代謝異常に関連する脂肪性肝疾患の2型糖尿病患者における肝脂肪含量に対するルセオグリフロジンの効果:前向きシングルアーム試験(LEAD試験)。
Effect of luseogliflozin on hepatic fat content in type 2 diabetes patients with non-alcoholic fatty liver disease: A prospective, single-arm trial (LEAD trial).
Hepatol Res. 2018 Jul 27. doi: 10.1111/hepr.13236.
目的
代謝異常に関連する脂肪性肝疾患(MASLD)については、薬理学的療法は確立されていない。SGLT2阻害薬であるルセオグリフロジンは、2型糖尿病治療のために開発された。この将来の単一アーム研究の目的は、MASLDを有する2型糖尿病患者における肝脂肪含量および糖化ヘモグロビン(HbA1c)に対するルセオグリフロジンの有効性を評価することである。
方法
MASLDを有する2型糖尿病患者40人をルセオグリフロジン2.5mg /日で24週間治療した。主要エンドポイントは、磁気共鳴画像法(ベースラインからの肝脂肪画分)によって評価されたHbA1cおよび肝脂肪症の変化であった。副次的なエンドポイントは、肝線維症マーカー(線維症-4指標、MASLD線維症スコア、IV型コラーゲン7SおよびWisteria floribundaアグルチニン陽性Mac-2結合タンパク質)を含む代謝および肝機能関連パラメータの変化であった。
結果
ルセオグリフロジンによる24週間の治療後に、HbA1cおよびトランスアミナーゼ活性だけでなく肝脂肪含量も有意に減少した。肝脂肪含量の減少は、アラニンアミノトランスフェラーゼの減少と有意に相関していた。肝線維化マーカーは変化しなかったが、治療後に血清フェリチンレベルが低下し、血清アルブミンが有意に増加した。
結論
ルセオグリフロジンは、MASLDを有する2型糖尿病患者の治療のための有望な新規薬剤になり得る。この無作為化比較試験は、MASLDが併存する2型糖尿病に対するルセオグリフロジンの効果を現すものだ。