)は重要な手がかりです。
- 副腎クリーゼは命に関わる緊急状態です。強い嘔吐・下痢、意識がぼんやり、ショックなどは救急受診を検討します。
アジソン病とは?(原発性副腎皮質機能低下症)
アジソン病(Addison病)は、副腎の働きが低下し、生命維持に必要なホルモン(特にコルチゾールとアルドステロン)が十分に分泌されなくなる病気です。血圧の維持、血糖の安定、電解質バランスの調整がうまくいかず、全身に症状が現れます。
初期症状(見逃されやすいサイン)
「疲れやすい」「食欲がない」など、よくある不調から始まることが多いのが特徴です。次のような状態が数週間〜数か月以上続く場合は、背景疾患として副腎機能低下を考えます。
- 全身のだるさ・倦怠感、集中力低下
- 体重減少・食欲不振
- 低血圧・立ちくらみ(起立性低血圧)
- 吐き気・腹痛・下痢などの消化器症状
- 低血糖(ふらつき、冷汗、強い空腹感)
※風邪・胃腸炎・強いストレスの後に症状が悪化して気づくこともあります。
色素沈着はどこに出る?(アジソン病の重要所見)
アジソン病では、ACTHが増える影響で皮膚や粘膜が黒っぽくなる(色素沈着)ことがあります。日焼けと違って「最近増えた」「いつもと違う」と感じる場合は重要な手がかりです。
- 手のしわ、肘・膝、関節のしわ
- 傷あと・圧がかかる部位
- 口の中(歯ぐき・頬粘膜)など粘膜
主な症状(全体像)
- 全身のだるさ・倦怠感
- 体重減少・食欲不振
- 低血圧・立ちくらみ
- 皮膚や口の中が黒っぽくなる(色素沈着)
- 吐き気・下痢
- 低血糖
- ナトリウム低下、カリウム上昇(電解質異常)
感染症、強いストレス、外傷、手術、嘔吐・下痢などをきっかけに急激に悪化し、命に関わる状態になることがあります。
- 強い脱力、意識がぼんやりする
- 繰り返す嘔吐・下痢で水分が取れない
- 強い腹痛、発熱、ショック(血圧低下)
上記がある場合は、救急受診を含めて緊急対応が必要です。
原因
多くの場合、自己免疫反応によって副腎が破壊されることが原因です。そのほかに、結核、腫瘍、外傷、感染症などでも起こることがあります。
検査と診断
- 血液検査(コルチゾール・ACTHの測定)
- ACTH刺激試験(副腎が刺激に応答するかを確認)
- 血中ナトリウム・カリウムなど電解質
- 必要に応じて副腎の画像検査(CTなど)
治療
副腎から出るはずのホルモンを、薬で補うことが治療の基本です。
- ヒドロコルチゾン(コートリル)などのステロイド内服
- 必要に応じてフルドロコルチゾン(アルドステロン補充)
また、発熱・けが・手術などストレス時には服薬量を調整する必要があります。自己判断せず、必ず主治医と相談しましょう。
余命(予後)はどう考える?
アジソン病は適切なホルモン補充と自己管理(シックデイルール等)ができれば、日常生活や仕事を続けられる方が多い病気です。一方で、副腎クリーゼを予防できないと重症化のリスクが上がるため、体調不良時の対応と定期フォローが重要になります。
しもやま内科の対応
- 症状と検査(コルチゾール・ACTHなど)に基づく評価
- 必要時の専門医療機関との連携(精密検査・画像検査等)
- 診断後の内服調整、体調不良時の対応(シックデイルール)支援
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❓ よくある質問(FAQ)
Q1. アジソン病とはどのような病気ですか?
副腎ホルモン(主にコルチゾール・アルドステロン)が不足する病気で、だるさ・低血圧・色素沈着などの症状がみられます。
Q2. 初期症状はどんなものですか?
だるさ、食欲低下、体重減少、立ちくらみ、吐き気など非特異的な症状から始まることが多いです。風邪や胃腸炎の後に悪化して気づくこともあります。
Q3. 色素沈着はどこに出ますか?
手のしわ、肘・膝、傷あと、圧がかかる部位のほか、口の中(歯ぐき・頬粘膜など)に出ることもあります。
Q4. アジソン病の原因は何ですか?
多くは自己免疫性ですが、結核や腫瘍、外傷、感染症などでも起こることがあります。
Q5. どんな検査で診断されますか?
血液検査(コルチゾール・ACTH)やACTH刺激試験、電解質(ナトリウム・カリウム)などを評価します。必要に応じてCTなど画像検査を行います。
Q6. 治療はどのように行われますか?
不足するホルモンを内服で補います(ヒドロコルチゾン、必要時フルドロコルチゾンなど)。発熱・けが・手術などストレス時は増量が必要になるため、主治医の指導に従います。
Q7. 余命(予後)はどう考えればいいですか?
適切なホルモン補充と体調不良時の対応(シックデイルール)を守れば、日常生活を送れる方が多い病気です。副腎クリーゼを防ぐための自己管理と定期フォローが重要です。
Q8. すぐ救急受診すべき症状はありますか?
強い嘔吐・下痢で水分が取れない、意識がぼんやりする、強い腹痛、ショック(血圧低下)などは副腎クリーゼの可能性があり、救急受診を含めた緊急対応が必要です。
👨⚕️ この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。