糖新生とは、糖以外の物質からブドウ糖を作る体の仕組みです。
主に肝臓で行われ、空腹時や夜間に血糖値を一定に保つ重要な役割を担っています。
糖尿病ではこの糖新生が抑えきれず、血糖上昇の原因の一つになります。
糖新生とは(わかりやすく)
糖新生(gluconeogenesis)とは、糖(ブドウ糖)以外の物質からブドウ糖を作る代謝経路です。[1]
主な材料は乳酸・アミノ酸・グリセロールで、食事から糖が供給されない時間帯(空腹時・夜間)に血糖を保つために働きます。[1]
糖新生はどこで起こる?(肝臓が主役、腎臓も重要)
糖新生は主に肝臓で行われます。絶食の初期(およそ18〜24時間)は肝臓が中心で、長時間の絶食では腎臓の寄与が増える、と整理すると理解しやすいです。[1]
実際に、空腹(絶食)条件下での内因性糖産生において、肝臓が80–90%、腎臓が10–20%程度を担うという報告があります(研究デザインにより幅があります)。[2]
肝疾患の患者さんは「朝の血糖だけは良い」ことがあるのはなぜ?
肝臓は空腹時血糖の維持(内因性糖産生)に中心的役割を担います。[1]
そのため、肝機能・肝グリコーゲン量・ホルモン環境(グルカゴン、カテコールアミン等)によって、朝の血糖の出方が左右されます。[3]
糖尿病で「糖新生(肝糖産生)」が問題になる理由
2型糖尿病の病態では、肝臓からの糖放出(hepatic glucose production; HGP)が十分に抑えられないことが、空腹時高血糖の重要因子として説明されています。[3]
また、インスリンがHGPを抑制する作用は、直接作用・間接作用の両面で議論されつつも、「インスリンが肝糖産生を抑制する」点は一貫して整理されています。[4]
[5]
(より新しい俯瞰として、Cell Metabolismの総説も参照になります。)[6]
補足:長時間の絶食では「糖新生の比率」自体が増える
絶食が進むと、内因性糖産生に占める糖新生の割合が増えます。たとえば、健常者で「一晩の絶食後は糖新生が糖産生のおよそ半分、42時間ではほぼ全部に近い」とする古典的データがあります。[7]
このように、肝臓は糖代謝において重要な役割を担っています。
よくある質問(FAQ)
糖新生とは何ですか?
[1]
📞 ご相談の目安(受診のきっかけ)
- 健診や採血で「空腹時血糖が高い」「HbA1cが高い」と言われた
- 朝の血糖が高い・夜間〜早朝の血糖が気になる
- 肝機能異常があり、血糖との関係が気になる
しもやま内科(船橋市)
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👨⚕️ この記事の監修医師
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。
参考文献
- StatPearls: Physiology, Gluconeogenesis (NCBI Bookshelf)
- Cano N. Bench-to-bedside review: Glucose production from the kidney. Crit Care. 2002 (PMC)
- Endotext: Pathogenesis of Type 2 Diabetes Mellitus (PDF)
- Girard J. The inhibitory effects of insulin on hepatic glucose production are both direct and indirect. Diabetes. 2006
- Edgerton DS et al. Insulin can inhibit hepatic glucose production... 2017 (PMC)
- Lewis GF et al. Direct and indirect control of hepatic glucose production by insulin. Cell Metabolism. 2021
- Landau BR et al. Contributions of gluconeogenesis to glucose production in fasting. 1996 (PMC)