HbA1c (ヘモグロビンエーワンシー)

HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは|糖尿病の長期コントロール指標

HbA1cとは|赤血球と糖化ヘモグロビンの仕組み図|しもやま内科
HbA1cは赤血球内のヘモグロビンがブドウ糖と結合した割合を示します

「先生、HbA1cって何ですか?血糖値と何が違うんですか?」——先日、初診の60代男性患者さんがそう聞かれました。健診で「HbA1cが高い」と言われたそうで、どういう意味かよくわからないと言っていました。

簡単に言うと、HbA1cは「過去1〜2か月の血糖の平均値」です。血糖値はその瞬間の値(例えば今この瞬間の血糖)ですが、HbA1cは「この1〜2か月、ずっと血糖が高かったのか?」を教えてくれる指標です。

HbA1cの仕組みと意義

  • 赤血球内のヘモグロビンがブドウ糖と結合 → グリコヘモグロビン(HbA1c)になる
  • 血糖が高いほどHbA1c割合が増える
  • 赤血球寿命約120日 → HbA1cは過去1〜2か月の平均血糖を示す
  • 血糖値のように1日単位で変動せず、長期的なコントロールが評価できる

先日の患者さんは「朝の血糖は正常なのにHbA1cが高い」と言われたそうで、これは「夜間や食後に血糖が上がっている」可能性があることを意味します。HbA1cは「瞬間」ではなく「平均」を見るので、見逃していた高血糖を発見できるのです。

2025-2026年 目標値の目安(日本糖尿病学会基準)

対象 HbA1c目標 備考
一般成人(合併症予防重視) 7.0%未満 低血糖リスクを考慮
高齢者(75歳以上・健康状態良好) 7.0〜7.5%未満 個別調整
高齢者(認知機能低下・ADL低下) 7.5〜8.0%程度 低血糖回避優先
妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠 6.0%未満(厳格管理) 胎児への影響考慮

※目標は年齢・低血糖リスク・合併症の有無で個別に調整します。先日の患者さんは70歳で元気な方だったので、「7.0%を目指しましょう」とお伝えしました。

HbA1cだけでは見えないこと(beyond HbA1c)

HbA1cは優れた指標ですが、以下は見えにくいため併せて評価します。

  • 血糖変動(食後高血糖・低血糖の頻度)
  • Time in Range(TIR):70-180mg/dLの範囲内時間(CGMで測定)
  • 低血糖リスク(特に高齢者・インスリン使用者)

「HbA1cは正常なのに目がかすむ」——そんな方は、実は食後血糖が急上昇していることがあります。HbA1cだけでなく、詳細な血糖プロファイルも確認しましょう。

詳細はbeyond HbA1cのページをご覧ください。

こんな人はHbA1cが参考になりにくい

  • 貧血・溶血性疾患
  • 腎不全(人工透析中)
  • 妊娠中(赤血球寿命変化)
  • 重度の血糖変動・食後高血糖

→ これらの方はグリコアルブミンやCGMを併用します。先日、貧血の患者さんのHbA1cが低く出たため、グリコアルブミンで確認したところ、実際には血糖コントロールが必要な状態でした。

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04/07/2010