ウゴービ(Wegovy®)とは?
ウゴービ(一般名:セマグルチド)は、GLP-1受容体作動薬に分類される肥満症治療薬です。
週1回の皮下注射で、満腹感を持続させ、食欲を抑える効果があります。
もともとは2型糖尿病治療薬として使われていましたが、体重減少効果が認められ、2023年11月に「肥満症治療薬」として日本でも保険適用が承認されました。
保険診療で使えるのは、限られた医療機関のみ
ウゴービを保険で使用できるのは、厚生労働省が定めた施設基準(施設要件)を満たした医療機関に限られます。
その要件には、以下のようなものがあります:
- 肥満症治療の実績がある
- 日本肥満学会認定の専門医が在籍している
- 生活習慣改善・栄養指導の体制が整っている
一般的なクリニックでは処方が認められておらず、限定された医療機関でのみ使用が可能です。
当院では処方できませんが、ご紹介が可能です
当院(しもやま内科)は、糖尿病・生活習慣病の専門クリニックですが、ウゴービの施設基準は満たしておらず、当院ではウゴービの処方はできません。
ただし、船橋市立医療センター「肥満症治療薬外来」へのご紹介が可能です。
保険診療での治療をご希望の方は、当院にて診察後、紹介状を発行させていただきます。
注意点
- 保険適用の対象は「肥満症(BMI 35以上)」で、医学的な治療が必要と判断された場合に限られます。
- 美容目的での使用は不可です。
- ネット販売・無許可の入手は危険であり、厚労省も注意喚起を行っています。
📌 高度肥満と睡眠時無呼吸症候群の関係
高度肥満の方では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を合併していることが多く、CPAP治療などによって日中の眠気や代謝異常が改善され、減量しやすくなる可能性があります。
実際、2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドラインでも、SASと肥満の双方向の関連が指摘されています。
SASを治療することで、結果的に体重減少につながる可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の詳細を見る
※ CPAP導入の流れや、当院での検査対応について詳しく紹介しています。
よくあるご質問(FAQ)
ウゴービ(Wegovy)とは何ですか?
GLP-1受容体作動薬の一種で、週1回皮下注射する肥満症治療薬です。米国では肥満治療として承認され、日本でも2023年に適応追加されました。
ウゴービは保険適用されますか?
日本では、BMIなど一定の基準を満たした「肥満症」に対して保険診療で処方が可能ですが、医療機関に厳格な施設基準があります。
しもやま内科で処方できますか?
申し訳ありませんが、当院はウゴービ処方に必要な施設要件を満たしておりません。
船橋市立医療センターなどの専門外来へ紹介が可能です。
GLP-1製剤とウゴービの違いは?
ウゴービはGLP-1受容体作動薬の一種ですが、肥満治療に特化した用量設定であり、糖尿病治療目的のGLP-1薬剤とは用量や目的が異なります。
美容目的でウゴービを使用できますか?
保険診療では「肥満症」に対してのみ適用され、美容目的での使用は認められていません。自由診療でも慎重な判断が必要です。
まとめ
- ウゴービは肥満症治療薬として2023年に保険適用されました。
- 保険診療での使用には施設要件を満たす医療機関が必要です。
- 当院では処方できませんが、船橋市立医療センターへご紹介可能です。
📌 関連する治療薬のご案内
✅ 2型糖尿病の方には、チルゼパチド製剤の
「マンジャロ(Mounjaro)」を使用できます。
✅ 肥満症の治療薬としては、
「ゼップバウンド(Zepbound)」もあります。
この記事の監修医師
下山 立志(しもやま たつし)
しもやま内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医/
日本糖尿病学会 糖尿病専門医・指導医/
日本甲状腺学会 専門医/
日本循環器学会 専門医
日本老年医学会 老年科専門医・指導医
糖尿病・甲状腺疾患の専門医として、GLP-1受容体作動薬に関する最新の知見を踏まえた診療を行っています。
肥満症治療薬「ウゴービ(Wegovy)」についても、船橋市立医療センター「肥満症治療薬外来」にご紹介できます。