不整脈の種類一覧|心房細動・期外収縮・徐脈・頻拍の症状と治療法

「心臓が飛ぶ」「ドキドキする」「脈が遅い」——これらの症状は不整脈によるものかもしれません。不整脈には心房細動・期外収縮・徐脈・上室性頻拍・心室頻拍などさまざまな種類があり、症状・原因・治療法が大きく異なります。このページでは、不整脈の種類を一覧で比較し、それぞれの特徴や危険性を循環器専門医が解説します。

不整脈とは

不整脈とは、心臓のリズムが乱れる状態の総称です。心臓は通常、洞結節(どうけっせつ)というペースメーカーからの電気信号で規則正しく拍動していますが、この電気信号の発生や伝わり方に異常が生じると不整脈が起こります。

不整脈は大きく分けて頻脈(脈が速い)・徐脈(脈が遅い)・期外収縮(脈が飛ぶ)の3つに分類されます。原因となる心臓の病気や重症度に応じて治療法が異なるため、正確な診断が重要です。

不整脈の種類 一覧比較

種類 心拍数 主な症状 危険性 主な治療
心房細動(AF) 頻脈(100〜160) 動悸・息切れ・疲労感 ⚠️ 脳梗塞リスク5倍 抗凝固薬・抗不整脈薬・カテーテルアブレーション
期外収縮(PVC/PAC) 正常(時々飛ぶ) 胸が「ドキッ」とする・脈が抜ける感じ 🟡 良性の場合が多いが、頻発なら精査が必要 生活指導・β遮断薬・カテーテルアブレーション
発作性上室性頻拍(PSVT) 頻脈(160〜220) 突然のドキドキ・胸の不快感 🟡 生命の危険は少ないがQOL低下 カテーテルアブレーション(根本治療)
心房粗動 頻脈(150程度) 動悸・息切れ ⚠️ 心房細動と同様に脳梗塞リスク カテーテルアブレーション・抗凝固薬
心室頻拍(VT) 頻脈(100〜250) 動悸・めまい・失神 🔴 突然死のリスクあり ICD植込み・抗不整脈薬・アブレーション
心室細動(VF) 無効(400〜600) 意識消失・死に至る 🔴 致命的・即座の除細動が必要 AED・ICD
徐脈(洞不全症候群・房室ブロック) 徐脈(40未満) めまい・失神・疲労感 ⚠️ 症状によってはペースメーカーが必要 ペースメーカー植込み
WPW症候群 頻脈発作時 突然の動悸・胸痛 🟡 稀に危険な頻脈に移行 カテーテルアブレーション

主な不整脈の詳細

心房細動(Atrial Fibrillation)

最も頻度の高い不整脈です。心房が細かく震えるように動き、血液がうまく送り出せなくなります。最大の問題は脳梗塞(心原性脳塞栓症)のリスクが約5倍に上昇することです。高血圧・糖尿病・心不全・弁膜症などの基礎疾患がある方に多く見られます。

詳しくは心房細動の解説ページをご覧ください。

期外収縮

健康な方でも一日に数十回程度は見られる一般的な不整脈です。「脈が飛ぶ」「胸がドキッとする」といった症状で気づかれます。良性の場合がほとんどですが、1日に1万回以上出現するなど頻発する場合は、心機能への影響やより危険な不整脈への移行リスクがあるため、精査が必要です。詳しくは動悸が続くときに考えられる原因のページをご参照ください。

徐脈(洞不全症候群・房室ブロック)

脈が異常に遅くなる(1分間に40〜50回以下)状態です。めまい・ふらつき・失神の原因になります。加齢による洞結節の機能低下(洞不全症候群)や、心臓の電気伝導路の障害(房室ブロック)が主な原因です。症状が強い場合はペースメーカーの植込みを検討します。

不整脈の検査方法

  • 心電図(ECG):不整脈の基本的な検査。ただし発作時でないと捉えられない
  • ホルター心電図:24時間連続記録。1日の中での不整脈の頻度や出現パターンを評価。詳しくはホルター心電図のページをご参照ください
  • 心臓エコー:心臓の構造的な異常(弁膜症・心筋症など)の有無を確認
  • イベントレコーダー:数週間〜1ヶ月程度、症状が出た時に記録する検査
  • 電気生理学的検査(EPS):カテーテルで心臓内の電気信号を詳しく調べる検査

不整脈の治療法

  • 抗不整脈薬:リズムを整える薬。種類によって効果と副作用が異なる
  • β遮断薬:心拍数を抑え、動悸を改善
  • 抗凝固薬:心房細動による脳梗塞予防に必須
  • カテーテルアブレーション:不整脈の発生源を焼灼(焼く)する根本治療
  • ペースメーカー:徐脈に対して心臓に電気刺激を送る装置
  • ICD(植込み型除細動器):心室頻拍・心室細動に対してショックでリズムを戻す装置

こんな症状がある場合は受診を

  • 胸が「ドキドキ」「飛ぶ」「抜ける」感覚がある
  • 突然意識が遠のく感じがある
  • めまい・ふらつきが繰り返す
  • 階段を上るだけで動悸がする
  • 脈が異常に遅い(50以下)または速い(100以上)
  • 不整脈に加えて胸痛や息切れがある

⚠️ 緊急性の高い症状

不整脈に伴って意識消失・強い胸痛・激しい息切れがある場合は、119番へのご連絡をおすすめします。

よくあるご質問

Q. 期外収縮は危険ですか?命に関わりますか?

健康な方に時々見られる程度の期外収縮であれば、基本的に良性で心配ありません。ただし、1日に数千回以上出現する場合や、連続して出現する場合、心臓に基礎疾患がある場合は精密検査が必要です。

Q. 不整脈の検査はどのように行いますか?

まずは診察室での心電図検査から始めます。不整脈は出たり消えたりするため、24時間のホルター心電図や、症状が出た時に記録するイベントレコーダーを使うこともあります。心臓の構造を調べる心臓エコーも併せて行います。

Q. 不整脈がある場合、運動は控えたほうがいいですか?

不整脈の種類や重症度によります。良性の期外収縮であれば運動制限は不要です。ただし、心房細動や心室頻拍がある場合は、医師の指導のもとで運動の可否を判断します。

Q. 不整脈とストレスは関係ありますか?

はい、強いストレスや睡眠不足は不整脈(特に期外収縮や心房細動)の誘因になることが知られています。ストレス管理・十分な睡眠・適度な運動が不整脈の予防に役立つことがあります。

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最終更新日:2026-09-09

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

10/09/2026