📋 このページの目次
- 🔊 このページの要点
- 主な症状
- 検査・診断の流れ
- TRAb陰性でもバセドウ病の可能性はあります
- バセドウ病の治療 — メルカゾールを中心とした薬物療法
- 抗甲状腺薬の副作用と注意点(無顆粒球症・ANCA関連血管炎)
- 👶 妊娠を希望される方へ|バセドウ病と妊娠の注意点
- バセドウ病と骨粗鬆症の関係
- 【甲状腺クリーゼ(thyroid storm)について】
- 寛解の維持と再発予防(再発時の治療戦略フローチャート)
- 📋 よくある質問(FAQ)
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の症状・診断から、メルカゾール治療、副作用、寛解・再発、妊娠対応まで専門医がわかりやすく解説します。
🔊 このページの要点
- バセドウ病は自己免疫疾患で、メルカゾール(チアマゾール)が治療の第一選択です。多くの場合で甲状腺ホルモンを正常化できます。
- しもやま内科では甲状腺専門医が当日エコー検査を行い、採血結果をその場で丁寧に説明。TRAb陰性の場合も総合判断で対応します。
- メルカゾールの副作用(特に高熱・咽頭痛)は無顆粒球症のサイン。早期発見が重要です。妊娠希望時は薬剤選択に注意が必要です。
- 薬物治療で寛解しても再発率は30〜50%程度。長期フォローと再発時の戦略が大切です。

📍 受診をお考えの方へ
動悸・体重減少・手の震えなどの症状がある方は、ぜひ当院へご相談ください。しもやま内科の特徴は以下の通りです。
- 甲状腺専門医在籍:日本甲状腺学会認定の専門医が診療
- 当日エコー検査可能:予約なしで甲状腺エコーが当日受けられます
- 採血結果の即日説明:TSH・FT4・FT3・TRAbの結果をその場で丁寧に解説
- メルカゾール治療の個別指導:用量調整・副作用管理・長期フォローをしっかりサポート
- 妊娠・不妊治療中の方も対応:薬剤選択から妊娠中の管理まで一貫してフォロー
📍 当院へのアクセス
住所:千葉県船橋市芝山4-33-5
電話:047-467-5500
駐車場:7台完備
主な症状
- 動悸・頻脈
- 手の震え
- 体重減少(食欲があるのに痩せる)
- 発汗過多・暑がり
- イライラ・不眠・疲労感
- 月経異常
- 甲状腺の腫れ(甲状腺腫大)
- 眼球突出(甲状腺眼症の併発)
検査・診断の流れ
当院では、初診当日から検査・説明が可能です。仕事や子育てで忙しい方でもスムーズに受診いただけます。
STEP 1:採血検査
- TSH(甲状腺刺激ホルモン):低値
- FT4・FT3(フリーT4・T3):高値
- TRAb(TSH受容体抗体):バセドウ病の特異的マーカー
STEP 2:甲状腺エコー(当日実施)
バセドウ病では以下の特徴的な所見がみられます。
- 甲状腺のびまん性腫大
- 血流増加(「火の海」のようなエコー像)
- 内部構造の均一化
STEP 3:診断と治療方針の説明
検査結果をもとに、病気の程度(軽症・中等症・重症)、眼症の有無、治療選択肢(薬物・アイソトープ・手術)、妊娠との関係、生活指導を丁寧にお伝えします。
バセドウ病の診断には採血とエコーが重要です。甲状腺の検査について詳しくはこちら
TRAb陰性でもバセドウ病の可能性はあります
TRAbが陰性であっても、臨床的にバセドウ病と診断されることはあります。主な理由は以下の通りです。
- 抗体検出感度の限界(低濃度では陰性になる場合がある)
- 検査タイミング(病初期・軽症例・治療中)
- TRAb以外の因子が関与する非典型例
TRAb陰性時の診断のポイント
- 典型的な甲状腺機能亢進症状(動悸・体重減少・発汗など)
- TSH低値+FT4/FT3高値
- エコーでびまん性腫大・血流増加
- 放射性ヨード摂取率(RI)検査で取り込み率が高い
- 抗甲状腺薬への反応が良好
放射性ヨード摂取率検査(RI検査)の役割
| 疾患 | 放射性ヨード摂取率 | 病態 |
|---|---|---|
| バセドウ病 | 高値 | 過剰なホルモン合成・分泌 |
| 無痛性甲状腺炎 | 低値 | 破壊されたホルモンの放出 |
(出典:日本甲状腺学会 甲状腺疾患診療ガイドライン2022)
バセドウ病の治療 — メルカゾールを中心とした薬物療法
バセドウ病の治療の第一選択は抗甲状腺薬(メルカゾール®=チアマゾール)です(日本甲状腺学会ガイドライン2022)。重症例でも比較的短期間で甲状腺ホルモンを正常化できる有効性が高い薬剤です。
メルカゾールの特徴と使い方
- 作用機序:甲状腺での甲状腺ホルモン合成を阻害
- 初期投与量:症状・甲状腺腫大の程度・FT4値に応じて決定(通常10〜30mg/日程度から開始)
- 効果発現:数週間でFT4・FT3が低下し始め、1〜3ヶ月で正常化する例が多い
- モニタリング:治療開始後1〜2週間ごとに採血(TSH・FT4・FT3、白血球数、肝機能)。その後間隔を空けて定期検査
Block & Replace療法(併用療法)
