グラルギンBS(バイオシミラー)|ランタスとの違い|しもやま内科(船橋市)

グラルギンBS(インスリングラルギンバイオシミラー)とは

「先発品と安い後発品、どっちがいいんですか?」——インスリン治療を始める方や、毎月の治療費を気にされている方からよく聞かれる質問です。

グラルギンBSは、インスリングラルギンを有効成分とするバイオシミラー製剤(後発品)です。先発品であるランタスと同じ有効成分・同じ作用メカニズムを持ちながら、薬価が抑えられているため、医療費の負担を軽減したい方にとって有力な選択肢となります。

基礎インスリンとして1日1回の注射で24時間以上持続的に作用し、1型・2型糖尿病いずれの治療にも使用されます。当院(しもやま内科、船橋市)では、患者様の経済状況や治療の継続性を考慮し、グラルギンBSを積極的に提案しています。

先発品(ランタス)との同等性

「後発品は何となく品質が劣るのでは?」という不安をお持ちの方もいらっしゃいます。しかし、バイオシミラーであるグラルギンBSは、先発品のランタスと有効成分(インスリングラルギン)が同一であり、厳格な品質基準・臨床試験を経て国の承認を得ています。

具体的には以下の項目で同等性が確認されています:

  • 有効性:血糖降下作用・HbA1c低下効果に有意差なし
  • 安全性:副作用の発現率・種類に有意差なし
  • 免疫原性:抗インスリン抗体の産生に有意差なし
  • 薬物動態:血中濃度推移・半減期が同等

当院でも多くの患者様にグラルギンBSを使用していますが、先発品から切り替えて効果や安全性に差を実感されたケースはほとんどありません。

バイオシミラーとジェネリックの違い

「バイオシミラー」と「ジェネリック」(後発医薬品)は混同されがちですが、実は明確な違いがあります。

項目 ジェネリック バイオシミラー
対象 化学合成医薬品(低分子) 生物学的製剤(高分子・タンパク質)
同等性の証明 生物学的同等性試験(BE試験) 臨床試験を含む総合的同等性評価
構造 先発品と全く同一の化学構造 有効成分は同一だが、製造工程の違いから完全な同一ではない
価格 先発品の約30〜70% 先発品の約60〜80%
メトホルミン後発品など グラルギンBS、インスリングラルギンBS後発品など

インスリンは生物学的製剤(バイオ医薬品)であるため、後発品は「バイオシミラー」と呼ばれます。ジェネリックのように「全く同じ化合物」ではなく「同等の有効性・安全性を持つ」という位置づけです。

薬価と経済的メリット

グラルギンBSの最大のメリットのひとつは、薬価の安さです。先発品(ランタス)に比べて約20〜30%安い薬価に設定されており、長期内服・長期注射が必要な糖尿病治療では、この差が大きな負担軽減につながります。

  • 1本あたりの薬価差:先発品より数百円安い
  • 月額での差:自己負担3割の場合、月1,000〜2,000円程度の差
  • 年間での差:年間1〜2万円以上の差になることも

「薬代が負担で治療を続けられない」という声は少なくありません。グラルギンBSは、治療の継続性を高める経済的選択肢として重要な役割を果たします。医療費控除や高額療養費制度との併用も含め、詳しくは当院またはお薬局でご相談ください。

ランタスXRとの違い

同じインスリングラルギンでも、ランタスXRは放出制御技術により作用時間を約36時間に延長した製剤です。グラルギンBS(従来のランタスと同等の約24時間)との違いをまとめます。

項目 グラルギンBS ランタスXR
作用時間 約24時間 約36時間
投与頻度 1日1回 1日1回
薬価 低い(バイオシミラー) 高い(先発・長期作用型)
こんな方に コスト重視・標準的な基礎インスリンで十分な方 注射間際に血糖が上がる方・忘れがちな方

トレシーバ・ランタスXRとの比較表

グラルギンBSを含む主な持効型インスリン製剤を比較します。

項目 グラルギンBS ランタスXR トレシーバ
有効成分 インスリングラルギン(バイオシミラー) インスリングラルギンXR インスリンデグルデク
作用時間 約24時間 約36時間 約42時間
投与頻度 1日1回 1日1回 1日1回(半量で隔日も可)
薬価 低い 高い 高い
特徴 経済的。先発品と同等の効果 長時間作用で次の注射まで安定 最長クラスの作用時間。変動の少ない効果

いずれも1日1回の基礎インスリン製剤ですが、作用時間や薬価に違いがあります。どの製剤が最適かは、患者様の血糖コントロール状態やライフスタイルによって異なります。当院では患者様一人ひとりに合わせて最適なインスリンを提案します。

使用上の注意点

グラルギンBSを安全に使用するために、以下の点に注意してください。

  • 用法・用量を守る:1日1回、毎日同じ時間に注射します。自己判断で量を変えないでください。
  • 注射部位のローテーション:腹部・大腿部・上腕などを順番に変え、同じ場所への連続注射を避けてください(脂肪萎縮・脂肪肥厚の予防)。
  • 未使用時の保存:冷蔵庫(2〜8℃)で保存。凍結しないように注意してください。
  • 使用開始後の保存:室温(30℃以下)で4週間以内に使い切ってください。
  • 他のインスリンとの混注:グラルギンBSは他のインスリンと混ぜて注射しないでください。
  • 食事との関係:基礎インスリンなので食事のタイミングに関係なく注射できますが、食前の追加注射(速効型)は医師の指示に従ってください。

