糖尿病内科

2型糖尿病治療に新たな選択肢「チルゼパチド(マンジャロ)」|週1回で血糖と体重を改善

18/04/2023

チルゼパチド(マンジャロ)―2型糖尿病治療における新たな選択肢

チルゼパチド(tirzepatide)の注射薬を持つ若い女性のイラスト|2型糖尿病および肥満症治療に用いられるGLP-1/GIP受容体作動薬|しもやま内科(船橋市)

チルゼパチドは、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の両受容体に作用する、世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬です。

日本では2023年4月に2型糖尿病治療薬「マンジャロ®皮下注」として承認され、保険診療で使用可能となりました。

週1回の注射で、血糖値と体重の両方に効果

  • 週1回の皮下注射で効果を発揮する長時間作用型。
  • 血糖コントロールの改善:SURPASS-J-MONO試験で、HbA1cが7.0%未満に達した割合が94%以上。
  • 体重減少効果も報告されており、肥満を伴う2型糖尿病の方に適しています。

用法・用量

通常、成人には週1回2.5mgから開始し、4週間ごとに2.5mgずつ増量します。
状態に応じて調整し、最大で週1回15mgまで投与可能です。

保険適用と副作用

  • 対象疾患:2型糖尿病の治療として保険適用。
  • 主な副作用:悪心、嘔吐、下痢、食欲低下などの消化器症状がみられることがあります。
  • 副作用が持続する場合は、医師にご相談ください。

まとめ|新たな選択肢として注目されるチルゼパチド

チルゼパチド(マンジャロ)は、血糖値のコントロールと体重管理を同時にサポートできる2型糖尿病治療薬です。

週1回の投与という利便性もあり、従来の治療で十分な効果が得られなかった方にとって、有力な選択肢となるでしょう。

📌 高度肥満と睡眠時無呼吸症候群の関係

高度肥満の方では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を合併していることが多く、CPAP治療などによって日中の眠気や代謝異常が改善され、減量しやすくなる可能性があります。

実際、2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドラインでも、SASと肥満の双方向の関連が指摘されています。

SASを治療することで、結果的に体重減少につながる可能性があります。


肥満と睡眠時無呼吸症候群の関係を解説するイラスト|しもやま内科(船橋市)


睡眠時無呼吸症候群(SAS)の詳細を見る

※ CPAP導入の流れや、当院での検査対応について詳しく紹介しています。

よくある質問(FAQ)

Q. チルゼパチド(マンジャロ)はどんな薬ですか?
A. GIPおよびGLP-1というホルモンに働きかけ、血糖値と体重を同時に改善する週1回注射の2型糖尿病治療薬です。インクレチン関連薬の一種です。
Q. どんな方がチルゼパチドを使えますか?
A. 保険診療では、2型糖尿病の治療に使用されます。特に肥満を伴う方や、既存のGLP-1受容体作動薬で十分な効果が得られていない方に検討されます。
Q. 副作用にはどのようなものがありますか?
A. 吐き気、下痢、食欲低下などの消化器症状が主に見られます。通常は一時的ですが、長く続く場合は医師にご相談ください。
Q. 毎週通院が必要ですか?
A. チルゼパチドは週1回の自己注射で使用する薬です。使用方法の説明を受けた後は、ご自宅で自己注射することが可能です。

📌 肥満症の治療をご希望の方へ

肥満症の治療薬には、以下のようなGLP-1/GIP受容体作動薬があります:

いずれも最適使用推進ガイドラインに準拠した認可医療機関でのみ保険診療が可能であり、当院では処方できません

ご希望の方には、船橋市立医療センターの肥満症治療薬外来への紹介が可能です。まずは当院へご相談ください。

この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長

日本内科学会 総合内科専門医/
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/
日本甲状腺学会 専門医/
日本循環器学会 専門医/
日本老年医学会 老年科専門医・指導医

糖尿病・甲状腺疾患の専門医として、GIP/GLP-1受容体作動薬に関する最新の知見を踏まえた診療を行っています。


☎ 047-467-5500 に電話して相談する


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