糖新生とは?朝の高血糖の原因を専門医が図解 | しもやま内科

糖尿病の治療において、「朝の空腹時血糖が高い」という悩みは非常に多く寄せられます。その原因の一つが「糖新生(とうしんせい)」です。今回は、糖新生のメカニズムと、それを適切にコントロールする方法について解説します。

糖新生とは?朝の高血糖の原因を図解

糖新生(Gluconeogenesis)の基本

糖新生とは、糖質以外の物質からブドウ糖を作り出す代謝のことです。肝臓が主な場所となり、アミノ酸や乳酸、グリセロールなどからブドウ糖を合成します。

通常、食事で摂取した糖質はブドウ糖として血中に取り込まれ、余った分は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられます。しかし、空腹時になると:

  1. まず肝臓のグリコーゲンが分解されてブドウ糖が放出される
  2. グリコーゲンが尽きると、糖新生が活発化してブドウ糖を作り出す

なぜ糖尿病で朝の血糖が高くなるのか

健康な人では、インスリンとグルカゴンのバランス調整により、血糖値は安定して維持されます。しかし糖尿病の場合、インスリンの作用が不十分なため:

  • 糖新生の抑制作用が弱まる
  • 肝臓が過剰にブドウ糖を作り出し続ける
  • 結果として、朝の空腹時血糖が高くなる

これを「夜明け現象」と呼びます。

糖新生を抑える方法

① 夕食の見直し

夕食の糖質量と摂取時間が重要です。就寝前の間食は避け、夕食は寝る3時間前までに済ませるのが理想的です。

② 運動療法

適度な有酸素運動は、インスリン感受性を改善し、糖新生を抑制する効果があります。

③ 薬物治療

メトホルミンなどの薬剤は、肝臓での糖新生を抑制する作用があります。医師の指示に従った適切な薬物治療が効果的です。

糖新生と糖尿病の関係まとめ

糖新生は本来、生命維持に必要な重要な代謝です。しかし糖尿病ではこのメカニズムが過剰に働き、高血糖の原因となります。適切な食事管理、運動、そして必要に応じた薬物治療によって、糖新生を適正にコントロールすることが大切です。

❓ よくある質問

糖新生とは何ですか?
糖新生(とうしんせい)とは、肝臓で糖質以外の物質(アミノ酸や乳酸など)からブドウ糖を作り出す代謝のことです。空腹時に血糖値を維持する重要な仕組みです。
なぜ朝の空腹時血糖が高くなるの?
夜間の絶食中、ブドウ糖が不足すると肝臓で糖新生が活発になります。インスリンが十分に働かない糖尿病の場合、糖新生が抑えられず、朝の血糖値が高くなります(夜明け現象)。
糖新生を抑える方法は?
食事の見直し(夕食の糖質量とタイミング)、運動療法、そして医師の指示に基づく薬物治療(メトホルミンなど)が有効です。
糖新生と糖質制限の関係は?
糖質制限ダイエットでは、糖質摂取が減るため糖新生が活発になります。糖尿病の方が糖質制限をする場合は、医師や栄養士の指導を受けることが重要です。
糖新生が活発になると危険ですか?
糖尿病の方では、糖新生が過剰に活発になると高血糖が悪化し、合併症のリスクが高まります。適切な治療で糖新生を適正に抑えることが大切です。
糖新生はどこで起こりますか?
主に肝臓で起こります。長期間の空腹時には腎臓でも一部行われます。
糖尿病ではなぜ糖新生が問題になるのですか?
インスリン抵抗性やインスリン分泌不足があると、糖新生の抑制が効かなくなり、過剰なブドウ糖が生成されて高血糖が悪化します。
長時間の絶食では糖新生の割合はどう変わりますか?
絶食初期は肝糖原の分解が主ですが、12〜24時間を超えると糖新生が主要な血糖供給源となります。糖尿病の方では、この調整がうまくいかないため高血糖が生じやすくなります。

最終更新日:2026-06-04

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医・糖尿病専門医・循環器専門医・甲状腺専門医

06/03/2026