副作用

主な副作用とその対処法をご説明します。

  • 低血糖:最も注意すべき副作用。冷汗・動悸・手の震え・眠気・意識障害などの症状が現れた場合は、すぐに糖分(ブドウ糖・砂糖・ジュースなど)を摂取してください。
  • 注射部位反応:発赤・腫れ・かゆみ。多くの場合は一時的で、部位を変えることで軽減できます。
  • 体重増加:インスリン治療全般に見られる作用です。食事療法・運動療法と併用してコントロールします。
  • アレルギー反応:まれに発疹・呼吸困難などのアレルギー症状が現れることがあります。症状が出た場合は直ちに医師に相談してください。

低血糖症状と緊急対応

⚠ 低血糖は緊急対応が必要な症状です

主な症状:冷や汗・動悸・手の震え・強い空腹感・めまい・集中困難・意識がぼんやりする・けいれん・意識喪失

意識がある場合の対応

  1. ブドウ糖(3〜5g)または砂糖(大さじ1杯程度)を摂取
  2. 15分後に再度血糖測定。改善なければ同量を追加摂取
  3. 症状が治まったら、次の食事までバランスよく食べる

意識がない・飲み込めない場合:無理に口に入れず、直ちに救急搬送(119番)。周囲の人に「糖尿病でインスリン注射をしている」と伝えてもらいましょう。グルカゴン注射の処方がある場合は使用してください。

こんな方におすすめ

  • インスリン治療の費用を少しでも抑えたい方
  • 長期的な治療が見込まれるため、経済的な負担を減らしたい方
  • 先発品(ランタス)から特に問題なく治療を継続できている方(医師の指導のもとで切り替え可能な場合があります)
  • 治療費が理由で受診を控えがちな方

他のインスリン製剤

当院では、患者様のライフスタイルや血糖コントロールの目標に合わせて、以下のインスリン製剤もご案内しています。

インスリン製剤の選び方については、インスリン製剤一覧もあわせてご覧ください。

❓ よくある質問

グラルギンBSとは何ですか?
インスリングラルギンのバイオシミラー(後発品)製剤です。先発品ランタスと同じ有効成分を持ち、1日1回の注射で24時間以上持続的に血糖をコントロールします。薬価が先発品より安いため、治療費の負担を軽減できます。
ランタスとグラルギンBSはどう違う?
有効成分や効果・安全性は同等ですが、製造元と薬価が異なります。グラルギンBSはバイオシミラーのため、ランタスより約20〜30%安い薬価です。効果に大きな差はないとされています。
バイオシミラーって安全なの?
安全です。バイオシミラーは先発品と同等の品質・有効性・安全性が確認された上で、厳しい審査基準をクリアして承認されています。当院でも多くの患者様に使用しており、安全性に問題を認めたケースはほとんどありません。
バイオシミラーとジェネリックの違いは?
ジェネリックは化学合成医薬品の後発品で、先発品と全く同じ化学構造を持ちます。バイオシミラーは生物学的製剤の後発品で、有効成分の構造や製造工程が完全に同一とは限りませんが、同等の有効性と安全性が確認されています。インスリンは生物学的製剤なので、後発品はバイオシミラーに分類されます。
薬価はどれくらい安い?
先発品(ランタス)に比べて約20〜30%安くなります。自己負担3割の場合、1本あたり数百円の差になり、年間では1〜2万円程度の負担軽減になることもあります。詳しい金額は処方量や保険の種類によって異なりますので、当院またはお薬局でご確認ください。
ランタスXRとグラルギンBSはどっちがいいの?
どちらが適しているかは患者様の状態によります。コスト重視で標準的な基礎インスリンで十分な方はグラルギンBS、注射間際に血糖が上がりやすい方や注射を忘れがちな方はランタスXRが適している可能性があります。医師と相談して決めましょう。
先発品からグラルギンBSに切り替えても大丈夫?
基本的に問題ありませんが、切り替え後しばらくは普段より少し多めに血糖測定をすることをおすすめします。ごくまれに個人差で効果に違いを感じる場合があります。その場合は元の先発品に戻すことも可能です。必ず医師の指導のもとで切り替えてください。
グラルギンBSはどのくらいの頻度で注射するの?
1日1回、毎日同じ時間に注射します。作用時間は約24時間のため、ほぼ同じ時間帯に注射することで安定した血糖コントロールが期待できます。食事のタイミングに関係なく注射できます。
副作用はある?
主な副作用として低血糖、注射部位反応(発赤・腫れ・かゆみ)、体重増加があります。低血糖は特に注意が必要で、症状(冷や汗・動悸・手の震えなど)が現れた場合はすぐに糖分を摂取してください。アレルギー反応はまれですが、発疹や呼吸困難があれば直ちに医師に相談してください。
トレシーバとグラルギンBSはどう違う?
トレシーバ(インスリンデグルデク)は約42時間、グラルギンBSは約24時間の作用時間です。トレシーバのほうが作用が長く安定していますが、薬価は高くなります。トレシーバは半量で隔日投与という方法も可能です。どちらを選ぶかは血糖の状態や生活パターンによって医師が判断します。
妊娠中や授乳中でも使える?
妊娠中のインスリン治療は、原則として先発品(ランタスなど)が推奨されることが多いです。妊娠中・授乳中・妊娠を計画されている場合は、必ず医師に相談の上で適切なインスリンを選択してください。

まずはご相談ください|しもやま内科(船橋市)

インスリン治療のコストが気になる方はご相談ください

月・火・木・金 9:00〜12:00 / 14:45〜17:30
土 9:00〜12:00(水・日・祝 休診)

☎ 047-467-5500

しもやま内科
千葉県船橋市芝山4-33-5
電話:047-467-5500(FAX:047-467-7500)

最終更新日:2026-08-25

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

25/04/2026