内分泌内科

原発性アルドステロン症

投稿日:01/10/2018 更新日:

原発性アルドステロン症

原発性アルドステロン症

原発性アルドステロン症

薬を飲んでいるのに、治りにくい高血圧の患者さん。もしかすると原発性アルドステロン症かも知れません。

日本には約4000万の高血圧患者さんがいらっしゃいますが、そのうち原発性アルドステロン症は200万人程度(約5%)いると言われています。アルドステロンは、体内にナトリウム(塩分)を貯留することにより血圧を上げるホルモンです。過剰のアルドステロンを片方の副腎だけが作るもの(多くは良性腫瘍の「腺腫」)と両側の副腎が作るもの(多くは副腎の細胞が増えて腫れた「過形成」)の2つがあります。一番共通しておこる症状は血圧が高くなること(高血圧)です。外見では特に異常を認めません。アルドステロンの過剰により血液中のカリウムが低下すると、脱力感、筋力低下、多尿などが起こることがあります。また、多尿、夜間尿がこの病気の初期症状であることがあります。

原発性アルドステロン症は早期から腎障害、心肥大、脳卒中、心筋梗塞、狭心症などの臓器障害を合併しやすい病気です。早期診断早期治療が大切です。

高血圧治療は最初が肝心です。普通の高血圧症と思われていても、実は原発性アルドステロン症だったという症例は意外に多いのです。何となく治療をせず、しっかりと調べましょう。

原発性アルドステロン症は高血圧以外の所見に乏しいです。これまで、原発性アルドステロン症は稀な疾患ですが、高血圧の家族歴のない若年性、重症高血圧で受診し低カリウム血症を示すため、診断は簡単であると信じられていました。

しかし、近年になって認識が変わってきました。初めて受診する高血圧患者さんの5-10%を占める頻度の高い疾患です。高血圧の家族歴あり、中年発症の軽症から中等症で血清カリウム正常例が少なくなく、低レニン性高アルドステロン血症を確認しなければ発見が困難な症例が多いです。そのため、アルドステロンとレニンの同時測定によるスクリーニングが重要になってきました。

日本内分泌学会のガイドラインでは、原発性アルドステロン症は高血圧での頻度が高く臓器障害を合併しやすいため、早期診断早期治療のために原発性アルドステロン症のスクリーニング対象をすべての高血圧としています。

米国内分泌学会のガイドラインでは血圧150/90 mmHgを原発性アルドステロン症のスクリーニング対象に加えられました。

通常の本態性高血圧であれば、生涯降圧療法を継続する必要があるが、原発性アルドステロン症の約半数は外科的治療により高血圧症の治癒が期待できます。一方、原発性アルドステロン症は高血圧発症早期から腎障害、心肥大、脳卒中、冠動脈疾患などの臓器障害を合併しやすいのですが、原発性アルドステロン症の手術療法や抗アルドステロン薬などの治療で、通常療法より臓器保護作用に優れた治療ができるようになりました。

手術の適応外、希望がない場合は抗アルドステロン薬の投与を行います。血圧、血清カリウム値、レニン正常化(安静時 PRA> 1.0ng/mL/hr)を指標に投与量を調節します。

スピロノラクトンはその代謝産物がミネラルコルチコイド受容体拮抗作用を持つため半減期が長く1日1回投与が可能ですが、エプレレノンは半減期が短いため分割投与が望ましいです。通常エプレレノンより治療を開始しますが、糖尿病性腎症を合併している場合やエプレレノンの最大投与量の100mgでコントロールが得られない場合は、スピロノラクトンへ変更します。スピロノラクトンは軽度の女性ホルモン作用を持つため、男性での乳頭痛や女性の生理不順に注意が必要です。

原発性アルドステロン症をご心配されている高血圧の患者さん、ぜひ当院にご相談下さい。

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