潜在性甲状腺機能低下症

14/09/2018

潜在性甲状腺機能低下症

潜在性甲状腺機能低下症

治療の対象になるのは?

FT4が正常でTSHが高値のものを潜在性甲状腺機能低下症といいますが、副腎不全でも同様の所見になるので注意が必要です。小児や妊婦、甲状腺腫などを除けば、TSH 10マイクロU/ml以上が甲状腺ホルモン補充の対象となります。

潜在性甲状腺機能低下症の頻度は、男性で100人に1人、女性で50人に1人です。潜在性甲状腺機能低下症では、小児や妊婦、甲状腺腫などを除けば、治療のエビデンスがあるのはTSH 10マイクロU/ml以上が甲状腺ホルモン補充の対象となります。

妊婦での潜在性甲状腺機能低下症の頻度は2-3%です。潜在性低下症でも不妊率は上昇します。不育症(習慣性流産)も増加します。TSHを指標に、妊娠前と妊娠初期は2.5マイクロU/ml以下、妊娠中期と後期は3.0マイクロU/ml以下に維持するのが望ましいです。

甲状腺ホルモン剤を服用せずに経過観察をしている潜在性甲状腺機能低下症の方は、近い時期の妊娠を計画した時点で甲状腺ホルモン剤の投与を開始しますのでお申し出ください。すでに甲状腺ホルモン剤を服用している方はTSHを2.5以下の低めの値にしておくとより安心です。