循環器内科

冬の血圧が150前後になる理由と対策|朝の室温・入浴・減塩で下げる方法|循環器専門医

23/11/2022

🔊 このページの要点

  • 冬は寒さで血管が収縮し、血圧が上がりやすくなります(塩分過多・運動不足も影響)。
  • 家庭血圧の基準は135/85mmHg超で高血圧。特に起床後の測定が重要です。
  • 早朝の室温管理、入浴時の脱衣所の保温、減塩・適度な運動・十分な睡眠が実践ポイントです。

「冬になると血圧が150前後まで上がるけれど大丈夫だろうか?」と不安を感じている方へ。

冬に血圧が150前後まで上がるのはなぜ?

寒さにより全身の血管が収縮するため、冬は夏よりも血圧が上がりやすくなります。
運動不足で体重が増えやすいこと、鍋物など塩分の多い食事が増える一方、
発汗が減って塩分が体内に残りやすくなることも、血圧上昇の要因です。

高血圧は心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などのリスクを高めます。
厚生労働省の統計でも、心臓病・脳血管疾患による死亡は
夏に比べて冬(12~3月)に明らかに多く、1月が最多です。

高血圧は自覚症状がほとんどないため、
「たまたま高いだけ」「年齢のせい」と見過ごされがちです。
血圧が高めと言われている方は、定期的な測定で数値を確認することが大切です。

自宅で測定する場合の高血圧の基準

家庭血圧で135/85mmHgを超える場合は高血圧と判断されます。
特に起床後の血圧がこの基準を超える場合、
脳卒中リスクが高くなることが報告されています。

高血圧の治療中かどうかに関わらず、
朝の血圧測定を習慣にしましょう。

冬に特に注意したい生活上のポイント

寒さによる急激な血圧上昇は、心筋梗塞や脳梗塞の引き金になります。
朝の室温低下は
早朝高血圧
の原因となるため、起床前後の室温管理が重要です。
暖房のタイマー設定も有効です。

入浴時は脱衣所も含めて暖かくし、
39~41℃程度のお湯にゆっくり浸かるようにしましょう。
寒い場所から急に熱い湯に入ることは避けてください。

飲酒は一時的に血圧を下げても、
その反動で朝の血圧が上がりやすくなることがあります。
過度な飲酒には注意が必要です。

ウォーキングなどの軽い運動は血圧改善に有効ですが、
冬場は防寒を十分に行い、無理のない範囲で続けましょう。

食事では塩分の摂りすぎに注意し、
麺類の汁を残す、加工食品を控えるなど、
日常的な工夫が血圧管理につながります。

忙しさや精神的な緊張が続くと血圧に悪影響を及ぼします。
意識的に休息を取り、十分な睡眠を確保しましょう。

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食塩とカリウムのバランスを
尿Na/K比
で数値化し、減塩の効果を客観的に確認できます。
目標は2未満(まずは4未満が現実的な目安)

降圧薬を内服している方でも、朝だけ血圧が高くなることがあります。
これは夕方~夜に服用した薬の効果が、早朝に弱まるためです。
薬の種類や服用時間の調整が必要な場合もあるため、
気になる場合は自己判断せず、医師に相談してください。

よくある質問(冬の血圧:150前後の不安)

冬になると血圧が150前後まで上がります。すぐに危険ですか?

冬は寒さで血管が収縮し、普段より血圧が高く出やすい季節です。単発の150だけで直ちに危険と決めつける必要はありませんが、
「繰り返し150前後が続く」場合は、背景に高血圧が隠れていることがあります。

まずは家庭血圧を正しい方法で1〜2週間測り、傾向を確認しましょう。心配な症状がある場合や数値が高い状態が続く場合は、自己判断せずご相談ください。

家庭血圧はいつ、どうやって測ればよいですか?

目安は朝(起床後)夜(就寝前)です。朝は「起床後1時間以内・排尿後・朝食や薬の前」、夜は「入浴や飲酒の直後を避けて」測ります。

  • 背もたれに寄りかかり、足を組まず、1〜2分安静にしてから測定
  • 上腕式の血圧計を推奨(手首式は姿勢でぶれやすい)
  • 1回で決めず、1分ほど間隔を空けて2回測り、メモ(平均でもOK)
受診の目安はありますか?救急を考えるべき症状は?

家庭血圧で135/85mmHgを超える状態が続く場合は、高血圧が疑われます。特に冬は上がりやすいので、まずは測定条件を整えたうえで傾向を見ます。

一方で、次のような症状がある場合は、血圧だけの問題でない可能性もあるため、早めの受診をご検討ください。

  • 胸の痛み・圧迫感、息切れが強い
  • ろれつが回らない、片側の手足のしびれ・麻痺
  • 突然の激しい頭痛、視野が欠ける

※上記が強い場合は緊急対応が必要なことがあります。迷う場合は医療機関へご相談ください。

入浴は血圧に良い?冬の「危ない入り方」はありますか?

入浴自体はリラックスや睡眠の質改善に役立つ一方、冬は寒い脱衣所 → 熱い湯の急変で血圧が大きく動くことがあります。

  • 脱衣所を暖かくする(可能なら小さな暖房)
  • お湯は39〜41℃程度、長湯しすぎない
  • 飲酒後すぐの入浴は避ける
減塩はどれくらい意識すればいいですか?すぐできるコツは?

冬は鍋物・汁物・加工食品が増えやすく、知らないうちに塩分が多くなりがちです。
いきなり完璧を目指すより、「毎日1つ減らす」が続きます。

  • 麺類の汁は残す(これだけでも差が出ます)
  • 漬物・練り物・インスタント食品の頻度を下げる
  • 味付けは「だし・香味・酸味」で満足感を作る

さらに客観的に進めたい方は、尿Na/K比で減塩を“見える化”する方法もあります。

ご相談・受診をご希望の方へ

冬場の血圧上昇や早朝高血圧は、
適切な対応で改善が期待できる状態です。
数値が気になる方、対策に迷っている方はお気軽にご相談ください。


☎ 047-467-5500 に電話して相談する

この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長(船橋市)

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
  • 日本甲状腺学会 専門医
  • 日本循環器学会 循環器専門医
  • 日本老年医学会 老年科専門医・指導医

高血圧症、早朝高血圧、血圧の季節変動について、
専門的な視点から診療を行っています。

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