むくみ(浮腫)の原因と受診の目安|内科でできる検査と対策

🔊 このページの要点

「むくみ(浮腫)」は原因が多彩です。心不全・腎不全・ネフローゼ症候群・甲状腺機能低下症・貧血・低アルブミン血症・薬剤性(カルシウム拮抗薬)などを想定し、
問診・診察と尿/採血(Alb・腎/肝・BNP・TSH・血算)を軸に鑑別します。片側の急な腫脹や息切れ増悪は早めの受診を。

むくみ(浮腫)の受診目安と内科での検査フローのイメージ
全身性と局所性を見分け、必要な検査へつなげます。

むくみ(浮腫)の原因と受診の目安|内科でできる検査と対策

1. まず確認したい「受診を急ぐサイン」

  • 片側の下肢が急に腫れた/痛い(深部静脈血栓症の疑い)
  • 息切れ・呼吸苦/夜間の呼吸困難・体重の急増(心不全悪化の可能性)
  • 発熱・発赤・疼痛を伴う腫脹(蜂窩織炎など感染)
  • 尿が少ない/泡立つ、顔や全身のむくみ(腎疾患・ネフローゼ)

上記は受診推奨です。迷ったらお電話ください(047-467-5500)。

2. むくみの主な原因(全身性/局所性)

  • 心不全:息切れ、起坐呼吸、夜間の咳、体重増加
  • 腎不全・ネフローゼ症候群:蛋白尿、低アルブミン血症、まぶた〜全身のむくみ
  • 甲状腺機能低下症:寒がり・倦怠感・皮膚乾燥・徐脈など
  • 貧血・低アルブミン血症:だるさ、息切れ、栄養不足や肝疾患の背景
  • 薬剤性:カルシウム拮抗薬(足背〜足首のむくみ)など
  • 静脈うっ滞/下肢静脈瘤:夕方に悪化、足を上げると軽減
  • リンパ浮腫:非圧痕性、左右差、手術/放射線の既往
  • 深部静脈血栓症(DVT)片側の急な腫脹・痛み・熱感

3. しもやま内科での評価・検査

  • 問診・診察:左右差、出現時期、体重変化、息切れ、既往・服薬(Ca拮抗薬など)
  • 尿検査:蛋白尿/潜血、ネフローゼや腎炎の示唆
  • 採血:Alb・Cr/eGFR・AST/ALT・Na/K・BNPTSH/FT4血算
  • 必要に応じて:胸部X線、心電図、Dダイマー、エコー(外部紹介含む)

4. 対策の考え方(原因別の基本)

  • 心不全が疑われる場合:塩分・水分の管理、利尿薬や基礎治療の調整を検討
  • 腎疾患/ネフローゼ:蛋白尿・腎機能の評価、必要時は腎臓内科へ連携
  • 甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモン補充で改善が見込めます
  • 薬剤性(Ca拮抗薬):薬剤の見直しや併用で対応できる場合あり
  • 静脈うっ滞:長時間同一姿勢を避ける、下肢挙上、弾性ストッキング(動脈疾患がないことを前提)

5. 生活の工夫(軽症〜改善期)

  • 減塩(1日6g未満を目安)、加工食品の塩分に注意
  • 座位・立位が続く日:ふくらはぎ運動、短時間の歩行をこまめに
  • 就寝前に下肢を心臓より高く上げる習慣

💬 よくあるご質問(FAQ)

朝は顔、夕方は足がむくみます。病気でしょうか?

体位や活動の影響で分布が変わります。持続・左右差・息切れの有無、尿検査/採血で全身性の原因を確認します。

カルシウム拮抗薬で足がむくむと聞きました

よくある副作用です。薬の調整や併用で軽減できる場合があります。自己判断で中断せずご相談ください。

弾性ストッキングは誰でも使えますか?

動脈疾患や心不全の状態によっては注意が必要です。適応や圧の強さは診察で確認します。

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👨‍⚕️ この記事の監修医師

下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長/日本内科学会 総合内科専門医/日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/日本循環器学会 循環器専門医/日本老年医学会 老年病専門医・指導医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医

むくみが続く/悪化する方へ。 原因を見極め、必要な検査と治療をご提案します。


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