ウゴービ(Wegovy®)とは?|効果・副作用・適応・費用・処方できる医療機関

ウゴービ(一般名:セマグルチド)は、GLP-1受容体作動薬に分類される週1回皮下注射の肥満症治療薬です。2023年11月に日本で保険承認されましたが、処方には厳格な施設基準が必要であり、全ての医療機関で対応できるわけではありません。

ウゴービ(Wegovy®)とは?

GLP-1受容体作動薬ウゴービ(Wegovy)のペン型注射薬|肥満症治療薬として使用される週1回注射製剤|しもやま内科(船橋市)

ウゴービ(Wegovy)は、デンマークのノボノルディスク社が開発したGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬です。一般名はセマグルチド(semaglutide)で、同じくノボノルディスク社の糖尿病治療薬「オゼンピック(Ozempic)」と同じ有効成分ですが、肥満症治療に最適化された用量で提供されています。

GLP-1受容体作動薬は、食事を摂取すると分泌される天然のGLP-1ホルモンの働きを模倣し、以下の作用により体重減少を促進します:

  • 視床下部の食欲中枢に作用し、食欲を抑制する
  • 胃内容排出を遅らせ、満腹感を長時間持続させる
  • インスリン分泌を促進し、血糖値を安定化させる
  • グルカゴン分泌を抑制し、脂肪蓄積を抑える

ウゴービの効果|体重減少データ(STEP試験)

ウゴービの有効性は、大規模な臨床試験「STEP(Semaglutide Treatment Effect in People with obesity)プログラム」で検証されています。主な結果を以下にまとめます:

  • STEP 1試験(1,961例):週1回2.4mg投与で、68週間にわたって平均 14.9%の体重減少(プラセボ群は2.4%)を達成。
  • STEP 3試験(肥満症+低カロリー食+運動):平均 16.8%の体重減少が認められました。
  • STEP 5試験(2年間の長期投与):104週間で平均 15.2%の体重減少を持続。長期使用の有効性を確認。
  • STEP 8試験(ウゴービ vs リラグルチド比較):ウゴービ2.4mgの方が、リラグルチド3.0mg(サクセンダ)を上回る体重減少効果を示しました。

体重減少は投与開始から早期に現れ始め、多くの患者で12〜16週目までに顕著な効果が認められます。ただし、効果には個人差があり、食事療法や運動療法との併用が推奨されています。

ウゴービの副作用とその管理

⚠️ 緊急の注意点

ウゴービ投与中に強い腹痛、吐き気が止まらない、嘔吐、下痢などの症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。まれに膵炎や胆嚢疾患のリスクが報告されています。

ウゴービの副作用は主に消化器系に現れ、多くの場合は経過とともに軽減します。

副作用 頻度 管理方法
吐き気 約44% 少量の食事、脂肪分を避ける、用量漸増で軽減
下痢 約30% 水分補給、消化の良い食事、経過観察
嘔吐 約24% 症状が強い場合は医師に相談、投与量調整
便秘 約24% 食物繊維の摂取、水分補給、適度な運動
腹痛 約20% 持続する場合は医師に相談

重大な副作用(まれ):急性膵炎、胆嚢疾患(胆石、胆嚢炎)、甲状腺C細胞腫瘍(動物実験での報告)、重度の胃腸障害。これらの症状が疑われる場合は、119番へのご連絡をおすすめします。

ウゴービの投与方法と用量調節スケジュール

ウゴービは週1回、皮下注射で投与します。消化器系の副作用を軽減するため、以下のように段階的に用量を増やします(用量漸増法):

  • 1〜4週目:0.25mg 週1回(導入期)
  • 5〜8週目:0.5mg 週1回
  • 9〜12週目:1.0mg 週1回
  • 13〜16週目:1.7mg 週1回
  • 17週目以降:2.4mg 週1回(維持用量)

維持用量である2.4mgに到達するまでに約4ヶ月かかります。消化器症状が強い場合は、担当医の判断で増量ペースを調整することもあります。投与は腹部・大腿部・上腕部のいずれかに行い、注射部位は毎回変えることが推奨されています。

ウゴービとオゼンピック・マンジャロ・ゼップバウンドの違い

GLP-1受容体作動薬および関連薬剤の間には、適応症や用量に違いがあります。以下に主要な薬剤を比較します:

