シックデイ時の対応

「1型糖尿病でインスリン治療中です。風邪を引いたらどうしたらいいですか?」——1型糖尿病の患者さんから一番多い相談のひとつです。1型の方は膵臓がインスリンをまったく作れないので、シックデイの対応が2型とは少し変わります。特に気をつけたいのは「ケトアシドーシス(DKA)」のリスク。今回は1型糖尿病の方向けのシックデイ対応をまとめます。

1型糖尿病のシックデイが2型と違う理由

2型糖尿病の方は、膵臓がインスリンをある程度出せるので、体調不良でもなんとか血糖をコントロールできる場合があります。でも1型の方はインスリンがゼロ。体調不良でストレスホルモンが出ると血糖値はグンと上がり、インスリンがないとエネルギーを脂肪に頼らざるを得なくなり、その結果ケトン体が増えて——ケトアシドーシス(DKA)に陥るリスクがあります。

簡単に言うと、「元気なときよりもむしろインスリンが必要になる」のがシックデイ。決してインスリンを自己判断で休薬してはいけません。

1型糖尿病のシックデイ対応(原則)

① インスリンは絶対にやめない
食事が摂れなくても、インスリンは必要です。「食べてないから打たなくていい」は危険。むしろ増量が必要なこともあります。

② 血糖値をこまめに測る(2〜4時間おき)
血糖値の動きが読めないからこそ、頻回に測って把握するのが安全です。

③ 尿ケトン体をチェックする
ケトン体測定試験紙を持っている方は、シックデイには必ずチェック。陽性になったら早めに医療機関へ。

④ 水分をしっかり摂る
糖分の入っていない飲み物(水・麦茶)を少しずつこまめに。

これが起きたらすぐに受診・連絡を!

  • 血糖値250mg/dL以上が続き、下がる気配がない
  • 尿ケトン体が陽性(+以上)
  • 吐き気や嘔吐がある
  • 腹痛がある
  • 意識がボンヤリしてきた
  • 息が甘い果物のような臭い(アセトン臭)
  • 38度以上の発熱が続く

これらはDKAのサインです。夜間や休日でも、迷わず救急外来を受診してください。

1型糖尿病の方へ——普段から「シックデイの対応計画」を主治医と決めておくことを強くおすすめします。「何度測るか」「インスリンをどのくらい増やすか」「どんな時に受診するか」——これを事前に決めておくだけで、いざという時に慌てずに済みます。

❓ よくある質問

シックデイではインスリンを増やすの?減らすの?
基本的には増やす方向です(高血糖になるから)。ただし低血糖のリスクもあるので、こまめに血糖値を測りながら調整する必要があります。決まったルールを作っておくと安全です。
緊急時、夜間でも連絡していい?
当院では、シックデイの緊急連絡先をお伝えしています。ただし、意識障害がある・嘔吐が続く・呼吸がおかしいなどの場合は、迷わず救急車を呼んでください(119番)。

「1型糖尿病で体調不良時はどうすれば?」——迷ったら、すぐに連絡してください。

月・火・木・金 9:00〜12:00 / 14:45〜17:30 土 9:00〜12:00

☎ 047-467-5500

📅 2019年5月10日に公開・2026年5月9日に最終更新 | 👨‍⚕️ 監修:しもやま内科 院長(甲状腺・糖尿病 専門医)

10/05/2019