🔊 このページの要点
減塩は、糖尿病性腎臓病(DKD)や高血圧の進行を抑える重要な治療手段です。尿アルブミンやeGFRを確認しながら、
血圧・血糖管理と組み合わせて「続けられる減塩」を目指します。尿Na/K比で塩分バランスを見える化すると、改善が続きやすくなります。
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糖尿病性腎臓病(DKD)が進行すると、最終的に透析が必要になることもあります。
しかし、「減塩」を意識するだけでも、血圧を下げ、腎臓への負担を減らして、腎機能悪化を抑える可能性があります。
このページでは、減塩が重要な理由と、具体的な食事の工夫をわかりやすく解説します。

📘 DKD(糖尿病性腎臓病)を進行させないために
🩺 なぜ「減塩」が大切なの?
DKD(糖尿病性腎臓病)が進行すると、腎臓の働きが低下し、最悪の場合は透析が必要になります。
塩分(ナトリウム)の摂りすぎは、
- 血圧を上げる
- 腎臓に負担をかける
- 腎・血管のリスクを高める
といった影響があり、減塩は腎臓を守る治療の土台になります。
📏 まずは「今の塩分バランス」を測りましょう
食事の工夫だけでなく、尿Na/K比(尿ナトカリ比)検査で
現在の塩分バランスを数値化して把握することが大切です。
目標は概ね2未満(まずは4未満を現実的な到達目安に)を目指します。
よくあるご質問(FAQ)
なぜ減塩がDKD(糖尿病性腎臓病)に重要なのですか?
どのくらいの塩分量に抑えるのが理想ですか?
減塩のコツにはどんなものがありますか?
🍽 1日に摂っていい塩分の目安
| 一般的な成人 | 高血圧や腎症のある人 |
|---|---|
| 7.5g未満(男性) / 6.5g未満(女性) | 6g未満が目標 |
🥫 塩分が多くなりやすい食品例
| 食品 | 1食あたりの塩分量(目安) |
|---|---|
| カップラーメン | 約5〜6g |
| 漬物(小皿) | 約1〜2g |
| 味噌汁1杯 | 約1.2〜2g |
| ハム・ソーセージ | 約1〜2g/本 |
✅ 減塩のコツ
✔ 味付けは「だし」「香味野菜」で工夫
- 昆布・かつおの出汁でうま味を強化
- しょうが、にんにく、ねぎ、しそ、レモンで風味をプラス
✔ 調味料は「かける」より「つける」
- 醤油は料理全体にかけず、「少しつける」がポイント
✔ 「減塩タイプ」を活用しよう
- 減塩醤油・減塩味噌などを選ぶ
✔ 外食や加工品は塩分チェック
- 成分表示を見て、1食の塩分を確認
- スープはなるべく飲まない
💡 こんな工夫もおすすめ
- 味噌汁は「具だくさん」にして、味噌の量を減らす
- 自炊で「出汁生活」に挑戦
- 薄味に慣れるために、段階的に減塩する(例:1週間ごとに少しずつ薄く)
📓 減塩生活のチェックリスト
✅ 外食のスープを残した
✅ 漬物の量を減らした
✅ 減塩調味料を使った
✅ 出汁や香味野菜を活用した
✅ 食品の塩分表示を見た
→ 週に3つ以上チェックがつけば合格!
🔎 尿Na/K比で「今の減塩」を可視化
当院では、尿Na/K比(尿ナトカリ比)検査で塩分バランスを手軽に数値化できます。
目標は2未満(まずは4未満を現実的な目安に)。検査結果をもとに、実行可能な減塩アドバイスをご提案します。
🩺 医師と相談しながら、続けよう!
無理なく、でもしっかりと。あなたの腎臓を守る「減塩」、今日から始めてみましょう。
👨⚕️ この記事の監修医師
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。
腎臓を守る減塩生活、始めませんか?
しもやま内科では、糖尿病と腎症の管理に豊富な経験を持つ医師が、患者さまの生活に寄り添ったアドバイスを行っています。
「続けられる減塩」を一緒に考え、無理なく改善をサポートします。