重症例やホルモン値を早く安定させたい場合に、メルカゾール+ヨウ化カリウム(KI)の併用を行うことがあります。甲状腺ホルモンの急激な変動を抑え、症状の早期改善が期待できます。
治療期間と寛解の目安
通常1〜2年程度の内服で寛解を目指します。TRAbが陰性化し、甲状腺腫が縮小した時点で薬を減量・中止を検討します。ただし、再発率は30〜50%程度とされ、長期的な経過観察が必要です。
抗甲状腺薬の副作用と注意点(無顆粒球症・ANCA関連血管炎)
メルカゾール・PTUともに効果的ですが、稀に重篤な副作用が報告されています。特に注意が必要なのは以下の症状です。
・突然の高熱(38.5℃以上)
・強い咽頭痛(のどの痛み)
・寒気・強い倦怠感
これらは無顆粒球症の可能性があります。白血球が極端に減少し、重症感染症を引き起こす危険な状態です。
症状が出たら、自己判断で薬を中止せず、すぐに医療機関へ連絡・受診してください。
ANCA関連血管炎について
特にPTUで報告が多く、メルカゾールでも稀に発症します。発熱、関節痛、皮疹、血尿、呼吸器症状などがみられます。定期検査と症状観察が重要です。
出典:日本甲状腺学会「バセドウ病診療ガイドライン2022」、関連文献
👶 妊娠を希望される方へ|バセドウ病と妊娠の注意点
- 妊娠前から治療中の方:FT4を正常域またはやや高めで安定させてから妊娠計画を立てましょう。
- 薬剤選択:妊娠初期はメルカゾールの催奇形性リスクを考慮し、プロピルチオウラシル(PTU)への切り替えを検討します。
- 無顆粒球症の注意:PTUにも副作用リスクがあるため、定期的な血球・肝機能チェックが必要です。
- 切り替え時期:妊娠初期にPTUへ、中期以降はメルカゾールに戻すケースもあります(医師判断)。
当院では、妊娠を希望される方への治療相談も承っています。事前にご相談ください。
バセドウ病と骨粗鬆症の関係
甲状腺ホルモンが過剰になると骨吸収が亢進し、骨量が減少しやすくなります。特に高齢者や閉経後女性では骨粗鬆症・骨折リスクが高まります。
- 骨密度低下の進行
- 背中・腰の痛み、身長の縮み
- ビタミンD・カルシウム不足でさらにリスク増大
当院では必要に応じて骨密度測定や骨代謝マーカーの評価を行っています。
【甲状腺クリーゼ(thyroid storm)について】
甲状腺クリーゼ(thyroid storm)の解説はこちら
次のような症状が出たらすぐに受診してください:
- 高熱(39℃以上)
- 非常に強い動悸・息切れ・胸苦しさ
- 意識がぼんやり、錯乱状態
- 下痢が止まらない、極度の倦怠感
寛解の維持と再発予防(再発時の治療戦略フローチャート)
薬物治療で寛解しても、再発率は30〜50%程度と高く、長期的な管理が重要です。完全寛解後も年に1回程度の定期検査(血液・超音波)を推奨します。
再発のリスク因子
- 男性・若年発症(30歳未満)
- TRAb高値で発症
- 甲状腺腫大が著明(特に3度以上)
- 初回治療期間が短い(1年未満)
- 甲状腺眼症の合併
再発時の治療選択肢フローチャート
🔍 ステップ1:再発の確認
症状再燃(動悸・体重減少など)+ 血液検査でFT3・FT4上昇・TSH低下を確認
📋 ステップ2:再発パターンの評価
・症状:軽微(軽度の動悸のみ)
・甲状腺腫大:小
・TRAb:陰性または低値
・症状:中等度
・甲状腺腫大:中等度
・TRAb:陽性(中等度)
・症状:強い
・甲状腺腫大:著明
・TRAb:高値・持続陽性
💊 ステップ3:治療方針の決定
| パターン | 第1選択:薬物再治療 | 第2選択:根治治療検討 |
|---|---|---|
| A(軽度) | ✅ 推奨 低用量メルカゾールで再開(長期療法を視野に) |
▲ 保留 症状が軽ければ根治治療は後回し |
| B(中等度) | ✅ 可能 ただし2〜3年での再再発なら根治治療へ |
✅ 積極検討 特に妊娠希望・副作用歴あり |
| C(高度) | ⚠️ 限定的 一時的な症状コントロールのみ |
✅ 推奨 放射性ヨウ素療法または手術 |
🎯 根治治療の選択基準
- 放射性ヨウ素療法を選択:高齢、合併症あり、手術リスク高い、眼症なしまたは軽度
- 手術を選択:甲状腺腫大が著明、眼症中等度以上、妊娠希望(ヨウ素療法後6〜12ヶ月避妊必要)、悪性腫瘍合併の疑い
当院での再発管理と手術後の対応
- 専門医による長期フォローと個別化された治療選択支援
- 放射性ヨウ素療法・手術が必要な場合は船橋市立医療センター等へ円滑に紹介
- 手術(甲状腺全摘出)後のチラージン(レボチロキシン)補充:生涯にわたる補充療法が必要です。TSH目標値や用量調整は定期採血で決定します。当院で継続管理が可能です。
💡 ポイント:再発は治療失敗ではありません
バセドウ病は自己免疫疾患であり、再発は病気の性質上あり得ることです。大切なのは早期発見と、その時点での最適な治療戦略を立てることです。当院では、再発時も安心してご相談いただける体制を整えています。
📋 よくある質問(FAQ)
バセドウ病は治りますか?