薬剤名 有効成分 作用機序 適応 平均体重減少
ウゴービ(Wegovy) セマグルチド GLP-1受容体作動薬 肥満症 約15%
オゼンピック(Ozempic) セマグルチド GLP-1受容体作動薬 2型糖尿病 約5〜7%
マンジャロ(Mounjaro) チルゼパチド GIP/GLP-1二重作動薬 2型糖尿病 約15〜22%
ゼップバウンド(Zepbound) チルゼパチド GIP/GLP-1二重作動薬 肥満症 約20〜22%

ウゴービとオゼンピックは有効成分が同じセマグルチドです。最大の違いは用量適応にあります。オゼンピックは糖尿病治療用に開発され、最大週1回1.0mgまでですが、ウゴービは肥満治療用に週1回2.4mgまで投与可能です。

マンジャロとゼップバウンドはチルゼパチド(GIP/GLP-1二重作動薬)で、より高い体重減少効果が期待されています。当院では2型糖尿病患者様にマンジャロを処方可能です。ゼップバウンドの詳細はゼップバウンドの解説ページをご参照ください。

ウゴービの保険適応と費用

ウゴービは2023年11月に日本で「肥満症」に対する保険診療として承認されました。保険診療でウゴービを使用できるのは、厳格な施設基準を満たした医療機関に限られます。自由診療(自費診療)として処方する医療機関もありますが、当院では自由診療は行っておりません。保険診療の範囲内での治療についてご相談ください。

保険診療の場合

  • 適応条件:BMI 35以上で肥満症と診断され、医学的に治療が必要と判断された方
  • 自己負担額(3割負担の例):1ヶ月あたり約10,000〜15,000円(薬剤費の一部)
  • 処方医療機関:厚生労働省が定める施設基準を満たした病院・クリニックに限られる

自由診療(自費)の場合

  • 費用の目安:1ヶ月あたり30,000〜50,000円程度
  • BMI要件を満たさない方や、施設基準を満たさないクリニックでも処方が可能
  • 保険適用外のため全額自己負担

保険診察での処方をご希望の場合、まずは肥満症の確定診断が必要です。また、美容目的での使用は保険診療では認められていません

保険診療で使える医療機関(施設基準)

ウゴービを保険診療で処方するには、以下の施設要件を満たす必要があります:

  • 肥満症治療の実績があること
  • 生活習慣改善指導・栄養食事指導の体制が整っていること
  • 関係学会の定める指針に従い、適正に使用する体制があること

これらの要件を満たす医療機関は全国でも限られており、すべてのクリニックで処方が可能なわけではありません。

当院の対応について

しもやま内科(船橋市)は、糖尿病・生活習慣病の専門クリニックとして、GLP-1受容体作動薬に関する豊富な診療経験があります。しかしながら、ウゴービの処方に必要な施設基準を満たしていないため、当院でのウゴービ処方はできません

ただし、保険診療でのウゴービ治療をご希望の方には、船橋市立医療センター「肥満症治療薬外来」へのご紹介が可能です。まず当院で診察を受けていただき、医学的な必要性を判断した上で、紹介状を発行いたします。

また、2型糖尿病を合併している方で、減量も期待したい場合には、マンジャロ(チルゼパチド)の処方など、当院で対応可能な治療法についてもご相談いただけます。

ウゴービの適応条件(保険診療)

保険診療でのウゴービ処方は、以下の条件をすべて満たす必要があります:

  • BMI 35以上の肥満症と診断されていること
  • 肥満に伴う健康障害(高血圧、糖尿病、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群など)があること
  • 3〜6ヶ月以上の生活習慣改善療法(食事・運動指導)を行っても十分な効果が得られなかったこと

BMI 30以上35未満でも、特定の生活習慣病を合併し、医学的に治療が特に必要と判断される場合には処方が検討されることがありますが、保険診療では厳格な審査が行われます。

📌 高度肥満と睡眠時無呼吸症候群の関係

高度肥満の方では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を合併していることが多く、CPAP治療などによって日中の眠気や代謝異常が改善され、減量しやすくなる可能性があります。

実際、2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドラインでも、SASと肥満の双方向の関連が指摘されています。

SASを治療することで、結果的に体重減少につながる可能性があります。


肥満と睡眠時無呼吸症候群の関係を解説するイラスト|しもやま内科(船橋市)


