低T3症候群(非甲状腺疾患症候群)とは|症状・診断・治療のポイント【船橋市 しもやま内科】

14/09/2018

しもやま内科(船橋市)甲状腺疾患の診療に力を入れています。
低T3症候群(非甲状腺疾患)は、甲状腺の病気ではなく全身状態に伴う代償反応が原因です。
診断や治療方針に不安がある方、他院からの転院やセカンドオピニオンをご希望の方も、お気軽にご相談ください
船橋市・習志野市・市川市・八千代市など近隣地域からも多くの患者さまにご来院いただいています。

Low T3症候群について

低T3症候群は非甲状腺疾患での代償反応であり、甲状腺ホルモンの補充は不要です。

心不全、腎不全、肝硬変、糖尿病、摂食障害、慢性炎症など全身性の消耗性疾患ではLow T3 syndromeをきたします。エネルギー消費を節約するための生体反応として、T4が非活性型のリバースT3に転換されることによるものです。Nonthyroidal illness; NTIS ,非甲状腺疾患とも呼ばれます。

これには脱ヨウ素酵素活性が関与します。脱ヨウ素酵素とは、T4やT3からヨウ素を取り除く甲状腺ホルモン代謝酵素で、1型、2型、3型が\あります。3型はT4をrT3(リバースT3:非活性の甲状腺ホルモン)に代謝します。非甲状腺疾患では3型が作用して血中のrT3が増加し、T3が減少して低T3症候群となります。 NTISでは、血清T3低値、rT3高値が特徴であり、末梢でのT3産生に関与する1型5’-脱ヨウ素酵素活性の低下と、rT3産生に関与する3型5-脱ヨウ素酵素活性の亢進が報告されています。全身状態の悪化に伴いT4も低下してきますが、原則としてTSHは正常です。この場合は中枢性甲状腺機能低下症との鑑別が必要となります。低T3症候群では甲状腺機能低下症状はなく、原疾患に伴う症候が認められます。甲状腺ホルモンを補充する必要はありません。全身状態が改善すればT3とT4は正常化します。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医
日本循環器学会 循環器専門医
日本老年医学会 老年病専門医・指導医
日本甲状腺学会 甲状腺専門医糖尿病、甲状腺、副腎など内分泌疾患の診療に長年従事し、地域密着型の総合内科医として診療を行っています。