✅ 甲状腺のしこり(結節・嚢胞)|まず知っておきたいこと
甲状腺のしこり(結節・嚢胞)は、多くが良性です。一方で、エコー(超音波)で形を確認し、必要に応じて採血や細胞診(FNA)を検討します。
しもやま内科(船橋市)では、採血(TSH/FT3/FT4、必要に応じて自己抗体など)と、医師が必要と判断した場合の甲状腺エコー(当日実施可)で評価し、細胞診が必要な場合は連携医療機関へご紹介します。
受診の相談はお電話でどうぞ(047-467-5500)。
甲状腺のしこり(結節・嚢胞)とは?
甲状腺の「しこり」は、エコーで見つかることが多い所見です。中身が液体成分主体のものは「嚢胞(のうほう)」、固形成分を含むものは「結節」と表現されます。
健診や他院のエコーで指摘されて不安になりやすい一方で、“すぐに危険”とは限りません。まずは「どの検査が必要か」「経過観察でよいか」を整理しましょう。
こんな状況はありませんか?
- 健診やエコーで「甲状腺結節/嚢胞/腺腫様甲状腺腫」などを指摘された
- 首のしこりを触れる、左右差が気になる
- しこりはあると言われたが「経過観察でいいのか」不安
- 家族に甲状腺の病気・甲状腺がんの既往がある
🔎 当院でできること(ポイント)
- 採血(TSH/FT3/FT4、必要に応じて自己抗体など)で甲状腺機能や背景を確認
- 甲状腺エコーは当日実施が可能(医師が必要と判断した場合)
- 穿刺吸引細胞診(FNA)は当院では実施していません。必要時は連携医療機関へご紹介します
実際の外来診療では、「今すぐ精査が必要か」「まずは経過観察でよいか」を、エコー所見・健診結果・症状・ご不安も含めて一緒に決めています。
原因:甲状腺結節はなぜできる?
甲状腺結節の背景はさまざまです。代表例として、腺腫様甲状腺腫(結節性変化)、嚢胞、良性腫瘍、炎症に伴う変化、まれに悪性腫瘍(甲状腺がん)などが含まれます。
重要なのは「原因名の当てはめ」よりも、エコーで形を確認し、必要な検査だけを選ぶことです。
検査:何を調べる?(エコー・採血・細胞診)
1) 甲状腺エコー(超音波)
しこりの評価の中心はエコーです。サイズ、境界、内部の性状(嚢胞成分/充実成分)、石灰化、血流、周囲への広がりなどを確認し、
細胞診(FNA)を検討すべきかを判断します。
2) 採血(TSH/FT3/FT4 など)
しこりそのものの良悪性を“採血だけで”判定することはできませんが、甲状腺機能の異常(亢進/低下)があると評価の流れが変わることがあります。
症状や所見に応じて自己抗体などを追加することがあります。
3) 細胞診(FNA)について
エコー所見とサイズ等からFNAが必要と判断される場合は、連携医療機関へご紹介します。
「すべての結節にFNAが必要」というわけではなく、ガイドラインでもリスク所見に応じた選別が推奨されています。
経過観察:どれくらいの頻度でフォローする?
経過観察の頻度は、エコーの所見(リスク)とサイズ、増大のスピード、症状の有無で変わります。
“一度見つかった=すぐ手術”ではありません。まずは適切に評価し、必要な方だけを段階的に精査します。
- 嚢胞主体で所見が落ち着いている場合:経過観察でよいことが多い
- 充実成分が多い結節や、気になる所見がある場合:FNAや精密評価を検討
- 圧迫症状(飲み込みにくい等)がある場合:治療方針(手術含む)を検討することがあります
🧾 受診のタイミングに迷う方へ(セルフチェック)
「経過観察でよいと言われたが不安」「健診で指摘されたが急ぐべき?」という方のために、
受診の目安を整理できるセルフチェックフォームを用意しました。
※フォームは匿名で、入力内容が当院に送信されることはありません(結果は画面表示のみ)。
(検索が多い)手術後の不安:首の腫れ・重いもの・声の違和感
「甲状腺手術後の注意点」「重いものを持ってよいか」「首の腫れ」「声の違和感」などの検索が多いのは、
術後の経過が個人差が大きく、不安が残りやすいためです。ここでは一般的な“考え方の入口”を整理します。
- 首の腫れ:術後の腫れ・つっぱり感はしばらく残ることがありますが、急に悪化する痛み・発熱・赤みなどがあれば早めに主治医へ
- 重いもの:術式や経過で指示が異なるため、退院時の説明(制限の有無)を優先してください
- 声の違和感:一時的な変化のこともあります。長引く場合は主治医に相談し、必要に応じて評価やリハビリを検討します
さらに詳しく知りたい方は、術前不安の整理ページもご参照ください:
・甲状腺の手術が必要と言われた方へ
(検索が多い)TSH抑制療法とは?いつまで?
TSH抑制療法は、主に甲状腺がんの術後に検討される治療の一つで、目的(再発リスク)や副作用リスク(年齢・心血管/骨など)により
目標や期間は個別化されます。疑問がある場合は、現在の治療目的(目標TSH)を主治医と共有するのが近道です。
甲状腺がん術後のフォローの全体像は、こちらで整理しています:
・甲状腺がん術後・RAI治療後フォローアップ
📚 関連ページ
📞 甲状腺のしこり(結節・嚢胞)が気になる方へ
しこりが見つかっても、落ち着いて段階的に評価すれば大丈夫なことが多いです。
健診結果や他院のエコー結果がある方は、お手元にご用意のうえご相談ください。
📄 参考文献
- American Thyroid Association (ATA) Guidelines: 2015 Management Guidelines for Adult Patients with Thyroid Nodules and Differentiated Thyroid Cancer.
https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/thy.2015.0020 - Japan Association of Endocrine Surgery: Clinical Practice Guidelines for the Management of Thyroid Nodules in Japan (English translation, 2024).
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12186386/