睡眠時無呼吸症候群(SAS)の詳細を見る

※ CPAP導入の流れや、当院での検査対応について詳しく紹介しています。

ウゴービ中止後のリバウンドについて

ウゴービは長期的な体重管理を目的とした治療薬ですが、いずれかのタイミングで治療を終了する必要があります。ウゴービを中止した場合、中止後1年以内に減量した体重の約3分の2が元に戻るというデータがあります(STEP 4試験の追跡結果)。

リバウンドを最小限に抑えるためには、以下の対策が重要です:

  • 投与中から持続可能な食習慣・運動習慣を身につける
  • 栄養士による食事指導を並行して受ける
  • 減量達成後も維持用量の継続投与が推奨される場合がある
  • 中止後も定期的な体重モニタリングを継続する

よくあるご質問(FAQ)

ウゴービ(Wegovy)とは?

ウゴービは、GLP-1受容体作動薬に分類される肥満症治療薬です。週1回の皮下注射で、食欲を抑制し満腹感を持続させることで体重減少を促進します。2023年11月に日本で保険承認されました。

ウゴービとオゼンピックの違いは?

どちらも有効成分は同じセマグルチドですが、ウゴービは肥満症治療用に週1回2.4mgまでの高用量が設定されているのに対し、オゼンピックは2型糖尿病治療用で最大1.0mgです。適応も異なります。

ウゴービの効果は?体重はどのくらい減る?

STEP試験では、週1回2.4mg投与で平均約15%の体重減少が認められています。ただし個人差があり、食事療法・運動療法との併用でより高い効果が期待できます。

ウゴービの副作用は?

主な副作用は吐き気(約44%)、下痢(約30%)、嘔吐(約24%)、便秘(約24%)、腹痛(約20%)などの消化器症状です。重篤な副作用としてまれに急性膵炎や胆嚢疾患が報告されています。

ウゴービは保険適応?

はい、2023年11月から肥満症に対して保険適用されました。ただし、BMI 35以上などの厳格な適応条件と、施設基準を満たした医療機関でのみ保険診療が可能です。

ウゴービの費用は?

保険診療の場合、3割負担で月額約10,000〜15,000円程度です。自由診療の場合は月額30,000〜50,000円程度が目安です(当院では自由診療は行っておりません)。

ウゴービはどこで処方してもらえる?

保険診療の場合は厚生労働省が定める施設基準を満たした医療機関に限られます。自由診療では基準を満たさないクリニックでも処方可能ですが、全額自己負担となります(当院では自由診療は行っておりません)。

ウゴービの適応条件は?

保険診療ではBMI 35以上で肥満症と診断され、肥満関連の健康障害を有し、生活習慣改善療法でも十分な効果が得られなかった方が対象です。

ウゴービをやめるとリバウンドする?

STEP 4試験では、中止後1年以内に減量した体重の約3分の2が戻るというデータがあります。投与中から持続可能な生活習慣を身につけることが重要です。

ウゴービと食事療法の併用は?

ウゴービは食事療法・運動療法と併用することで最大の効果が得られます。ウゴービ投与中に低カロリー食と運動プログラムを組み合わせたSTEP 3試験では平均16.8%の体重減少を達成しました。

まとめ

  • ウゴービはGLP-1受容体作動薬で、週1回の注射で約15%の体重減少が期待できる肥満症治療薬です。
  • 2023年11月に保険承認されましたが、処方には厳格な施設基準と適応条件があります。
  • 副作用は主に消化器系で、用量漸増により軽減されます。
  • 中止後のリバウンドが報告されており、投与中の生活習慣指導が重要です。
  • しもやま内科では処方できませんが、船橋市立医療センターへのご紹介が可能です。

📌 関連する治療薬のご案内

2型糖尿病の方には、チルゼパチド製剤の
「マンジャロ(Mounjaro)」を処方可能です。

肥満症の治療薬としては、
「ゼップバウンド(Zepbound)」も注目されています。

この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長

日本内科学会 総合内科専門医/
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/
日本甲状腺学会 専門医/
日本循環器学会 専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医

糖尿病・甲状腺疾患の専門医として、GLP-1受容体作動薬および肥満症治療に関する最新のエビデンスを踏まえた診療を行っています。院内でウゴービの処方はできませんが、船橋市立医療センター「肥満症治療薬外来」への適切な紹介経路を確保しています。


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最終更新日:2026-08-28

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

29/04/2023