不妊治療中に見つかる耐糖能異常・糖尿病は、妊娠成立後のGDMや周産期リスクにもつながります。
本ページでは、HbA1c・体重・PCOS・GDM既往を手がかりに「検査の優先順位」と「内科紹介の目安」を整理しました(産婦人科向け)。
不妊治療中の血糖問題は、①妊娠前に見逃されていた糖尿病と、②PCOS/肥満/生活習慣に伴うインスリン抵抗性(耐糖能異常)が混在します。
妊娠成立後は治療選択肢が変わるため、「妊娠前〜治療中に、どこまで評価して・どの段階で内科へ依頼するか」を早めに共有しておくと回遊と連携が安定します。
✅ まず押さえるポイント(結論)
- 不妊治療中はHbA1c・体重(BMI)・GDM既往・PCOSでリスク層別化します。
- HbA1c高値/空腹時高血糖がある場合は、妊娠成立を待たずに内科併診を検討します。
- PCOS/肥満/GDM既往などでは、必要に応じてOGTTで耐糖能を“見える化”して方針を決めます。
- 妊娠成立後の導線(医療者向け)は、妊娠糖尿病(GDM)の外来初期対応と紹介判断も併せてご参照ください。
📌 内科紹介の目安(外来で迷うところだけ)
- HbA1cが高め、または空腹時血糖が高い(妊娠前からの糖尿病/耐糖能異常が疑わしい)
- GDM既往があり、再評価(OGTTなど)や再発予防も含めて整理したい
- PCOS+肥満などでインスリン抵抗性が強く、排卵誘発・ART前に代謝評価をそろえたい
- 生活介入(食事/体重)だけで改善が難しく、治療の組み立て(妊娠成立後を見越した整理)が必要
- 合併症(高血圧、脂肪肝疑い、脂質異常、睡眠時無呼吸疑い等)も含めて内科で一括整理したい
※紹介状には「治療ステージ(排卵誘発/AIH/IVFなど)」「身長体重推移」「月経/PCOS所見」「GDM既往の有無」「直近のHbA1c・血糖データ」をご記載いただけると初回からスムーズです。
🧪 検査の優先順位(“まずこれ→必要なら追加”)
- 必須:HbA1c、空腹時血糖(可能なら随時血糖も)、体重/BMI、血圧
- 併せて:脂質、肝機能(NAFLD/脂肪肝の示唆)、腎機能
- 追加(ハイリスクで優先):75gOGTT(PCOS/肥満/GDM既往などで“耐糖能の段差”を見たい時)
※妊娠に関連する糖代謝異常の整理(分類や分娩後の再評価の考え方)は、公的情報として国立国際医療研究センター糖尿病情報センターの解説も参照できます:
妊娠と糖尿病(PDF)
🍱 外来での介入(産婦人科で先にできること/内科が得意なこと)
- 体重と食行動:まずは“現実的に続く減量”と、食後高血糖を作りにくい食べ方(分食・間食設計など)を整理
- 運動:安全な範囲での歩行・筋力維持(継続できる処方が重要)
- 薬物:妊娠成立後に選択肢が変わるため、現在の治療(例:メトホルミン等)を含めて「いつまで/どう切り替える」を連携前提で整理
※妊娠を見据えた“糖尿病(既存糖尿病)×妊娠”の管理は、Endocrine Society の臨床ガイドラインも参考になります(妊娠前評価や妊娠中管理の枠組み):
Diabetes and Pregnancy(Endocrine Society)
🔁 妊娠成立後(GDM導線:医療者向け)
妊娠成立後は、血糖目標・治療選択肢・フォロー頻度が変わります。運用面では、妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠の初期対応ページに合流すると整理しやすくなります。
患者さん向けの入口(※医療者向け本文とは分離)
患者さんへ共有する場合は、患者向けページをご案内ください(診断ではありません)。
📩 ご紹介・ご相談
※診療時間外はFAXにてご連絡ください。確認次第、折り返します。
❓ よくあるご質問(不妊治療×耐糖能異常/産婦人科向け)
HbA1cが高めのとき、どの段階で内科併診を検討すべきですか?
PCOSや肥満がある場合、OGTTはいつ行うのが実務的ですか?
GDM既往の患者さんは、妊娠前に何を優先して見ればよいですか?
妊娠成立後の引き継ぎは、どの情報があるとスムーズですか?
※本ページは医療機関向けの連携案内です。具体的な検査・治療は、患者さんの背景(年齢、治療ステージ、既往、合併症)により調整します。