薬物治療で寛解できる例が多いですが、再発リスクもあるため経過観察が重要です。寛解率は治療期間や重症度により30〜50%程度とされています。
検査を受けるには?
当院では当日エコー検査が可能です。電話(047-467-5500)でご予約の上、ご来院ください。採血とエコーを行い、結果をその場で丁寧にご説明します。
バセドウ病でメルカゾールはどれくらいの量を飲みますか?
症状・甲状腺腫大の程度・FT4値に応じて初期量を決定します。通常10〜30mg/日程度から開始し、効果を見ながら調整します。自己判断での増減は絶対に避けてください。
メルカゾールを長期服用すると副作用は出ますか?
稀に無顆粒球症やANCA関連血管炎、肝機能障害、皮疹などが報告されます。特に高熱や咽頭痛が出たらすぐに受診してください。定期的な血液検査で早期発見に努めます。
TRAbが陰性でもバセドウ病と診断されますか?
はい、診断されることがあります。典型的な症状・血液所見・エコー所見・薬への反応などを総合的に判断します。必要に応じてRI検査も行います。
バセドウ病で熱が出たらどうしたらいいですか?
メルカゾール服用中は無顆粒球症の可能性があるため、すぐに受診してください。治療開始前やコントロール不良時にも高熱が出る場合は甲状腺クリーゼの可能性もあります。
Block and Replace療法とは何ですか?
メルカゾールとヨウ化カリウムを併用する治療法です。重症例でホルモンを早く安定させたい場合に用いられることがあります。
バセドウ病の関節痛はメルカゾールの副作用ですか?
メルカゾールやPTUの副作用として関節痛が出る場合があります。ANCA関連血管炎の可能性もあるため、症状が続く場合は受診をおすすめします。
バセドウ病で手術は必要ですか?
薬物治療でコントロールできない場合、繰り返す再発例、高齢者・合併症例、妊娠希望で薬が使いにくい場合などに検討されます。眼症の程度や甲状腺腫大の大きさも判断材料になります。
甲状腺全摘出後、チラージン(レボチロキシン)はどれくらい飲みますか?
生涯にわたって補充が必要です。用量はTSH値や症状、年齢・体重などを考慮して個別に調整します。当院で定期的にフォロー可能です。
バセドウ病は遺伝しますか?
遺伝的素因は関与しますが、必ずしも遺伝病ではありません。家族に甲状腺疾患がある場合は早めの検査をおすすめします。
ストレスはバセドウ病に関係しますか?
ストレスや生活習慣の乱れが発症や再発の一因となる場合があります。規則正しい生活と十分な睡眠を心がけましょう。
妊娠希望でもバセドウ病の治療はできますか?
可能です。妊娠計画に合わせて薬剤を選択し、ホルモン値を安定させてから妊娠を目指します。当院で相談を受け付けています。
服薬中に発熱・喉の痛みが出たら?
無顆粒球症の疑いがあるため、早急に医療機関へ連絡してください。自己判断で薬を中止せず、受診後に指示を仰ぎましょう。
治療期間はどのくらいですか?
通常1〜2年の内服が目安ですが、症例により長期維持療法を選択する場合もあります。再発を繰り返す場合は根治治療(アイソトープや手術)を検討します。
アイソトープ治療は安全ですか?
専門施設で適切に管理され、安全性は確立されています。眼症の有無や年齢、妊娠希望の有無を考慮して選択します。
眼球突出は治りますか?
甲状腺機能が安定すると軽快する場合もありますが、重症例では眼科的加療が必要です。早期の甲状腺治療が重要です。
バセドウ病の再発率はどれくらいですか?
薬物治療中止後の再発率は30〜50%程度とされています。TRAb高値・甲状腺腫大が大きい・若年発症などの場合は再発リスクが高くなります。
📍 バセドウ病のご相談は
しもやま内科では、甲状腺専門医が在籍し、当日エコー検査が可能です。動悸や体重減少、手の震えなどの症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
📞 お電話でのご予約・お問い合わせ
047-467-5500
診療時間:平日 9:00~12:00、14:45~17:30/土曜 9:00~12:00
所在地:千葉県船橋市芝山4-33-5
駐車場:7台完備
📚 関連ページ
- バセドウ病の経過観察・再発予防の詳細(フォローアップページ)
- バセドウ病の眼症治療
- 橋本病とバセドウ病の違い
最終更新日:2026-06-21
👨⚕️ この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。