妊娠と甲状腺|橋本病・バセドウ病・TSH・チラーヂン調整を専門医が解説|しもやま内科

妊娠を考えている女性へ ― 甲状腺の状態が妊娠に大きく影響します

妊娠を希望される多くの女性が、以下のような不安を抱えています。

  • TSHが少し高いと言われたけど妊娠できる?
  • 潜在性甲状腺機能低下症と診断されたが大丈夫?
  • 橋本病やバセドウ病があっても赤ちゃんを無事に産める?
  • 流産を繰り返している…甲状腺の影響では?

しもやま内科では、甲状腺疾患の診療に長年取り組んできた院長が、妊娠前から妊娠中・産後まで一貫した専門的な管理を行っています。

このページでは、妊娠と甲状腺の関係をわかりやすく整理し、当院の実際の診療方針もお伝えします。

妊娠前に甲状腺を整えるべき理由

甲状腺ホルモンは赤ちゃんの脳・神経の発達に深く関わります。特に妊娠初期は胎児が自ら甲状腺ホルモンを作れないため、母親の値が非常に重要です。

妊娠前に適切に管理することで、以下のリスクを大幅に低減できます:

  • 不妊
  • 早期流産・習慣流産
  • 妊娠高血圧症候群
  • 胎児発育遅延
  • 早産

妊娠前・妊娠中のTSH目標値(当院基準)

時期 TSH目標値 備考
妊娠前(妊娠希望時) 0.5〜2.0 μIU/mL(特に2.5未満推奨) 最も重要
妊娠初期(〜12週) 0.1〜2.5 μIU/mL 厳格管理
妊娠中期・後期 0.2〜3.0 μIU/mL
産後 0.5〜2.5 μIU/mL 産後甲状腺炎に注意

疾患別の妊娠ガイド

1. 潜在性甲状腺機能低下症と妊娠

最も多くの相談があるケースです。症状がほとんどなくても、妊娠率や流産率に影響します。当院では妊娠希望時点でTSH 2.5以上の方に積極的なチラージン®治療を行っています。

詳細はこちら:潜在性甲状腺機能低下症と妊娠

2. 橋本病と妊娠

適切な管理を行えば多くのケースで順調な妊娠・出産が可能です。詳細はこちら

3. バセドウ病と妊娠

妊娠中の症状変化が大きい疾患です。薬剤選択と用量調整が重要です。詳細はこちら

4. 産後甲状腺炎

出産後1年以内に発症しやすい疾患です。疲労感や動悸、うつ症状が出る場合があり、産後うつとの鑑別も重要です。詳細はこちら

5. PCOSと甲状腺の合併

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と甲状腺機能異常は合併しやすく、相互に影響を及ぼします。両方を同時に管理することで妊娠率の改善が期待できます。詳細はこちら

当院の妊娠希望者向け診療の流れ

  1. 初診時:詳細問診+甲状腺機能検査(TSH、FT4、FT3、TgAb、TPOAb)
  2. 必要に応じて甲状腺エコー検査
  3. 妊娠前の目標値まで調整(通常3〜6ヶ月)
  4. 妊娠成立後は速やかに連絡をいただき、用量を再調整
  5. 妊娠中は月1回の定期フォロー

よくある質問(FAQ)

Q. 妊娠前にチラージンを飲むと胎児に影響しますか?

A. いいえ。むしろ妊娠前に適切に甲状腺ホルモンを整えることは、胎児の脳発達を守るために非常に重要です。妊娠中も安全に使用できる薬です。

Q. TSHが少し高いだけで治療した方がいいですか?

A. 妊娠を希望される場合は、TSHが2.5以上であれば治療をおすすめしています。治療により妊娠率・出産率が改善するという報告が多くあります。

Q. 橋本病でも妊娠・出産はできますか?

A. はい。適切な甲状腺機能の管理を行えば、多くの場合で正常な妊娠・出産が可能です。特に抗体値が高い場合は妊娠前からのコントロールが重要です。

Q. バセドウ病の場合、妊娠中に特に注意することは?

A. 妊娠中は症状が変化しやすいため、定期的な検査と薬の用量調整が重要です。使用する薬剤の選択にも注意が必要です。

Q. 妊娠中も定期的に甲状腺の検査をした方がいいですか?

A. はい。特に妊娠初期は甲状腺機能が変動しやすいため、原則として月1回の検査をおすすめしています。

Q. 産後甲状腺炎になりやすい人はいますか?

A. 特に橋本病の既往がある方や、甲状腺抗体が高い方は産後甲状腺炎を発症しやすい傾向があります。出産後1年以内に注意が必要です。

院長からのメッセージ

妊娠を心から願われるすべての女性に、安心して赤ちゃんを迎えていただきたい。それがしもやま内科の願いです。

甲状腺の数値だけでなく、患者さん一人ひとりの背景や不安に寄り添いながら、最適な治療をご提案いたします。

少しでもご不安がある方は、どうぞ遠慮なくご相談ください。

ご予約について

当院は電話予約のみとなっております。
お電話の際に「妊娠希望の甲状腺の相談」とお伝えいただければ、スムーズに対応いたします。

TEL: 047-467-5500

最終更新日:2026-07-16

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医
糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。

25/01/2026

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