帯状疱疹と認知機能の話題|50歳以上はワクチンで予防を検討しましょう

帯状疱疹は50歳以降に増える病気です。一部の観察研究で、帯状疱疹と将来的な認知機能低下の関連が示唆されています。確定的な因果関係ではありませんが、予防として不活化ワクチン(シングリックス)の接種を検討しましょう。ご相談は 047-467-5500 へ。

要点まとめ

  • 帯状疱疹と認知機能低下の関連が示唆された報告がある(因果は未確立)。
  • 50歳以上では不活化ワクチン(シングリックス)で帯状疱疹の予防が可能。
  • 顔面・頭部に発症した場合は、早期受診と専門評価がとくに重要。
  • 接種可否のご相談・ご予約は電話 047-467-5500(Web予約の記載はありません)。

「帯状疱疹が認知症のリスクになる」——そんな報告が近年、海外を中心に注目されています。
ただし現時点では観察研究の結果が多く、因果関係は確立されていません。特に顔や頭に発症した帯状疱疹では神経や血管に関係する合併症が懸念されるため、予防と早期対応が大切です。
本ページでは、関連が示唆されている研究の要点と、予防接種(シングリックス)の実務をご案内します。


帯状疱疹と認知機能の関連をやさしく解説|しもやま内科(船橋市)

▶ 帯状疱疹と認知機能:いま分かっていること

「帯状疱疹は皮膚の病気」と思われがちですが、近年の研究で将来的な認知機能低下との関連が示唆されています。現時点では観察研究が中心であり、因果関係は断定できません。ただし、顔面・頭部の発症(特に眼の周囲)では、神経・血管系の合併症の観点から早期評価の意義が強調されます。

📚 研究の要約(平易なまとめ)

テーマ 概略
帯状疱疹と認知症の関連 複数の大規模データで関連が示唆。顔面・頭部発症例で関連が強いとする報告もある(観察研究)。
ワクチンと認知機能 帯状疱疹そのものの予防効果は確立。不活化ワクチン接種者で認知症リスクが低い傾向を示す観察研究があるが、因果の証明ではない。
考えられる機序 再活性化(再発)を抑えることで神経炎症・血管障害を予防しうる可能性。全身炎症負荷の軽減も仮説として議論。

▶ 受診の目安(こんなときは早めに内科へ)

  • 顔・頭部・眼周囲の発疹や痛みがある/広がってきた
  • 強い痛み・発熱が続く、神経症状(視力低下・麻痺・しびれ)を伴う
  • 持病(糖尿病・免疫抑制など)があり症状が重い/長引く

▶ ワクチン(シングリックス):対象と流れ

対象:一般に50歳以上で接種が検討されます(持病のある方はご相談ください)。

  1. 医師が問診・接種可否を評価
  2. 上腕(三角筋)に2回接種(通常は2~6か月間隔)
  3. 副反応の説明(局所の痛み・発赤、発熱、倦怠感など)

詳細は下記の専用ページもご覧ください:

帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の詳細

ご相談・お問い合わせ
📞 047-467-5500
※Web予約のご案内は行っておりません。お電話にてご相談ください。

▶ よくある質問(FAQ)

ワクチンで帯状疱疹は完全に防げますか?
100%ではありませんが、発症予防・重症化予防に有効です。効果の程度は年齢や免疫状態で異なります。
過去に帯状疱疹になりました。接種する意味はありますか?
再発の予防が期待できるため、接種が検討されます。時期は症状の回復後に医師と相談してください。
ほかのワクチンと同日に接種できますか?
原則として同時接種は可能ですが、体調や他ワクチンの種類により判断します。事前にご相談ください。
副反応が心配です。
注射部位の痛みや発赤、倦怠感、発熱などが出ることがあります。通常は数日以内に改善しますが、強い症状が続く場合はご連絡ください。
認知症の予防効果は確実ですか?
一部の観察研究で関連や低下傾向が示されていますが、因果関係は確立していません。帯状疱疹そのものの予防という観点から接種を検討しましょう。

👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長/総合内科専門医・糖尿病専門医・循環器専門医・老年病専門医・甲状腺専門医高齢者医療、糖尿病、甲状腺疾患などの診療経験に基づき、予防接種と地域医療に注力しています。

23/09/2024