副甲状腺機能低下症とは?
副甲状腺機能低下症とは、「副甲状腺ホルモン(PTH)」の分泌が不足することで、血液中のカルシウムが低下し、神経や筋肉にさまざまな症状を引き起こす病気です。PTHはカルシウム濃度の維持に重要な役割を果たしています。
この病気はまれですが、甲状腺や副甲状腺の手術後に発症するケースが最も多く、それ以外にも自己免疫疾患や遺伝性の要因が関与することがあります。
主な原因
- 甲状腺手術後の副甲状腺損傷または摘出
- 自己免疫性副甲状腺炎
- 遺伝性(常染色体劣性または優性)
- 低マグネシウム血症に伴うPTH分泌障害
主な症状
- しびれ、けいれん(特に手足・顔)
- 筋肉のこわばり・けいれん(テタニー)
- 知覚過敏・不安感
- 乾燥肌、脱毛、爪の変形
- 白内障や心電図異常(QT延長)
急激にカルシウムが下がると、けいれんや意識障害を起こすことがあり、緊急対応が必要です。
検査と診断
- 血中カルシウム・リン・PTH・マグネシウムの測定
- 尿中カルシウム測定
- 心電図(QT延長の確認)
- 手術歴・家族歴の確認
治療
基本はカルシウムと活性型ビタミンD(カルシトリオールなど)の補充です。血中カルシウムを一定の範囲に保つことが目標です。
- カルシウム製剤(乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなど)
- 活性型ビタミンD製剤(アルファカルシドール、カルシトリオール)
- 難治例ではPTH製剤の注射療法を行うこともあります
定期的な血液検査でカルシウム・リンの管理を行いながら、症状のコントロールと合併症予防に努めます。
当院の対応
しもやま内科では、副甲状腺ホルモンに関わる疾患に対し、内分泌専門医が正確な診断と丁寧な治療を提供しています。手術後の経過観察や、症状にお悩みの方はご相談ください。
よくあるご質問
- 副甲状腺機能低下症とはどんな病気ですか?
- 副甲状腺ホルモン(PTH)が不足して血中カルシウムが低下し、けいれんやしびれなどが起こる病気です。
- どんな症状がありますか?
- 手足や顔のしびれ・筋肉のけいれん・不安感・脱毛・QT延長などが見られます。
- 何が原因で起こるのですか?
- 多くは甲状腺や副甲状腺の手術後。まれに自己免疫性や遺伝性もあります。
- 治療法はありますか?
- カルシウムとビタミンDの補充が基本です。難治例ではPTH製剤を用いることもあります。
- 放置するとどうなりますか?
- 意識障害やけいれん、心電図異常(QT延長)などを引き起こす恐れがあります。早めの診断と治療が重要です。