「血糖値が高い状態が続いているけど、これって身体にどんな影響があるの?」
糖尿病の進行に深く関わる“糖毒性”は、放置するとインスリン分泌を悪化させる「負のスパイラル」に陥ります。
この記事では、糖毒性のメカニズムや膵臓への影響、早期対応の重要性について、図解を交えてわかりやすく解説します。
糖毒性とは何か?
糖毒性とは、高血糖が持続することで、インスリンの分泌機能や働きを悪化させるメカニズムを指します。血糖値が高い状態が続くと、インスリンを分泌する膵β細胞が疲弊し、糖尿病が進行する原因になります。
糖毒性(glucotoxicity)とは、高血糖状態が長く続くことで膵β細胞の機能が低下し、インスリン分泌がさらに悪化する負のスパイラルを指します。
糖尿病では、血糖値が慢性的に高くなりやすく、これが膵臓にとって「毒」となることがあります。膵β細胞がダメージを受けてインスリン分泌が弱まり、結果としてさらに高血糖が悪化する……この悪循環が「糖毒性」です。
糖毒性のメカニズム(図解)
出典:日本糖尿病学会編「糖尿病治療ガイド2024-2025」より改変
糖毒性による影響とは?
影響部位 | 症状・病態 |
---|---|
膵β細胞 | インスリン分泌の低下、細胞アポトーシス |
肝臓 | 糖新生の亢進 |
筋肉 | インスリン抵抗性の増悪 |
脳 | 食欲亢進(満腹中枢の乱れ) |
血管 | 動脈硬化の進行、酸化ストレスの亢進 |
しもやま内科での対応
しもやま内科では、糖毒性の進行を防ぐために、患者さん一人ひとりに応じた治療法を選択しています。食事・運動療法に加え、必要に応じて速やかに薬物療法を導入し、早期の血糖コントロール改善を目指します。
糖毒性を改善するためには
- 高血糖の早期是正(インスリンやGLP-1製剤など)
- 生活習慣の見直し(食事・運動療法)
- 継続的な血糖モニタリング
糖毒性は早期治療で戻せる可能性がある
重要なのは「早めの対応」。血糖値を下げることで、糖毒性による膵β細胞の機能低下を回復できる可能性があります。特に、糖尿病の初期段階やインスリン導入初期では、この「可逆性」が治療方針を左右します。
🩺 糖尿病の治療・相談は専門医へ
糖尿病は自己判断せず、早めの専門的な治療が大切です。
しもやま内科では、糖尿病専門医による診療・生活指導・インスリン治療のサポートを行っております。
船橋市で糖尿病の診断や管理をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本内科学会 総合内科専門医
日本甲状腺学会 専門医 ほか
糖尿病診療において、糖毒性の概念をふまえた早期の血糖是正を重視しています。重症化予防のためにも、まずはご相談ください。
出典・参考文献
- DeFronzo RA, Ferrannini E. Diabetes Care. 1991.
- 日本糖尿病学会 編『糖尿病治療ガイド2024』
- しもやま内科 院内資料(糖尿病教育スライド)