「急にドキドキして、心臓が止まるんじゃないかと思った」——動悸を訴えて来院される方、本当に多いです。そしてほぼ全員が「これ、心臓の病気ですか?」と心配されます。結論から言うと、動悸の原因の多くは命に関わるものではありません。もちろん中には注意が必要なケースもありますが、まずは正しく調べれば安心できる——という話をします。
先週も30代の女性が来ました。「電車に乗ってるとき急にドキドキして、そのあとクラッとして…心筋梗塞かと思った」と。結果は「期外収縮」という、健康な人にもよくある不整脈。命に別状はなく、「気にしすぎないように」とお伝えして安心して帰られました。
動悸ってどんな感じ?
「ドキドキする」といっても、人によって感じ方は違います。
- 「ドキンッ」と一瞬大きく脈を打つ——期外収縮の可能性。健康な方でも疲れ・睡眠不足・カフェインの取り過ぎで出ます。
- 脈が速くなったり遅くなったりする——心房細動の可能性。ちゃんと調べる必要があります。
- ずっと脈が速い(安静時100以上)——バセドウ病・不安・貧血の可能性。
- 「ドキドキする」と同時に「胸が痛い」「息苦しい」——より詳しい検査が必要です。
大事なのは「どんなときに」「どんなふうに」「どれくらい続くか」を観察すること。スマホのメモでいいので、症状が出たときの状況を記録しておくと診断の助けになります。
動悸の原因——心臓以外も多い
意外かもしれませんが、動悸の原因は心臓だけではありません。よくあるパターンを挙げます:
- 甲状腺の病気(バセドウ病)——甲状腺ホルモンが過剰になると脈が速くなります。手の震え・汗・体重減少を伴うことが多い。
- 貧血——血液が薄いと心臓が頑張って送り出そうとしてドキドキします。
- 不安・パニック——ストレスで自律神経が乱れると動悸として出ることがあります。
- カフェイン・アルコール・タバコ——刺激物の取り過ぎも動悸の原因に。
- 更年期障害——ホルモンバランスの変化が動悸を引き起こすことがあります。
当院では、動悸の原因を調べるために心電図・ホルター心電図・甲状腺採血などを組み合わせて診断します。「何科に行けばいいかわからない」という方も、まずは内分泌・循環器で相談してみてください。
❓ よくある質問
動悸がしたらすぐ病院に行くべき?
すぐに救急車を呼ぶ必要があるのは「動悸と一緒に胸の強い痛みがある」「意識を失いそうになった」「冷や汗が出て息ができない」そんな時です。それ以外の「たまにドキドキする」程度なら、時間があるときに受診すれば大丈夫です。
どんな検査をするの?
まず心電図(10秒)と甲状腺の採血を行います。普段の動悸が不規則な場合はホルター心電図(24時間装着)をおすすめすることもあります。心臓の形や動きを詳しく見たい場合は心エコーも。
カフェインはやめたほうがいい?
動悸が気になる方は、コーヒーやエナジードリンクは控えめにするのが無難です。ただし「コーヒーを飲むと必ず動悸が出る」という明確な関係があるわけでもないので、自分の体調と相談しながら調整してみてください。